#30 実は彼氏がいた?!
「あーあ。」
「何だよいきなり」
『珍しく竜が落ち込んでる』
学校の帰り、優弥と奏太と竜で喫茶店に居た。
いつもの6人でカラオケに行く約束をしていたが他の3人は数学の課題を先生に出しに行くと、ついでにと体育倉庫の片付けをさせられている。
「だってさ、カナとしーちゃんはラブラブだし奏ちゃんとゆーやんも結局ラブラブだし。」
竜がすねた様な表情で言った。
『奏太と私がラブラブって・・・え?!知ってたの?!』
「ラブラブになった瞬間みた♪♪」
竜はブイサインをこちらに向けていた
『なっ・・・!!』
「お前誰にも言うなよ?めんどくさいから。特に女子。」
奏太がメニュー表を見ながら言った
『竜も誰かと付き合っちゃえば?ホラ、千秋とか。余ってるし。結構仲良いじゃん』
「はぁぁぁ・・・」
竜は深くため息を付いて落ち込んだ
『・・・?』
『千秋ー』
「んあー?」
学校の屋上で千秋とお昼を食べていた。
ちなみに静香は叶と一緒に食べている。
『千秋と竜って仲いいけど付き合ったりとかはないのー?』
「ありえん。」
千秋は食べ終わった弁当を片付けながら言った。
『エー?何でぇぇぇ!あんな仲いいのに!』
「つか、私彼氏いるし。」
『え・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!!!何それー!!初耳なんだけど!』
「あれ?知らなかったっけ?」
『知らないよぉぉぉぉぉ!!!誰?!誰?!』
「他校の人。電車で知り合った。」
千秋は弁当を鞄にしまい、代わりに大量のお菓子を出した。
『えぇぇぇ・・・』
「優弥こそ奏太とラブラブぢゃん」
『だからなんで皆知ってんの?!』
「は?」
『いや、こっちの話。』
「でもいいことは無いもんだな」
『え?』
千秋は期間限定の味のお菓子をくわえながらため息をついた。
「その彼氏っつーんがかなり喧嘩好きな奴で・・・前も誰かと喧嘩してたし。」
『いーぢゃん。強い男』
「私は嫌いなんだよ。そーいう喧嘩ばっかりみたいな奴。」
『えー?その顔でー?』
千秋に睨まれた。
「どーいう意味だ」
『んー・・・ま、頑張れ!』
「他人事のように言うな。」
『他人事だもん♪』
刹那、屋上の扉を開けてスキップでこちらに向かってくる足音が聞こえた。