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Love Addiction  作者:
153/171

#153 涙。

奏太が校門まで歩くと、そこには笑顔で待っている華蓮。

華蓮が奏太の姿を見つけると、すぐに抱きついてきた。

「来ちゃった♪おかえり!」

優弥はくだらないことで怒るし、華蓮は自分が彼女だと勘違いしたまま。

きっと、言葉一つで簡単に解決すること。

でも正直、めんどくさい。

なんであんな、くだらないことで怒る?

別に他の奴とキスしようがしまいが、結局好きなのは―・・・

「あ・・・ごめんなさい。彼女でもないのに抱きついちゃって・・・」

華蓮は、以前の奏太の言葉を思い出したかのように奏太から離れた。

「めんどくさ。・・・・・・いいよ、どうでも」

奏太はため息をついて、華蓮の頭をそっと撫でる。

「帰ろ?」

そう呟いた華蓮が奏太の手を握る。

その手を、握り返した。

もしかしたらこのまま優弥と別れた方が、優弥も楽になるのかもしれない。


『・・・』

教室で女子達が騒ぐ中、優弥は相変わらずぼーっと校門を眺める。

2人が抱き合い、そして手を繋いだ。

あの2人は、また付き合い始めたのかもしれない。

教室にいた女子達は、みんな揃って走って校門へと向かっていく。

「・・・優弥、大丈夫か」

「そろそろ帰ろう?」

気が付けば、千秋と静香が心配そうに優弥の顔を覗き込んでいた。

『あ、うん。大丈夫!あ、私用事あるから先帰ってて!』

本当は、用事なんてない。なんとなく、帰る気がしなかった。

千秋と静香は不思議そうにしながらも、教室から出て行った。

誰も居なくなった教室。

優弥は奏太の机の所まで歩いた。

そして、そっと机を撫でる。

「・・・何してんの?」

誰もいなかったはずの教室には、いつの間にか悠希がいた。

不思議そうに優弥の元へ向かってきた。

『べ、別に!そろそろ帰ろうかなって!!』

「・・・さっきの校門。あんたも見たんでしょ?」

優弥は、何も答えなかった。

悠希はそっと優弥の頭を撫でる。

気が付くと、優弥の頬には涙が伝っていた。

「っ・・・」

悠希は、優弥を思い切り抱きしめる。

何も言わずに、頭を撫で続けてくれた。

『・・・っ・・・うっ・・・』

優弥は、子供の様に泣きじゃくった。

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