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ぼくたちは減量ができない

N「肉の国の王子が転生したら現代日本でダイエットさせられました。バージョンりどらじ」


N{第六話 ぼくたちは減量ができない}


N「ミートキングダム第一王子にして英雄「メタボリック」の称号を賜りし勇者カズキは、ある日心筋梗塞で命を落とし、熊耳少女「熊神様」にダイエットをするよう強制され異世界「地球」の日本と言う国に飛ばされてしまう。


話数が進んでもなかなかダイエットが先に進まない事に苛立った熊神様は、カズキのダイエットコーチに世紀末モヒ太郎を就任させたのだった。」


モヒ太郎「フシュー!フシュー!に、ニグぅ…!お前のニグを寄ゴセー!!」


カズキ「うっぎやあああああ!恐い恐い恐い恐いっ!!」


モヒ太郎「腹のニグ切り取らゼローっ!!」


カズキ「意味わからん意味わからん意味わからん助けて〜!!人を追い回して追い詰めてナイフで腹の肉を切り取るのが趣味とか言う絶望的な性癖を持ったおっさんに追い回されてるこの状況は一体なんなんだ!?俺は仮にも一国の王子だぞ!?てかお前っ!!敬語キャラじゃなかったっけ!?話変わりして設定忘れたの!?」


モヒ太郎「フシュ……?」


カズキ「あ、止まった。ん、あれ?なんか固まってる?よし今のうちに逃げ…」


モヒ太郎「…貴方の腹の肉を切らせなさーい!!フシュー!!」


カズキ「普通に修正してきたあっ!キャラクター普通に修正してきたあっ!そして何事もなかったかのように追い掛けてきた!!」


モヒ太郎「お肉寄こしなサーイッ!!」


カズキ「いやああああああああああああっ〜〜」


N「30分後」


カズキ「ぜぇ…!ぜぇ…!な、何とか逃げ切ったけど…も、もう無理…!!」


N「息も絶え絶えなカズキに熊神様が微笑みかける。」


熊神「おやおや、良く生き残ったのう。もうてっきりトンカツになっているかと。」


カズキ「何言ってんの!?恐いんだけど!!」


熊神「およ?世紀末モヒ太郎は天界では有名なはトンカツ屋の店主じゃぞ?毎日ランチタイムには長蛇の列が出来るんじゃぞ?」


カズキ「いや知らねーよ!…え?天界??アイツ天界の住人なの??てっきり魔界の魔物か何かだと…。」


熊神「天界の住人と言うか、彼は大天使じゃよ?食と英知を司る大天使。」


カズキ「はっ??大天使!??」


N「カズキの中の天使の概念とイメージがドッタンバッタン大騒ぎして崩れ去った。」


ファリス「大天使に追い回されるなんてある意味究極のVIP待遇だ?やったなマスター、さすが一国の王子さまだww」


N「肩の上のナビゲーターさんが半笑いでカズキをおちょくった。」


カズキ「ぐぬぬぅ…。しかし何だったんだ今の逃走中の体の不調は?速度は遅いし、少し走ると息は上がるし、汗はドバッドバ出るし、今も全然疲れが取れないし。心臓はバクバク言ってるし…。」


ファリス「だからマスター、昨日ブタ小屋…トイレでも説明したが…」


カズキ「コイツ今さらっとブタ小屋って言ったな。」


ファリス「この世界には魔力が存在しないんだぜ。マスターがミートキングダムで使用していた足を速くする魔法も、持久力を付ける魔法も、汗臭い匂いを消す魔法も、この国 日本では使えないんだぜ。だから臭いんだぜ。」


カズキ「マジか…排泄魔法の【ベンヨサ=ラーバ】だけでは無く、速度魔法の【ハシレヨン=クロウ】や持久力魔法の【ブラック=シャチーク】も使えないとは…ん??待って!?…え?俺、臭いの?」


ファリス「まあぶっちゃけドブ臭いな。」


カズキ「いやいやいや!俺の汗が臭いわけないじゃん?ミートキングダムの女達は…


女「キャーカズキ王子の体臭今日もフローラル〜」


カズキ「とか」


男「カズキ王子の汗の匂いは早朝の新緑の様に清々しいでゴザル〜」


カズキ「とか言ってベタベタしてきていたんだぞ??」


ファリス「それはマスターの国の住民の美的センスと言うか文化と言うか民度というか、もろもろがトチ狂っているからだぜ。」


カズキ「人の国disり過ぎじゃない!?やめてくれない!?などと会話をしていてもいっこうに心臓のバクバクが治らない。あーヤバイ、マジヤバイ、言葉にならない。とにかく!こんなメチャクチャなダイエットをしていたら心筋梗塞が発病する前に心臓になんらかの異常をきたして死んじまうわ!アホか!何か別の方法にしてくれよ無能熊耳女!!」


N「余りの不条理にカズキは思わず叫んだ。」


熊神「…は?」


カズキ「あれ?…無能熊耳女がメチャクチャ睨んでる。とても神とは思えない有り得ない表情で睨んでる。引くわ〜。…えっと、何か他の方法は無いのかな〜?」


熊神「…。」


N「無能呼ばわりしたのがよっぽど気に食わなかったのか完全にカズキの呼び掛けを無視している熊神様。」


カズキ「おかしいな、真実しか言って無いのに。」


熊神「ふーんだ!」


カズキ「うわぁ糞めんどくせえええぇ…」


熊神「プンプンだ!」


カズキ「何言ってんだコイツ?くそ、めんどくさいけど背に腹はかえられない。あー、えっと…優しくて慈悲深い熊神様、哀れな私の為に何か良いアイディアを頂けませんか?」


N「カズキは顔が引きつらせながら精一杯の笑顔で話しかけた。」


熊神「え?…えー、仕方ないのぅ。でもの〜、どうしようかの〜。」


カズキ「あれ?なんかイキナリ顔を赤らめてウネウネし始めたよ?威嚇!?いやちがう、これは…。さ…さっきの暴言は…えっとアレです。そう!照れ隠しです!美しい熊神様を目の前にして動揺した下賎な私の照れ隠しなのです!!」


熊神「なーんだ!やっぱりそうだったんじゃな!そうじゃよな、我の美しさを目の前にしたら皆んなそうなってしまうからのぅ!!」


カズキ「あ、こいつチョロいわ。」


ファリス「マスター。俺にはマスターの心の声が聴こえている事をわすれるんじゃあねーぜ?」


カズキ「ファリスさん、ややこしくなるから今は黙ってて下さい。後でアイス買ってやるから。」


ファリス「ハーゲンダッツだぜ?ハーゲンダッツ以外は認めないぜ?」


カズキ「解った解ったホームランバー買ってやるから。」


ファリス「ハーゲンダッツっ!!…まあホームランバーも好きだけどな。」


カズキ「はい交渉成立な。」


N「などと話しているとチョロい熊神様が何やら張り切って目の前の空間を歪ませ始めた。」


熊神「コホン。では哀れなお主の為に、慈悲深くて優しくて優雅で美しくて可愛い我、熊神が新たなダイエットコーチを呼んでやろう。」


カズキ「そこまでは言ってない!」


熊神「召喚!!」


N「目の前の空間が湾曲して人影が見え始める。」


メタトロン「フシュー。フシュー。」


カズキ「ん?あれ?なんかリフレインを感じる。

嫌な予感しかしない。」


メタトロン「ブシャァアアアアアアアアッ!!」


N「長い胴体に長い尻尾、バリバリした鋼の鱗に爬虫類の顔。口元からはコレまた長ーい舌ベロがレロレロしている奴が現れた。」


カズキ「ほらまたヤバイヤツ出て来ちゃったよ!!

嫌な予感的中だわ!!」


熊神「新しいダイエットコーチの 大天使 メタトロンじゃ。」


カズキ「大天使メタトロンとな!?どう見ても胴の長いデカイ爬虫類にしか見えないんですけど!?」


ファリス「胴だけにどう見ても…とはさすが一国の王子さまは言う事がウイットにとんでるなマスター。」


カズキ「いやダジャレじゃねーよ!?」


N「などと肩の上のナビ男のアレをアレしていると熊神様がドヤ顔で語り始めた。」


熊神「彼の趣味、特技は逃げ惑う獲物を追いかけ回してその鋼の鱗がひしめく胴体で巻き付き、苦悶の表情を浮かべている獲物の顔面をザラッザラの舌ベロで舐め回す事じゃ。」


カズキ「なにそれ怖いわっ!!あと気持ち悪いっ!!大天使こんな奴ばっかなの!?」


熊神「彼は天界でも唯一無二のモテ男じゃよ?今度写真集が発売される予定じゃ。」


カズキ「写真集!?」


熊神「しかもフルヌード。」


カズキ「フルヌード!?いやもうこいつ既に全裸じゃねーかよ!!」


メタトロン「いやウロコ着てますやん!」


カズキ「うわぁ!?急に喋った!!てか関西弁!?大天使メタトロン関西弁!?」


N「異世界人のカズキが何で関西弁を知ってるの?とか野暮な事は言いっこナシでお願いします。」


メタトロン「おいコラワレッ!鋼のウロコギチッギチに巻きつけて顔面ぺろぺろ舐めたろか〜!」


カズキ「うわぁエセ臭い!関西弁エセ臭い!」


熊神「あ、あともう1人のコーチは毎度お馴染みみんな大好き世紀末モヒ太郎じゃ。」


モヒ太郎「フシュー!フシュー!」


カズキ「コイツもいるのかよ!!」


熊神「それでは頑張って逃げるんじゃよ、よーいドンっ!」


カズキ「え!?うそ!?前回と同じオチかよ!!」


熊神「いわゆる天丼ってやつじゃ。」


カズキ「おいーー!ふざけんなよ!!」


熊神「あれ?カツ丼の方が良かったかの?」


カズキ「上手い事言ったつもりか!?」


熊神「丼だけに?」


カズキ「もうええわ!!」


N「はたして、カズキの運命や如何に!?

続く→」

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