#34 いい感じ?
「クソ・・・覚えてろよ!!このままじゃ終わらせねーゾ!!」
結局竜を一度も殴れなかった彼氏は腰を抜かして帰った。
「い・・・一応礼は言っておく。ありがと。」
千秋が恥ずかしそうに言った
「別にいいのよーん♪これくらいで」
「あんたって以外に反射神経いいんだね」
「う・・・うん。そーなの!」
(そういうわけじゃないんだけどな・・・)
竜は心の中でそう呟きつつも言わないでおくことにした。
『ちーあきっ!一緒にかーえろ?』
「かーえろ?」
優弥は笑顔で静香と共に千秋に駆け寄った
あの日から数日。
千秋からは彼氏と別れたい。とだけ聞いていた。
「あ・・・ごめん!今日は竜に一緒に帰ろうっていわれてて」
『!』
竜の方をチラリと見てみた
かなり嬉しそうな顔をしている
『・・・・・。んまぁ!ラブラブしなさいな!』
「そっ・・・そんなんじゃないって!!!!じゃっ・・・じゃぁね!ホラ!竜!いくよ!」
「あ!まって~!」
千秋と竜は仲良く教室から出て行った。
静香も「それならカナちゃんと帰ろう♪」と言って帰ってしまった。
『にやり★』
優弥がそう呟くと、頭に鞄が叩きつけられた
『いったぁ!』
奏太が優弥の鞄をもってあきれた顔で立っていた
「あほかお前は。またついてこうと思ってただろ」
図星だった。優弥は千秋と竜にこっそりついていこうと企んでいた
『いいじゃん!別に!』
「いい雰囲気だからそのままほっとけ。行くと邪魔になりそうだから」
『ばれなきゃいいじゃん!』
「いや、お前だと嫌な予感がする」
『何それ!!』
またいつもの言い合いが始まった。
「つか、お前早く帰れよ。この教室あと俺らだけなんだけど」
『奏太は?』
「委員会」
『・・・・・・』
「何?一緒に帰りたかったの?」
『はい!?そんなわけないじゃん!!!』
奏太は馬鹿にしたような表情で教室から出て行った。