#3 教科書、ありがとう。
pipipi・・・
いつの間にか目覚まし時計がなっていた。
『うぅ~・・・何時・・・?』
布団の中から手を伸ばし、手探りで時計を手に取る。
07時55分。
『遅刻ーー!!!』
急いで1階に降り、リビングを覗き込んだ。
『お母さん!何で起こして・・・いないし。』
1階に母の姿は無い。
『も~!!今日テストなのに!!』
『ちょっとは声かけてよ!!』
「は?何でだよ」
1日目のテストが終了した放課後、何故だか奏太に怒っていた。
『遅刻しそうだったじゃん!!』
優弥は今日、ギリギリの時間に学校へ着いた。
「よく間に合ったね。(棒読み)」
奏太がケータイを鞄の中から取り出し、机の上に座ってケータイをいじり始めた
『送ってもらった!お兄ちゃんが偶然帰ってきたの!!』
「良かった。よかった。(棒読み)」
『何かむかつく!!』
「こっちのセリフ。」
『あ!そうだ。教科書。』
優弥は鞄から借りた教科書を取り出した。
「・・・・。」
奏太は黙って受け取った。
『な・・・何?』
「お礼は?」
『は?!』
「ありがとうございましたは?」
『・・・ありがとう』
「何照れてんの?というか、なんでテスト終わってから返すかねぇ。」
奏太が呆れた顔でこちらをみてきた。
『なっ!うるさいっ!ていうか照れてないしっ!』
「なーにいちゃついてんのぉ?」
竜が奏太の肩の上に顔を出してきた。
「・・・普通に出て来いよ、お前」
うしろから叶がやってくる。
「竜ちゃん、だめだよ?そのままラブラブにさせておかないと。」
『は?!カナ何言って・・・』
「あらぁ~?ごめんなさぁ~い♪」
竜がわざとらしく奏太から離れた
「ちげーよ。何でコイツとラブラブしなきゃいけなーんだよ。」
奏太が叶の言葉を否定したがそれはこっちのセリフだ!
『はぁ?!その言葉そのままあんたに返す!!』
「奏ちゃん、優ちゃん、落ち着いて;」
叶が必死に優弥と奏太の喧嘩を止めようとしていた。
可愛いなぁ。おい。
『かーあいいなぁ。誰かさんとちがって。』
優弥は小さい子を宥めるように叶の頭を撫でた
おどおどしている叶に奏太が声をかけた
「竜!カナ。帰るぞ」
「りょーぉかいッ♪」
「あ!うん!」