#36 両思いのはずが。
「なんだよコイツ!おい、逃げるぞ。」
彼氏達は逃げていってしまった。
「千秋、ちゃんと男選びなよ。」
「あ、ちょ・・・」
竜は一言残して帰っていってしまった。
「おわったな。」
『終わったね』
自習の時間。奏太と優弥と竜は教室をこっそり抜け出して屋上で喋っていた。
竜は千秋となかなか喋れないでいるらしい。
『千秋暴力嫌いって言ったじゃん』
「だって・・・」
「というか、今日1日中千秋を無視してたんかよ」
「どよーん」
奏太の一言で竜が落ち込みだした。
優弥がふと時計を見ると授業終了の10分前だった
『あ、そろそろ教室・・・』
バン!!!!!
屋上のドアが勢いよく開く。
入ってきたのは・・・千秋だった。
『千秋?!』
「こんなとこにいた・・・。」
千秋は竜めがけて走った。
「ちょちょちょ・・・千秋?!」
竜が驚きを隠せないでいると千秋は竜に一発ビンタをくらわせ、叫びだした。
「何なんだよ!急に無視して!」
「え・・・あの・・・だって・・・千秋、俺のこともう嫌いになったでしょ?」
「確かに!!!!暴力する人嫌いって優弥に言ったけどさ!!!!!」
『ちちち・・・千秋落ち着いて』
優弥が必死に宥めた。
奏太は無言で見守っていた
千秋は急に俯いて黙りだす。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「言ったけど何?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
『千秋??』
千秋はそのまましゃがみ込んだ。
黙ってたかとおもうと小さな声で何かつぶやいた。
「・・・もうとっくに好きになってるんだから仕方無いだろ」
『千秋・・・』
「・・・俺ら邪魔じゃねぇか?」
奏太が呟いたが優弥はあえて無視することにした。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
今にもラブラブになりそうなお2人さんが黙っている。
『りゅ・・・竜?』
優弥がおそるおそる竜に話かけると竜は不思議そうな顔で千秋を見つめていた。
「今何て言ったぬ?声ちっちゃくて聞こえなかった」
「・・・・・。」
「???え・・・何?」
千秋が思いっきり竜を睨むが竜は何も分ってないような表情だ。
「いっぺん死んでこい!!」
『・・・だめだこりゃ。』
「なにやってんだコイツら・・・」