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ファリゴンボールスーパー

N「肉の国の王子が転生したら現代日本でダイエットさせられました。バージョンりどらじ」


N「{第八話 ファリゴンボールスーパー }」


N「ミートキングダム第一王子にして英雄「メタボリック」の称号を賜りし勇者カズキは、ある日心筋梗塞で命を落とし、熊耳美少女「熊神様」にダイエットをするよう強制され異世界「地球」の日本と言う国に飛ばされてしまう。そんな異世界「日本」で…カズキはついに真実の愛を手に入れたのだった。」


横美「カズキさ、あーん♫」


カズキ「あーん♫」


N「彼女の名前はジャガー・横美さん。ジャガイモの精霊である彼女は、喉の肉のせいで頭と胴体の境界線がわからず、さらに全身に均等に付いた贅肉のせいで胸、腹、尻の境界線もわからない楕円型のパーフェクトボディを持つ理想の女性だ。カズキが彼女に一目惚れし一緒に暮らし始めて1ヶ月が経過していた。」


横美「オラの作った野菜料理、うめーか?」


カズキ「うん、横美さんの料理は世界一だよ。」


横美「…嘘だ。」


カズキ「え?」


横美「嘘こぐで無え!カズキさ、本当は肉が食べてえんだろ!」


カズキ「な、何を言っているんだ横美さん?」


横美「隠してもお見通しだ!だって、だって日に日にオラの料理食ってくれる量が減ってるもの!」


カズキ「う…それは…。」


横美「オラ達…おしめーだな。カズキさ、さよーならだ!!」


カズキ「ちょ!?待ってくれ横美さん!よこみさーーーんっ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カズキ「…てな事があってな。振られちゃった、テヘ♫」


ニヨ「イヤイヤイヤ、テヘ♫…じゃありませんよ?せっかく食事制限ダイエットをする為の理想のパートナーを熊神様が紹介してくださったのに何やってるんですか!?」


カズキ「…ってか…お前だれ??」


ニヨ「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました。我こそは!熊神様の代弁者にして深淵の闇から産まれし黄昏の紅巫女!!その名も!!」


カズキ「黒いのか黄色いのか赤いのか解らん。」


ニヨ「その名も!!」


ファリス「ありゃあ厨二病だぜマスター。厄介だから目を合わせない方が良いぜー。」


ニヨ「その名も!!!」


カズキ「マジかよ!実際にいるのかよ厨二病とか!?フィクションだと思ってたわ。」


ニヨ「聞けっ!お前ら聞け!ボンクラコンビ!」


カズキ「わーお、口が悪い。」


ファリス「品が無い。」


ニヨ「うるせー!一回黙れゴミ共!!いいですか!?私は熊神様からの命を受け、カズキ、貴方のダイエット生活をサポートする為に派遣されて来た熊神神社の巫女、ニヨ巫女です!」


カズキ「え?クマ巫女?」


ニヨ「わー!?版権問題!コンプライアンス!!駄目!絶対!!」


カズキ「なあファリス、こいつ大丈夫か?」


ファリス「さあ?どうだろうなマスター。ドラックでも決めてるんじゃ無いか?」


ニヨ「おいいいいっ!?悪ふざけも大概にしないとマジで今すぐ貴方の寿命ゼロにしますよ!?一応私は熊神様の代行者!貴方の生き死にの決定権も委ねられているんですからね!!」


カズキ「うっわービックリしたー。いきなり目の前に美少女が現れたから心臓止まるかと思いましたよ。思わず気が動転して変な事くちばしっちゃいました。」


ニヨ「…え?…ええ!?び、美少女って私?やっぱりそう見えちゃいます?見えちゃいますよね??気が動転しちゃったなら仕方ないですねー♫もう、お馬鹿さんなんだから〜♫」


カズキ「あ、コイツもちょろいわ。」


ファリス「マスター、心の声もれてるぜ?」


カズキ「ファリス君、少し黙っててくれる?後でアイス買ってあげるから。」


ファリス「ハーゲンダッツだぜ?」


カズキ「ピノかホームランバーな。」


ファリス「まあ、ピノとホームランバーもすきだけど。」


カズキ「はい交渉成立。」


ニヨ「ところでカズキ、なんでジャガー横美に振られたのですか?」


カズキ「まあ人生色々、男女関係も色々、一筋縄ではいかないって事ですかねー。」


ニヨ「うわムカつく。…コホン。しかし1ヶ月も野菜生活を送っていたのですから流石に少しは痩せたのではないですか?今から私が見てあげましょう。」


N「そういうとニヨ巫女は奇妙なポーズ、具体的に言うとガニ股で顔の前で両手のひらを反転させ親指と人差し指で円を作るいわゆる【お金ちょーだい】の形をさせた穴から両目で覗き込むポーズをとって奇声をあげた。」


ニヨ「スーパーウルトラグレードデリシャスワンダフルニヨ巫女サーチ!!!」


N「気持ち悪い。」


ニヨ「ふむふむ。現在の体重は…110キログラムですか。まだまだ重たいですね。ファリス、ちなみにジャガー横美との同棲前の体重は何キロでしたか?」


N「カズキの肩の上にフヨフヨパタパタ浮いている異世界ナビゲーターシステム、ファリス・リウが申し訳なさそうに答えた。」


ファリス「…110キロだぜ。」


ニヨ「なるほどなるほど110キロですか…って、変わってないやないかーいっ!!」


N「ニヨ巫女がイキナリ関西弁で突っ込んだ。うむ、若干滑っている。」


ニヨ「なぜ!?ホワイ!なんで減って無いのですか!?一月近くも野菜生活を送っていたハズですよね!?」


ファリス「いや、ソレがだな。ジャガイモの精霊であるジャガー横美さんの作る野菜料理は…そのほとんどが芋主体でたな…。」


ニヨ「ま、まさか…」


ファリス「焼き芋、芋餅、じゃがバター、フライドポテトなどなど…全ての物が高カロリー高塩分の炭水化物だったんだぜ。」


ニヨ「お、おふぅ…」


ファリス「しかもマスターはソレにすら途中で飽きてしまい、後半はこっそり家を抜け出して外で肉やら丼やら麺類やらを間食する始末…体重が増えなかっただけでも不幸中の幸いだぜ?」


ニヨ「あ、貴方はその間 何をしていたのですが!?異世界ナビゲートシステムで有ると同時にカズキの監視役も貴方の役割なのですよ?」


カズキ「あらそーなんだ?初耳だ。」


ニヨ「なぜカズキの暴挙を止めなかったのですか?」


ファリス「あ、いやーそのー…最初の2、3日は見張ってたんだけどな…その後はずっと目を背けてたぜ。」


N「ニヨ巫女がポカンとした表情で聞き返す。」


ニヨ「は?…目を背けて?」


ファリス「おう、時には目をつむり耳を塞いでいたぜ。」


ニヨ「そ、それはなぜ??」


ファリス「だってよ!マスターとジャガー横美、イチャイチャするんだぜ!?毎日毎晩イチャコライチャコラ!システム上マスターの肩から離れられないから嫌でも豚と豚の絡みをずっと見ていなくてはいけない俺の気持ちが解るか!」


カズキ「豚と豚って言うな!」


ファリス「ブヒブヒブヒブヒ煩いから目を逸らし耳を塞いでやり過ごしたんだぜ!!」


カズキ「ひどい言われようだな。口が悪いにも程がある。しかし確かに途中から一切喋らないどころか目も合わせようとしないからおかしいなーと思っていたら、そういう事かぁ。成る程なぁファリス君。」


ファリス「何だよマスター、その可哀相なものを見る様な目は?気持ち悪いな。」


カズキ「ぐぬ、またしても口が悪い…が、仕方あるまい。つまりファリス。お前はひがんでいたんだな?」


ファリス「…は?」


カズキ「お前は超カッチョイイモテキングであるこの俺様と超カワイイマイハニー横美さんがラブラブしているのを見て自分がモテないからひがんでしまっていたんだよ!!ふははははっ!寂しい奴め!」


N「カズキが高笑いしながらそう言った刹那、

ーープチン…!!ーー

とファリスの両目が白銀に輝き妖精らしい緑色の髪の毛も銀髪に変貌し逆立った。身体全体からは白銀のオーラが立ち込めている。」


ファリス「…誰が、何だって?」


N「静かに呟いた直後、不意にファリスの姿がカズキの視界から消えた。

ボグウウゥ!!

次の瞬間、ファリスの右拳がカズキのみぞおちに深々と突き刺さった。」


カズキ「ぐふうぅぅっ!!マジ痛いんだけど!!

タイキック食らったみたいに痛いんですけど!?

…ん、チョマットまて!…イヤオカシイよね?コイツ立体映像だからお互い触れられないんじゃなかったっけ?」


ニヨ「あ、あれはまさか…身勝手の極意!?妖精の身でありながら神の領域に到達したと言うの!?」


カズキ「イヤイヤイヤイヤニヨっ!!何をそれっぽい事言ってるの!?」


ファリス「今のオラの心は…パオズ山の清流みたいに穏やかだ…」


カズキ「なら殴るなよっ!!何で殴ったの!?」


ファリス「今度は良い奴に生まれ変われよ。じゃーな!」


カズキ「え!…ちょ、ま…」


ファリス「ハアッ!!!」


カズキ「ぎょえええええええええええええええ〜〜!」


N「ファリスから発射された謎の光弾に吹き飛ばされてカズキは遥か彼方の地面で黒焦げになったのだった。【ミートキングダム第1王子カズキ・入院 全治1ヶ月】」


カズキ「…何だこりゃ…」


N「続く→」

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