こちら日本国公衆便所前警察署
N「肉の国の王子が転生したら現代日本でダイエットさせられました。バージョンりどらじ」
N{第四話 こちら日本国公衆便所前警察署}
N「ミートキングダム第一王子にして英雄「メタボリック」の称号を賜りし勇者カズキは、ある日心筋梗塞で命を落とし熊耳美少女の熊神様にダイエットをするよう強制され異世界「地球」の日本と言う国に飛ばされてしまう。
妖精型異世界ナビゲートシステム「ファリス・リウ」に排便の一部始終を見られてしまったカズキは、証拠隠滅のためにファリスを握りつぶそうとするが反撃に会い、異世界の警察に連行されてしまう。
こうしてカズキは異世界「日本」での最初の夜を警察署で過ごす事になったのだった。」
カズキ「無実だ!虚偽だ!!陰謀だ!!!俺は何にもしていないぞっ!」
熊谷「しかし、確かに貴方の入っていた個室から女性の悲鳴が聞こえたんです。」
N「このイカにもインテリな女性は、熊谷巡査。
便所悲鳴事件の現場にたまたま居合わせたこの異世界日本の警察官だ。
カズキが無理やり便所をこじ開けられ、そのまま警察署に連行され、この取調室に入ってかれこれ1時間が経過していた。」
カズキ「じゃあ証拠は!?アンタが悲鳴を聞いたって言う女が居ないじゃあないか!?」
熊谷「物的な証拠は確かにありませんが、警察官である私、熊谷が直接悲鳴を聞いているのである種の現行犯逮捕です。」
カズキ「馬鹿なっ!?」
熊谷「まあ女性は私が駆け付ける前に自力で逃げたのでしょう。」
カズキ「これは不当逮捕だ!!」
熊谷「いいえ、キチンと手続きを踏んでの取り締まりですよ。」
N「その時、カズキの肩でブンブン飛んでいたファリス・リウが一言呟いた。」
ファリス「メタボリックに人権は無いんだぜマスター」
カズキ「は!?やかましいわっ!!」
N「思わず反論してしまったカズキを熊谷巡査が睨みつける。」
カズキ「あ、しまった。」
熊谷「やかましい?仮にも警察官である私に向かってやかましい、ですか?」
カズキ「あ、いや今のは」
熊谷「罪状に公務執行妨害も付け加えましょうか?」
カズキ「ご、ごめんなさい」
熊谷「ちなみに身分証はお持ちですか?」
カズキ「ん?そんなもの王子の俺が持っている訳無いだろう?」
熊谷「え?王子?」
カズキ「そう!聞いて驚けっ!我こそはミートキングダム第一王子カズキ、その人であるぞ!!」
熊谷「・・・もしかして薬物とかやってますか?」
カズキ「何でそうなる!?」
熊谷「・・・はぁ。」
N「呆れた様な下げずむ様な視線で溜息をつきながらカズキを見下す熊谷巡査」
カズキM「しかし、それにしてもおかしい。
ミートキングダムの女達は毎日毎日俺の素晴らしい皮下脂肪バディを観て」
女「キャー!カズキ王子ポッチャリ系ぃ〜♡」
カズキM「とか、」
女「イヤ〜んカズキ王子の顎肉ぷにカワ〜♫」
カズキM「とか、とにかくウザいくらいに持て囃して来ていたのに、何なんだこの女は!なぜ俺の魅力が通じないんだ!?見る目が無いのか?」
ファリス「だからそれはお前の国特有の狂った価値観だぜマスター。ハーゴン教団もビックリの破壊神崇拝暗黒宗教みたいなもんだ。あと俺の姿は他者には見えないと説明したよなマスター?物覚えが悪いのか?アホなのか?このミスターメタボリックが。」
カズキM「肩の上のナビゲーションシステムさんが、反論出来ないのをいい事にめちゃくちゃ煽って来る。」
カズキ「チクショー、握りつぶしたい。」
熊谷「ほう、今度は脅迫ですか?」
カズキ「あ、しまった。声に出てた。」
ファリス「どうやら本物のアホみたいだなマスター。やはりカロリーを過剰に摂取する事に特化し過ぎて思考回路は劣化してしまったのか。可哀想に。」
カズキ「クソッー!!言わせておけばっ!!」
N「堪忍袋の尾が切れたカズキは、肩の上のファリスに摑みかかる。」
カズキ「フンヌっ!フンヌヌっ!!チクショー!!!」
N「掴めども掴めどもカズキの手はファリスをすり抜け空を切るばかりだ。
そう、ファリスは立体映像なのだ。」
カズキ「あーーいらいらする!ぶっ飛ばしたい!」
N「その時!
ガタンッ!と景気の良い音を立てて熊谷巡査が椅子から立ち上がり、ワナワナ震えながらカズキの額辺りを指差して叫んだ。」
熊谷「な、何なんですか大暴れしてっ!しかもぶっ飛ばしたい!?ついに本性を表しましたね!!婦女暴行及び恐喝及び薬物使用及び公務執行妨害で逮捕しますっ!」
カズキ「あ、しまった。違う!違うぞ!今のは…そう、アレだ!わ、我が国の伝統的な民族舞踊的なアレでだな!!」
熊谷「問答無用です!!」
ファリス「やっぱアホだなマスター。」
カズキ「うるせー!」
熊谷「ああっ!また!!」
カズキ「もう嫌だあああああぁっ!!!」
N「カズキが熊谷巡査の誤解を解くのに5時間掛かりましたとさ。ちゃんちゃん。
続く→」