#17 練習、そして弟?!
『はいっ!結んだよ!!』
ある日の3限目は体育大会の練習。
今日の練習メニューは二人三脚らしい。
奏太とペアになってしまった優弥は2人の足を結び終えたところだった。
「めんどくせぇー・・・」
『あ!ほら、集合かかったよ!』
グラウンドの中央の方で先生が「集まれー」と叫んでいた
「何でコイツなんだよ」
奏太がめんどくさそうに呟いたので優弥も条件反射で言い返す
『コイツですみませんね!!』
「おーいそこの2人ー!早くしろー」
いつもの言い合いが始まったが先生に呼ばれた。
『ほらぁ!!奏太のせいじゃない!!!』
「お前のせーだろ」
『はぁ?!何で私なの!!!』
2人の言い合いは止まらず、先生が呆れながら見ていた
「そこの2人早く集まれー・・・」
次の日の朝。
優弥は2年の教室がある2階へと行こうと階段に足をかけたがバサバサバサッという音で数歩下がって物音のした方を覗いてみた
「あわわっ!!」
驚く1人の声が聞こえた。
『?』
1人の男子生徒が廊下でたくさんの紙を落としてしまったようで一生懸命に拾っていた。
あまりにもかわいそうだったので拾いに行ってあげた。
『これで全部?』
「え?あ!はい!」
男子生徒は少し驚た表情をしていた。
『1年生?』
「はい!1年3組、藍澤健吾です!」
『藍澤・・・?』
藍澤といえば。藍澤麻衣のことが頭に浮かんだ。
嫌な予感・・・
「あ!もしかして・・・お姉ちゃんと友達ですか?麻衣っていうんですけど・・・」
『あ・・・あぁ。まぁ・・・』
予感的中。麻衣の弟だった。同じ高校に入学してるとは。
「けんけーん!何してんだよー、早く来いよー!」
1年生の教室から顔を出していたお友達らしき人がこちらにむかって叫んでいた。
『じゃぁ・・・私もう行くね!』
「あ・・・はい!ありがとうございました!」
なんだか厄介なことがおこりそうな予感がした




