#20 定番の観覧車。
優弥はけんけんと遊園地を楽しんでいた。
ジェットコースター、お化け屋敷、まぁ、遊園地でお決まりの乗り物を乗りつくしていた。
もうひとつ、お決まりの乗り物があった
「先輩!最後に観覧車乗りましょう!!!!!」
けんけんは楽しそうに観覧車を指さした
『あ!うん!』
けんけんと優弥は観覧車に向かった。
『うわっ!人多っ!!!』
やっぱり観覧車は人が多い。
何十分も待ってやっと優弥達の番が来た。
『うひゃ!』
優弥は人ごみに押され、倒れそうになってしまった。
「先輩!こっちです!」
その時、けんけんが優弥の手を引っ張って観覧車の中へ連れて行った。
『あ・・・・・』
ふと、お祭りの時を思い出した。
「2名様ですねー」
「あっはい!」
「ごゆっくりどうぞー」
遊園地の人に観覧車の中に乗せられた。
優弥は窓の外をじーっと見つめて、考え込んだ。
雲ひとつない、青空。
(あの時、奏太も人ごみの中で手を握って連れてってくれたっけ・・・学校でなんであんな喧嘩しちゃったんだろー・・・)
「せっ・・・先輩?!」
いつの間にか、優弥は泣いていた。
『あ・・・ご、ごめんね』
「先輩?」
『ううん、なんでもない・・・ごめんね』
「・・・?」
『おはよー・・・』
月曜日の朝。
「はよーっす。どうした?優弥元気ないけど・・・」
千秋に何か言われたがまず奏太を探した。
『・・・あれ?奏太は?』
「さあ?けんけんとやらに呼ばれてどっか行ったよ?」
『ふーん・・・・・???』