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Love Addiction  作者:
129/171

#129 幸せを願う。

「あの、先輩、今何て?」

小雪は恐る恐る聞き返す。

今けんけんの言った言葉が、信じられなかった。

もしそれが本当なら、今まで自分が悩んでいたのはなんだったのか。

「如月先輩はもうとっくに諦めてんの」

けんけんは、笑顔だった。

「そんな簡単に諦めちゃっ・・・」

小雪が、優弥から言われた言葉だったのだが、小雪はけんけんが必死に笑っているのが、わかった。

「1年経っても、優弥先輩が好きなのは奏太先輩。そろそろ好きな人の幸せくらい、願ってあげなきゃ」

けんけんは、悲しそうに笑った。

「だから、体育大会に奏太先輩とリレーで勝負する」

けんけんはガッツポーズをした。

「奏太先輩にかなうわけないって、わかってるけどさ。けじめをつけたくて」

「・・・・・・」

小雪が何も言わなくなったので、けんけんは「じゃあね」と手を振って去っていった。


午後の授業は体育大会の全員リレーの練習。

優弥はスタート位置に立つ奏太を見つめた。

『私的なストーリーでいくとね!』

隣にいる千秋に向かっていきなり叫ぶ。

『けんけんは奏太との勝負に負ける!そして小雪ちゃんが慰める!そこでけんけんドキッ!俺は、小雪ちゃんが好きなんだぁー!的な展開になってくれないかなーと』

優弥がいきなり語り始めたので、千秋はすっかり呆れている様子だった。

「そんな上手くいくかね?」

『いくと願う!だからこそ、奏太は勝ってほしい!』

「いくら奏太でも、相手は陸上部だぞ」

千秋がそう言った途端、バトンは奏太へと渡った。

奏太は相変わらずの速さで、どんどん他の人と差をつけていく。

『けんけんにも、幸せになってほしいからさ』

「・・・まぁ、ね」

『ほら千秋、そろそろ私達の走る番だよ』

優弥が歩きだすと、千秋もその後ろを歩き始めた。

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