#35 再び現れた奴。
竜と千秋の二人は仲良く(?)2人で帰っていた。
「じゃぁ・・・私こっちだから。ばいばい。」
と、千秋が指した方向は人気の無い道だった。
「・・・?道こっちだっけ?」
「近道だから。」
「・・・心配だから俺も行く!」
「・・・勝手にしな。」
「勝手にする♪」
と、人気の無い道を2人で歩き始めた。が。
「へーぇ。ラブラブじゃねぇか。」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
後ろを振り向くと千秋の彼氏が立っていた。
しかもそれだけじゃない。彼氏の後ろには数10人ほどの男がいた。
「この前のお返しだ♪」
この一言と共に後ろにいた人たちがいっせいに竜と千秋の元へ来た。
「ちょ・・・竜・・・」
千秋が心配そうに見ていたが数10人相手でも竜はスルスルと攻撃をかわしていく。
「楽勝♪」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
その時、千秋の悲鳴が聞こえた。
「千秋?!」
振り向くと数10人のうちの1人が棒を持って千秋に殴りかかろうとしていた。
「彼女サンが隙だらけだよ♪」
男は棒を振り落としたが千秋にあたる寸前で止まった。
竜が引き止めていた。
男が棒を動かそうにも力が強すぎて動かない。
「千秋には・・・」
刹那、竜の手が自然と男を殴ってしまっていた。
「手ぇ出さないでね♪」
残りの男達と千秋が呆然と見ていた。
「りゅ・・・竜・・・?」
「な・・・んだよ!コイツ!!」
残りの男達が一斉に竜に向かって来た。
とても大勢の人数だったはずなのに竜は傷ひとつなく、次々と殴っていく。
「ちょ・・・竜!どうしたんだよ?!止めて!!」