#32 作戦会議?
「竜、帰り俺んちな。」
翌日の朝、奏太が誰かの机に座り込んで竜に話しかけた
「わぁい♪♪奏太からのお誘い嬉しいナァ♪2人きりで何する気ぃ~?」
竜が奏太の腕にしがみついた。
「いや、優弥もいるし。」
「えぇ~?俺邪魔じゃん!」
「いや、お前いないと意味ねーし。」
「?・・・何で?」
・・・てな感じで放課後、奏太の家に竜を誘い込んだ。
早速優弥は本題に入る。
『んで!本題に入るけど!竜って千秋のこと好きなの?』
「?!!!」
刹那、バキッという音で優弥は竜に目をやった。
その片手には、見事に折れている鉛筆。
それを見る限りでは親指一本で圧し折られたようにしか見えない。
机の上に置かれていたものなのでおそらく美術用の奏太の鉛筆だろう。
『えぇぇ?!ちょ、竜?!』
「そーいやコイツ昔から強かったっけ。喧嘩とか握力とか」
奏太が思い出すように呟いた
『そうなの?!』
「そーはみえねーけど、めちゃくちゃ強かった。」
竜とは中学も一緒だったがそれは初めて知る事実。
思ってみれば結構よくわからない奴なのでまだ優弥が知らないことは多そうだ。
だが今はそれどころではない。
『それやばくない?』
優弥が呟くと2人がよくわからない表情で優弥を見た。
『千秋そーいうの嫌ってたよ。』
「まじかよ。めんどくせぇ奴。」
奏太はリアクションをとったが竜の反応がない。
『りゅ・・・竜?』
部屋の隅で死んでいた・・・ようにみえた
「おーい・・・」
『ちーあーきー!帰ろー?』
そのまた翌日の放課後。帰る準備が出来たので優弥は千秋のところへ行った。
ちなみに静香は今日は塾なので居ない。
「あー・・・今日行くとこあるから。奏太と帰りな。」
『・・・・』
『絶対彼氏のとこだよ!あれ!』
千秋を見送り、奏太と再び作戦会議。
「だから何」
『すとーかーしよーよ!』
「ストーカー好きだなー。そして堂々とストーカー言うなー」
『ホラ!竜も!』
「ほんとお前めんどくさい女だな」
奏太は面倒臭そうに鞄に教科書を入れた
『ほっとけ。』




