#156 デート?
クリスマスイブ前日。
現在奏太の家に集まって男3人で騒いでいた。
さっきから竜がくだらない話を続けている。
「・・・そういえばさー・・・」
急に、深刻な表情になって奏太を見た。
「・・・何」
「今日、ゆーやん悠希とデートするんだって。駅前で待ち合わせて」
「・・・だから、何。もう関係ないし」
「奏ちゃん!」
竜は奏太を無理矢理立たせた。
そして肩をがしっとつかむ。
「俺は奏ちゃんの彼女はゆーやんであってほしいの!!」
「・・・めんどくせ」
「まだ好きなんでしょ?!」
「・・・」
無理矢理奏太を部屋から追い出し、背中を押した。
「行ってきなよ!!仲直りしてきなよ!」
「奏ちゃん、忘れ物」
叶は、笑顔で優弥の指輪を持ってきた。
「・・・」
「僕達ここで待ってるから。今度は優ちゃん連れて戻って来てね」
「・・・・・・」
奏太は無言のまま、歩き出した。
「・・・奏太君」
階段を下りたところでは、華蓮が心配そうに見ていた。
「どこいくの?」
「・・・ごめん。俺アンタはもう好きになれない」
「っ・・・」
「俺が好きなのは・・・俺の彼女はアイツだから」
奏太はそう言って、走り出した。
外へ出て、途中で傘を忘れたことに気が付いたが、もう戻っている暇はない。
駅前に向かって、走り出した。