カフンショウ ──ふれんず
さくらひらひら 舞い散る通学路
川原の桜並木に 学生服とセーラー服
六年共に通い続けたこの道を
中学校へも あい変わらず二人で歩く
立ち止まって二人
春の空気を大きく吸い込む
とたん僕だけ何度もくしゃみをした
花粉症か と彼女は問う
まさか違う と僕は答えた
こんなもの花粉症じゃない
ただムズムズするだけだ
彼女がそっとティッシュを渡してきた
昔はそんなもの持ってなかったクセに
そういうと頭を叩いて来た
やっぱりな
こんなもの恋じゃない
ちょっと胸がキュンとするだけだ