#102 逃げる。
『ねぇ、この服とこの服どっちがいいと思う?』
結局海以外に特に行きたい場所は無かったので沖縄のショッピングセンター内をうろうろしていた。
現在、優弥と奏太は洋服屋に居る。
優弥の手には2着の服。奏太はめんどくさそうにため息をつく。
「そんなのどっちでもいいだろ」
『は?!よくないよ!』
「そんなもん沖縄じゃなくても・・・」
急に奏太の話が止まった。
『・・・?どうしたの?』
「・・・竜達・・・」
『は?』
刹那、急に奏太は優弥の手を握って走り出した。
『わぁ!ど・・どうしたの?!』
「竜達いた。いいから黙って走れ」
『えぇ?!』
「優弥と奏太は何処いったんだよ」
「奏ちゃーん、ゆーやーん」
千秋と竜はショッピングセンター内で奏太と優弥を探していた。
因みに静香と叶はショッピングセンターまで一緒に来たのはいいが、結局2人でデートへ行ってしまった。
クラスメイトから優弥と奏太がここのショッピングセンターに入っていったとの情報が入って来たのでさっきから探しているのだが何処にもいない。
千秋はだんだんと歩く速さが早くなってきている。
「ちあきー?どったのー?!早いよ!!」
竜が後ろから追いかけると、千秋は急に立ち止まった。
「・・・・その辺歩いてたらそのうち見つかるだろ」
千秋が顔を赤くして言った直後、竜は千秋に強引に手をつながれた
「なーんだ♪デートしたいならそう言えばいいのにー」
「別にそんなんじゃない!」
『はぁー・・・はぁー・・・』
結局優弥と奏太がたどり着いたのはゲームセンターだった。
『奏太・・・走るの速いって・・・はぁー・・・』
息を切らしながら優弥はゲームセンターの入り口付近で座り込んでいた
「は?・・・お前が遅いだけだろ」
『だから私は普通なの!』
やっとのことで立ち上がり、ゲームセンター内をめぐり始める。
『ねぇ!奏太!!沖縄記念にプリクラとろうよ!』
「はぁ?!んなもん誰が・・・」
優弥はその辺に見つけたプリクラ機まで無理矢理奏太を連れて行った。
「・・・めんどくせぇ」
『何か言った?』
「別に」