#33 怪しくストーカー。
『ほらやっぱり。あの男絶対彼氏だよ!』
「とゆうよりか俺ら絶対怪しいぞ。」
ひとけのない公園。
只今優弥と奏太と竜は草むらの陰に隠れて千秋を見ていた。
『っていうか、竜が恐ろしいほどおとなしいんですけど』
竜の周りに妙なオーラが漂っていた
「ズーン・・・」
「それをわざわざ口で言う意味が分かんねぇ」
『ねぇ!ちょっとまって!声聞こえる!』
3人は耳を澄ましてみた
千秋とその彼氏の声が聞こえる。
「じゃあね。私帰る。」
そう言って千秋はその場から立ち去ろうとする。
「おい!まてよ!」
千秋は男に腕をつかまれた
「ちょ・・・離してよ!」
「なんかやばくねーか?」
このやばそうな状況にも関わらず、奏太は相変わらず興味なさそうな表情だった
『うん・・・ってあれ?!竜は?!』
いつの間にか竜の姿が無い
「あ・・・。あれじゃね?」
奏太の指差す方向に竜がいた。
千秋のところへ向かっている
『ちょ・・・!あの彼氏暴力だっていってたよ』
「そんなことしたら竜はやり返す」
『やばいじゃん!千秋に嫌われるよ!何やってんの!!!』
しかしココで大声を出すと千秋にばれるので竜を止めるわけにもいかず。
「ねぇ」
ついに竜は千秋たちに声をかけてしまった。
「え・・・?!竜?!何でここに!」
千秋が驚いていた。当然だ。
しかしお構いなしで竜は千秋の彼氏らしき男に話しかける
「その手、離してくれない?嫌がってんじゃん。」
「あ?何だこのガキ」
だんだんと彼氏の怒り度が増していく
「女の子いじめちゃだめよーん♪」
「チッ・・・くそ生意気な!」
彼氏とやらの手は竜を殴ろうとしていた。
「竜!あぶな・・・」
千秋が必死に叫ぶが竜はするりとかわす。
「何やってんの?早く殴れば?」
「こんの!!クソガキ!!!」
一方その頃優弥達は呆気にとられていた。
『何あれ・・・』
「余裕だな。」
『暴力じゃないし・・・ギリギリセーフ?』
「じゃない?」
確かに殴ってはいない。
竜はかわしているだけだった
『私たち・・・もう帰ってもいいんじゃない?』
「・・・その方がいいかもな」
2人に気付かれないように家に帰ることにした