#103 お説教。
「あ、カナちゃん、そういえばねー、昨日ね、」
静香とカナはショッピングセンター内で2人で喋りながら歩き回っていた
「何かあったの?」
「それがね・・・あれ?」
「・・・しーちゃん?どうしたの?急に立ち止まって」
「あれって・・・」
静香の視線の先には、ゲームセンターの出入り口で言い争いをしている2人の男女の姿があった。
『もうちょっと楽しそうにしてよ』
撮ったプリクラを見ても奏太は相変わらずの無表情だらけだった
「楽しくねぇもん」
『楽しんでよ!』
「は?意味分か・・・」
「ゆーちゃん!奏太君!」
奏太の言葉は突然のどこかからの叫び声に遮られた。
声のした方を向くと、静香と叶がいた。
『・・・申し訳ない』
優弥と奏太は現在ゲーセン前で千秋にしかられていた。
いや、正確に言えばこの状況は怒られているのは明らかに優弥だけだろう。
奏太は全く聞いていないようだ。じっと人間観察をしている。
「だいたいっ!2人でデート行きたいなら最初からそう言えって・・・おいコラ奏太!聞いてんのか!」
千秋が怒っても奏太は完全無視なので優弥は変わりに答えた。
『そんなこと言われても・・・千秋もちゃっかり竜とデートしてたじゃんかぁー』
「お前等がいなくなるからだ!!」
『ぶぅー・・・』
2日目の宿は結構・・・いや、かなり安そうなホテル、いや旅館いや、宿泊施設かもしれない。
各部屋にお風呂、トイレは付いていない。一つの階に1つずつ。
『1日目のホテルで金使っちゃったんかいねぇ』
千秋、静香と共に自分達の部屋を見た優弥は改めて呆れる。
「あーあ。誰かさんのせいで疲れたつかれた」
千秋がわかりやすく優弥を睨んだ
『だからごめんって』