#121 2人部屋?
竜が予約してくれたホテルは結構いい所だった。
『おぉー。さっすが竜♪』
優弥が言うと竜は困った顔で優弥を見た。
「んー。でもね。3人部屋が空いてなくてね」
『・・・?じゃあ何処に泊まるの?ここじゃないの?』
「ううん、ここだよ。2人部屋を3つ予約しておいた♪」
その場が一気に静まりかえる。おそらく皆状況を整理しているのだろう。
「じゃぁ、ゆーちゃんと奏ちゃん、ちーちゃんと竜ちゃん、しーちゃんと僕ってこと?」
沈黙の中、そう呟いたのは叶だった。
「そういうことだね♪」
竜が笑顔で言った。
『・・・・・・えぇぇぇぇぇ?!何それ!!』
優弥は思わず叫んでしまった。いそいで口を押さえる。
「あ、でもベットは別なんだから。変なこと考えないでね♪」
そう言って竜は奏太と静香にそれぞれ部屋の鍵を渡した。
「へっ・・・変なことって!!んな事考えてねぇよ!」
そう叫んだ千秋は竜に引っ張られ、去ってしまった。
「と・・・とりあえず部屋に行こうか」
静香のその言葉で、とりあえず部屋に向かった。
部屋で奏太と2人きりになると急に緊張して話題が何も出てこない。
部屋には時計の音だけが響いていた。
『・・・・・』
優弥はそっと荷物を降ろした。
「おい」
『わひゃぁ?!』
急に話しかけられ、優弥は驚いて奏太を見る。
「何でそんな驚いてんだよ」
『なんでもいいじゃん!・・・で、何?』
「風呂、お前先に入ってこいよ」
『は・・・はい』
優弥は言われるがまま、浴室へ向かった。