#15 2人きりの賭け。
「強く投げすぎた。」
奏太が、倒れこんで起きる様子のない優弥の元へ駆け寄った
「お前力加減考えろよ;ほれ。もってけ」
千秋が呆れた表情で奏太に優弥を託した。
「はぁ。めんどくさ・・・」
「だまらっしゃい!」
「よっと・・・」
奏太が優弥を姫抱っこで持ち上げた。
その姿に、女子の誰もが羨ましがっていただろう。
「わぉw奏太やるじゃん」
「だって起きねぇからこれしか方法ねーじゃん。」
そういい残して奏太と優弥は体育館を出て行った
ぱち。
目が覚めると保健室に居た。
『あれ・・・?』
「お前重すぎ。運ぶの疲れた。」
ベッドの隣の椅子に奏太が座っていた。
『奏太・・・。ていうか、重いってどういうこと?!』
「・・・・お前さ、なんであの日泣いてたの?」
奏太がいきなり話を切り替えた。
『・・・・。』
「ていうかなんでお前いたの?」
『だって・・・あの奏太がデートなんて行きだすし・・・』
「1回デートしてくれたらあきらめるって言ってたし、あいつしつこかったし。で、何で泣いてたんだよ」
『・・・・・・・・・。』
「何だよ?」
優弥は布団を握りしめた
『所詮私はただの幼馴染ってだけだもん・・・』
「それ以外になにがあんだよ」
『どうせこんなただの幼馴染より麻衣ちゃんみたいな可愛い子のほうが好きなんでしょ。』
「おまえさ・・・」
『え?』
奏太が少し間をあけてから話を続けた
「・・・俺のこと好きなの?」
『え・・・?』
「さっきからそういってるようにしか聞こえないんだけど」
『・・・・・』
優弥は布団の中にもぐりこんだ。
「え。何。図星?」
『なんでアンタはそーいうことをそうズケズケと・・・』
「へーぇ」
『は?』
思わず布団から顔を出した
「優弥の弱味握っちゃった」
勝ち誇った表情で笑っていた。
『な!!!なんかやな感じ!!』
「ばーか」
『ぜぜぜ絶対私のこと好きにさせてやる!!!』
「ま、せーぜー頑張れば。」
『もし奏太が私に惚れたらメロンパン!』
「お前そーいうのすきだなー」
といって奏太は保健室から出て行った。
優弥が奏太と両思いになる日はまだまだ先のよう・・・です。