#138 客が少ない理由。
なかなかいい天気。なかなかの客の数。だが。
『・・・暇だね』
優弥達のクラスの喫茶店は人が少なかった。
やっぱりお化け屋敷とかの方が楽しかったのか
「・・・」
千秋はすっかり不機嫌な様子だった。
その隣で静香は必死に千秋を宥めている。
「やっほー♪がらーんとしてるねぇー」
突然、竜の声が聞こえた。
その声で、千秋は更に不機嫌になったご様子。
入り口の方に、竜と奏太と叶が居た。
『あー!奏太♪みてみて!この服、かわいい?』
「きもいきもい」
優弥は笑顔で奏太の前に立つが、奏太は優弥の方を見向きもしないで答えた。
『ちょっと何それ!!』
「あ、そうか」
喧嘩が始まろうとした優弥の隣で千秋は突然指を鳴らした。
「お前等3人が居ないから客が来ないんだよ!お前等がメイドになればいいんだよ!」
千秋は嬉しそうに提案した。
叶と奏太はきょとーんとしている。
「おい竜!お前の人脈ならプロのメイクさんとか呼べるだろ!」
「わーい♪楽しそうだねー」
竜は楽しそうにケータイを取り出した。
見事に女の子な奏太達3人が接客をしてくれたおかげで女子の客がどんどん増えた。
「・・・別に、奏太いつも通りじゃん」
面倒そうに接客をする奏太を見て、突然千秋が呟く。
『へ?!そ・・・そうかな』
優弥が曖昧に返事をすると、ひょこひょこと静香がやってきた。
「奏太君、冷たいとかじゃなくて元気ないんじゃない?」
『元気・・・無い?』
優弥は、首を傾げた。