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Love Addiction  作者:
149/171

#149 ばか。

「奏太君っ!」

奏太が家に帰り、玄関に入ると突然華蓮が抱きついてきた。

「おかえり♪」

「・・・別にさ」

奏太が呟くと、華蓮は奏太から少し離れ、首を傾げる。

「・・・ん?何?」

「別にあんたがどう思おうが勝手だけど、俺はあんたが彼女だなんて思ってないから」

「・・・え?」

「早くこの家から出て行ってくれない?」

「あっ・・・ごめんなさい」

華蓮は目に涙を浮かべてリビングへ入って行った。

一人になった奏太は、ため息をついた。

「・・・めんどくせ」


『だから!もう知らないってば!』

優弥の部屋で、優弥は携帯に向かって叫んでいた。

千秋から電話が来たのだ。

電話の向こうの千秋は呆れた様子だった。

「奏太も悪気は無かったんだって!」

『もういいの!・・・放っといてよ』

優弥はベッドにダイブして、ため息をついた。

『・・・何してんだろ、私』

そう呟くが、すぐに頭を振った。

『ううん!悪いのは奏太だもん!!』

「・・・だから、奏太に悪気は・・・」

千秋の言葉を遮って、再びため息をついて呟く。

『私がけんけんとキスした時、奏太はすぐに許してくれたのに。・・・ばかだな、私って』

「そう思うなら、早く仲直りしろ」

『でも奏太がっ・・・』

優弥が叫ぶが、電話はいつの間にか切られていた。

『・・・』

すでに千秋の声が聞こえなくなった携帯を、優弥は握り締めた。

『・・・奏太のばか』

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