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女の子に生まれて、恋をしたかった〜性同一性障害?の僕〜

作者: 儚い


 それを自覚したのは中学1年の時、部活の先輩に恋をした。


 男の僕が、男の先輩に。


------


 僕は男だ、ちゃんとあれも生えている。

 でも、僕は女の子みたいなんだ。


 普通の男の子とは違って可愛いものが好きだ。

 普通の男の子とは違って女の子に恋をしたことがない。

 普通の男の子とは違って臆病だ。

 普通の男の子とは違って......もちろん男の子のみんながこの普通に共通はしないんだろう、でも周りの男の子はみんなそんな感じだった。


 かっこいいに憧れて、女の子に恋をして、活発で...。


 小学生になる頃、男の子だからと黒のランドセル、男の子だから可愛くないズボン、男の子だから...お母さんにそう言われて学校に行かされた。


 男の子だから男らしく、男の子だから好きな女の子を作れと、男の子だから...お父さんに価値観を押し付けられた。


 ...本当はピンク色みたいなランドセルを背負って、可愛いスカートが履きたかった。

 でも周りの男の子はみんなそうだった。


 ...本当は男らしくなんてなりたくない、そもそも女子に恋をしたことなんてない。

 でも幼稚園の時の男の子のみんなは僕とは行動も話し方も違って、女の子が近くにいると調子の違う子もいた。


 小学校低学年、いつものように女の子と話していると男の子にからかわれた。

 ただ歩いたり、喋っただけなのに、そのことを悪く言われた。


 女みたい、と。


 女の子は僕を男の子から庇ってくれた。特に幼稚園の頃からとても仲良しの子、紗奈ちゃんに。


 紗奈ちゃんは小学生の頃いつも僕と仲良くしてくれて、守ってくれた。いじめてきた男の子はそれが気にくわなかったようだけど、嬉しかった。


 小学校中学年のある日、大して仲の良くない3つ上の兄にこんなことを言われた。


 「お前日ヶ崎と仲良いだろ、俺にも仲良くさせてくれよ」


 僕は高圧的な兄に逆えず、紗奈ちゃんが家に遊びに来た日はいつも兄がいた。

 兄はきっと紗奈ちゃんのことが好きだったのだろう。

 兄は僕を除け者のように扱った。僕はそれが嫌だったけど紗奈ちゃんも別段悪い気はしていないようで、次第に紗奈ちゃんが家に遊びに来る日が嫌になった。


 小学校高学年、僕は変わらず女の子らしかったが徐々にそのことに違和感を持ち始めるようになった。

 特に体育の授業、今まで平気だったのに男子と一緒に着替えるのが気恥ずかしく、嫌だった。周りの子はそんなことを気にしている素振りなんてなかったのに。



 中学生になって、僕は僕がおかしいと思ってしまった。

 部活の先輩に恋をした。

 

 男の僕が、男の先輩に。


 僕はそのことを紗奈ちゃんに伝えた。


 「男が男を好きになるならゲイなんじゃない?確かに珍しいのかもしれないけどおかしいことはないと思うよ」


 本当にそうなのだろうか。確かに僕は男だけど...。


 ある日、この違和感についてネットで調べているとこんな病気を知った。



 『性同一性障害』



 「性同一性障害って何?」


 これを知った僕は紗奈ちゃんにいち早く伝えた。


 「えっとね、体は男なんだけど、心の方は女の子っていう病気らしいの。産まれる前のホルモン環境?とか心理的影響?とかが原因らしいんだけど、確かなことはわかってない病気らしいんだ」


 紗奈ちゃんへのこの告白は少し怖かったけど僕は紗奈ちゃんを信じた。


 「そっかぁ、確かに納得かも...それでどうするの?」


 「どうするって?」


 「この病気とどう向き合うかだよ。お兄さんとかにはもう相談したの?」


 「すっ、するわけないよ!このことは紗奈ちゃんにしか言うつもりないよ...。だって...」


 怖い。


 「...そっか、じゃあこのことは秘密にしなきゃね。相談してくれてありがと」


 怯えて震えている僕に紗奈ちゃんはそっと抱きしめて、背中をさすってくれた。


 熱くて、暖かった。


 その後の変わりなく学校生活を送っていたが男の先輩への恋煩い、男子との付き合い、女の子の心とは裏腹に成長していく男の体...

 拠り所はいつも紗奈ちゃんだった。


 いつもいつも暖かかった。熱いものが込み上がり、胸が締め付けが苦しみと共に開放されていた。


 そんな中学2年生の夏、想いを寄せていた先輩が部活を引退する。


 怖かった、苦しかった、涙が出そうだった。でも、紗奈ちゃんが背中を押してくれた。


 告白した。でも後に後悔した。


 案の定、振られた。わかっていた。でもこれを糧にまた頑張っていこうと泣いて、抱きしめられて、また泣いて。


 数日後、登校すると告白したことがみんなにバレていた。


 発生源はわからない。でも辛かった。みんなみんな僕を笑う。


 紗奈ちゃんは庇ってくれた。でも僕は逃げ出した。



 中学2年の秋からはしばらく不登校になった。


 紗奈ちゃんは毎日部屋の前に来てくれたが、兄が煩かった。

 兄は僕に関心はなく、ただ紗奈ちゃんを目的としてた。兄は僕の良き理解者面してた。


 黙ってよ兄ちゃん。もう、黙れよ。


 でも紗奈ちゃんは嬉しそうだった。兄ちゃんが僕を寄り添ってくれていると安心しているから?それともただ兄ちゃんに会えて嬉しいから?


 ある日、僕は紗奈ちゃんを部屋に招こうと、重い扉を開けた。


 疑問を伝えた。どうしてうちに来るの?と。


 僕と一緒にいたいから、だって。


 一緒にいたいなら学校へ行かずに僕の部屋にずっといればいいじゃないか、と言った。


 紗奈ちゃんはこの言葉を聞いて一度、この部屋を出た。


 僕はとても苦しくなった。


 だがしばらくして紗奈ちゃんは部屋に戻ってきた。大きなリュックを背負って、ここに住み着いた。僕の部屋に住み着いたんだ。


 それから紗奈ちゃんは学校に行かず、僕といた。不思議なことに僕の家族は何も言わず、紗奈ちゃんの家族はそれを承諾していたようだ。


 僕はどんどん落ちていく気がした。でも、紗奈ちゃんはそう感じさせてはくれなかった。


 一緒にいて不思議と前を向けた。数日して外に出かけるようにもなった。


 中学2年の春休みの時期、兄ちゃんは高校受験のためと、おばあちゃんの家へ住むようになった。



 中学3年になった。お兄ちゃんは家にいなくなった。紗奈ちゃんがそばにいた。


 新たに一歩を踏み出すには少しだけ勇気が勝った。


 中学3年の始業式、僕は不登校をやめた。


 登校してすぐに僕に謝りに来る人がいた。紗奈ちゃんのおかげで僕はクラスでの場所をもらうことができた。


 性同一性障害のことはもちろん言わなかったが、それでも中学3年での学校生活は充実したと思えた。



 高校生になって、紗奈ちゃんと同じ高校に通うことになった。


 そんな高校生活で間もなく、前の席にいる男子が気になるようになった。だが中学のこともあり、諦めようとした。


 だがある日、僕は女の子がつけるようなストラップを落としてしまった。

 それを拾ったのは僕の気になっていた男子だった。彼はストラップを拾って僕に渡す、そして


 「このストラップのキャラクター、可愛くて俺も好きだな」


 そんな一言があった。彼はその後すぐにその場を離れたが、あの一言は頭から離れなかった。

 男子にとって言いづらい趣味を否定するでもなく、むしろ開示して共感してくれた。

 ...これをきっかけに諦めるに諦められなくなった。


 でも諦めなければいけなくなった。


 恐らくだが、彼はきっと紗奈ちゃんが好きなのだろう。

 アプローチが丸見えだった。


 ...出来ることなら邪魔はしたくない。そんなある日災厄が舞い戻った。兄ちゃんが家に帰ってきた。そして僕にこう言った。


 「俺、今日から車で学校に迎えに来るからさ、紗奈ちゃん連れてこいよ」


 クソ兄が。


 それから紗奈ちゃんはほぼ毎日車で迎えられ、彼も心なしか悲しそうだった。


 ごめんなさい、といつも目で伝えるがきっと通じない。僕は結局のところ大して成長していないんだな、と実感した。


 それでも彼は諦めていなかった。紗奈ちゃんへの必死のアプローチを繰り返す内に紗奈ちゃんも心を開いていってるように見えた。


 僕と紗奈ちゃんは仲がいいから、彼と一緒に話す機会もあったけど...紗奈ちゃんのために我慢した。とても辛かった。


 ...でも紗奈ちゃんと彼の笑顔を見続けて、これでいいんだろうなと、踏ん切りをつけようと行動をした。

 ...心は踏ん切りをつけれなかったけど。


 そんなある日、彼が紗奈ちゃんを放課後に呼び出した。僕は気になって後をつけた。


 ...告白だった。


 紗奈ちゃんは1日待ってほしいと言ってその場を離れた。



 その後、クソ兄の車の中で紗奈ちゃんは僕に言った。


 「私告白された、私たちの好きな人に」


 紗奈ちゃんは僕が彼を好きなことに気付いていたようだ。


 「ごめんね気付いてたの。ごめんね嫌な親友で...でも、私はこの告白をOKするつもり」


 紗奈ちゃんは自分を悪く言う、でも


 「...紗奈ちゃんは


 嫌な親友なんかじゃない、そう言おうとした矢先


 「...おい、その話ガチなのか?」


 クソ兄が今まで聞いたこともないくらいの怖い声を出した。


 「...えっ、お兄さん?急にどうし」


 「その話がガチなのかって言ってんだよ!!」


 怒鳴り声と共にクソ兄は後ろを向く。私たちは車の急な慣性とクソ兄の圧に後ろに叩きつけられる。


 紗奈ちゃんは唖然としているが、私は口を開き始めて兄に口答えした。


 「本当だよ!今の話は


 その刹那、大きな音がし車が揺れた。


 クソ兄はそれに反応し、急いでハンドルを握りアクセルを踏んで進む。


 僕は嫌な予感がし、車の窓を開け後ろを見る。


 轢いていた。


 僕は血の気が引いたが、すぐさまクソ兄の方を向き


 「人を轢いたんだよ!早く止まってよ!何で逃げるの!」


 必死に叫ぶ、だが


 「黙れ!半年間逃げてたテメェが言うんじゃねぇ!」


 そう言うとクソ兄はアクセルを踏んだまま僕の顔を掴む。


 「うわあああぁぁぁ!!」


 車が急激に左に曲がり、その勢いでクソ兄は僕を窓ガラスに叩きつけ


 パリン!!


 僕は掴まれたまま窓ガラスの外へと顔を追いやられ、


 バン!!


 車が何かに激突し横転する、そして...


一応この物語に繋がっている物語を作るつもりです。

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