#123 隣。
『ひゃぁ!!』
優弥は思わず叫んで布団にもぐりこむ。
千秋たちの持ってきたDVDが予想以上に恐ろしい映画だった。
静香と叶はすでに部屋の隅へ行ってしまっている。
奏太は相変わらずの無表情で見ている。
千秋と竜は楽しそうに画面をじっとみている。
自慢ではないが優弥はホラーと雷は大の苦手だ。
そっと布団の隙間から画面を見るとどうやら映画が終わったようだ。
『終わった?終わった?』
「終わった♪」
優弥の問いに千秋はいきいきしながら答えた。
静香と叶が互いに「怖かったねぇ~」と言い合いながら部屋を出て行った。
『そんなの見せないでよぉ・・・』
千秋と竜楽しそうにDVDを片付けて部屋を出て行った。
「・・・くだらね」
そう言って奏太はさっさと寝てしまった。
『えぇ?!もう寝るの?!待ってよ!!』
「なんだよ」
でも気付くとすでに夜中。これ以上起きているのもおかしい。
『・・・・・・一緒に、寝てもいい?』
あんな映画を見せられた後では怖すぎて眠れないに決まっていた。
せめて近くに奏太がいて欲しい。
優弥は枕を握り締めて奏太が使っているベッドを見つめた。
「・・・」
奏太は少し黙った後、ため息をついて少し場所をずれて、ここに来いとでも言うように空いた場所をぽんぽんと叩いた。
『・・・』
優弥は奏太が叩いた場所へ行った。
『失礼します』
優弥はそっとベッドにもぐりこむ。
同じベッドで寝るのは幼稚園以来じゃなかろうか?
しかも本来は1人用のベッドなので結構狭い。優弥は今更緊張してきた。
(何やってんだろ?!私!!)