#135 つくりわらい。
閉会式は、体育館で行われていた。
だが、優弥と奏太は保健室の扉を開く。
『保健室の先生・・・体育館行っちゃったのかな?』
「・・・」
奏太は無言で、ベッドに座り込んだ。
優弥は床にしゃがみこみ、奏太の足の様子を窺った。
足首が赤くなり、腫れている。
『えっと、病院行った方がいいのかな?軽い怪我ならいいけど、骨折とかだったら・・・』
ずっと俯きながらオロオロしている優弥は、奏太に頬をつねられた。
『痛っ・・・何?』
優弥はようやく顔をあげる。
奏太はすっかり不機嫌な様子だった。
「・・・つくり笑いすんな」
突然そう言われた優弥は、また俯いた。
『だって、私・・・迷惑ばっかりかけて・・・』
そう思うと、涙が一気に溢れ出す。
『っ・・・ごめんっ・・・』
泣き続ける優弥を、奏太は無理矢理立たせた。
「・・・めそめそしてんな」
『だってっ・・・』
突然、奏太は優弥の口を服の袖で抑えた。
『・・・?ふごっ・・・』
そのまま、ごしごしとこすり始める。
『ふごごごごごっ・・・何?!』
無理矢理奏太の手を離して、奏太の隣に座った。
「お前、けんけんとキスしただろ」
『えぇ?!ばれてた?!』
「当たり前だ、ばーか」
そう言って奏太は、優弥にデコピンをした。
『うぅ・・・ごめんなさい』
すると、奏太は突然優弥をベッドに押し倒した。
『・・・?奏太?』
奏太はその上にまたがり、優弥の口を押さえた。
「いいから、黙ってろ」
『ふごっ・・・』
(奏太―・・・?)