料☆理☆王 でゅえるもんちゅたーじゅ
N「肉の国の王子が転生したら現代日本でダイエットさせられました。バージョンりどらじ。」
N「{第十一話 料☆理☆王 でゅえるもんちゅたーじゅ}」
N「ミートキングダム第一王子にして英雄「メタボリック」の称号を賜りし勇者カズキは、ある日心筋梗塞で命を落とし謎の熊耳美少女「熊神様」にダイエットをするよう強制され異世界「地球」の日本と言う国に飛ばされてしまう。
日本の医療機関に入院してクソまず医療食にヘキヘキ…じゃないヘキエキとしていたカズキだったが、なぜが突然時空が歪み【第一回肉の国の王子が転生したら現代日本でダイエットさせられました。に出したいキャラ発表会】が開催された。そして映えある第一回出演決定キャラが、今、登壇する!! (何だこれ…)」
乾き海苔「ふふふ…久しぶりね、カズキ王子。しばらく見ない間に随分と魔力が枯渇しているじゃない。」
N「カズキの目の前に現れたのは、、、
現れたのは、、、?」
カズキ「ん?…えっと…誰?」
N「カズキは自分の心情を正直に吐露した。」
乾き海苔「ちょっとっ!何で忘れてるのアナタっ!!私はミートキングダム国立お料理高等学校で貴方と首席の座を争ったライバルでしょ!」
N「ミートキングダム国立お料理高等学校…冗談みたいな名前だが、カロリーが魔力に転換されるミートキングダムにおいて、美味い料理を作れると言う事は何にも変えがたいステータスなのだ。そしてカズキも王族の嗜みとして若い頃通っていたのだ。」
カズキ「いやぁしかしライバルと言われても、俺3年間ぶっちぎりの首席で卒業したからなぁ。誰かと競ってた記憶無いんだよ。」
乾き海苔「ななな…何ですって!!」
N「カズキ言葉に謎の女は顔を真っ赤にして震えだした。」
カズキ「あれれ?正直に言い過ぎたか?」
乾き海苔「そ、それがライバルに…レディーに言う言葉なの!?」
カズキ「いやいや、それを言うならお前の態度こそ王子に対する礼儀に反するじゃねーか!」
乾き海苔「お前って言うな馬鹿王子!」
カズキ「おい!誰が馬鹿だ!国家反逆罪で処するぞ?」
乾き海苔「ここはミートキングダムじゃ有りませんー!だから貴方が王子でもそんな事する権利有りませんー!」
カズキ「うわっ!ムカつく!」
乾き海苔「だいたい、私には親からもらった名前が有るのよ!ちゃんと名前で呼びなさいよ!!」
カズキ「いやだから思い出せないんだよ!」
乾き海苔「なんでよ!?3年間同じクラスだったのに!!」
カズキ「そもそもそんな貧相なスリム体系の女に興味ないから全く意識していなかったってのがデカイな。」
乾き海苔「うぐぐぐっ!人の気にしていることを!!どーせ私はグラビア肉ドルみたいな素敵なぽっちゃり寸胴体系じゃ有りませんよ!中途半端に胸だけ大きくて後は痩せてるヘンテコ体系ですよ!!バガぁ!」
N「グラビア肉ドルとは…ミートキングダムにおけるグラビアアイドル的なアレである。」
カズキ「しかし貧相ボディーの自覚は有るのか。ふむふむ、あーやっぱり思い出せんなぁ。あとまた馬鹿呼ばわりされたな。仮にも一国の王子を何だと思っているんだ。」
N「そんなカズキたちのやりとりを見ていた外野二人がコソコソ喋り出した。」
ファリス「…あの人、わりと理想的な体系だよね?ニヨ…。」
ニヨ「…そうね、カズキだけじゃなくミートキングダムの人達って全員美的感覚が破綻してるのね。かわいそうに。あとニヨって言うな巫女様付けろ。」
ファリス「まああの豚をカッコいいとか素敵とか言うような人達だからね。暗黒邪神カルト宗教のディープな崇拝者位のヤバイ人達だと思った方が良いかもだねニヨ巫女。」
ニヨ「そうね。あと様も付けろよデコ助野郎。」
カズキ「おいお前たちいい加減にしろ!陰口はせめて本人不在の時にお願いします!なんだか無性に死にたくなってきたよ。いやもう一回死んでるんだけどさ…。」
ニヨ・ファリス「はーい。」
カズキ「で?結局お前の名前は何なんだよ?」
乾き海苔「…え?」
カズキ「だから名前だよ名前!顔じゃ思い出せなくても名前聞けば記憶が蘇る可能性も…無いことも無いかもしれないかもだろ??一周回って思い出すかもしれん。」
ニヨ「可能性薄そうな物言いですね。貴方の歴代の先祖の頭髪くらい薄いですね。DNAレベルで薄いです。」
ファリス「本当に忘れてるんだねぇ。頭も脂肪で埋め尽くされて毛根と一緒に記憶装置が壊れてしまったんだねマスター、可哀想に。」
カズキ「おいお前ら後で覚えとけよ!!」
N「その時、謎の女が小声で呟いた。」
乾き海苔「……きのり…よ。」
カズキ「あ?なんだって??」
N「今までのハイテンションに比べ余りの小声に、カズキは思わずドリフのコント風に聞き返した。」
乾き海苔「だ…だから!乾き海苔よ!乾き海苔!!私の名前は乾き海苔!!」
N「一瞬硬直したあと、ニヨ巫女様とナビゲート妖精さんがいつもに増してヘンテコな顔をする。」
ニヨ「か、乾き海苔!?名前が乾き海苔!?薬味!?貴方の親は名前を何だと思っているのですか!!」
ファリス「よく今までグレずに大きくなったな。俺だったら親にトップクラスのダークアサシンを送りつけてるぜ。」
カズキ「いや待て待て!ミートキングダムでは普通だ普通!別に悲観するような名前じゃ無いぞ?」
ニヨ「は?普通?…乾き海苔が普通の名前!?」
カズキ「カロリー至上主義の我が国では食材や料理名を名前に付けるんだよ。乾き海苔も別におかしな名前じゃ無い。」
ニヨ「ま、まあ確かにどこぞの異世界にも【めぐ◯ん】とか【どど◯ご】とか変な名前の人達は居ますが。」
N「おいヤメロ!それ以上言うな怒られる!」
カズキ「だからお前が何を恥ずかしがってるのかわからんのだよ味付け海苔。」
乾き海苔「乾き海苔っ!乾き海苔です!!」
カズキ「ああゴメンな間違えたわ韓国海苔。」
乾き海苔「わざとでしょ?…まあいいわ。…私は別に食べ物の名前が嫌なんじゃ無いのよ。海苔も…割と好きだわ。」
ニヨ・ファリス「海苔好きなんだ…。」
刻み海苔「でも、でも出来れば肉系の名前が良かったのよ!」
ニヨ「は?肉系の…名前??」
N「ニヨ巫女様が地鶏みたいに顔を傾げる。」
乾き海苔「カルビとかハラミとかサーロインとか!なんなら妥協してロースでも良いわ!!」
ファリス「ロースは妥協なんだ。」
乾き海苔「脂身少ないから…。」
ファリス「あ、そう。」
カズキ「別に肉じゃなくても良いじゃないか?海苔美味いじゃん。」
乾き海苔「貴方には解らないわ!国王に最高の名前を付けてもらえた貴方には!!」
ニヨ「そう言えばカズキは普通の名前ですよね?イメージ的には脂身とか揚げカスとかなのに。」
カズキ「いやもうちょい価格高いヤツ連想してよ。
一応王族なんだよ?」
乾き海苔「【カズキ】はミートキングダム幻の最高級ジビエ肉料理の名前よ。この国の言葉で言うと…神をも穿つ約束された勝利の美食…と言う意味になるわ。」
ニヨ「たいそうな意味の名前ですね。完全に名前負けしてるじゃないですか。」
ファリス「5回コールド負けだな。惨敗だぜ?」
カズキ「やかましいわ!…しかしまあ、やっぱり名前聞いても思い出せんわ。すまんな。」
乾き海苔「うぅ…悔しい!!こうなったら、私の豆腐料理で思い出させてやるわ!!…カズキ王子!貴方に食決闘を申し込みます!!」
ニヨ「食決闘!!…って何ですか?」
ストッキング「それについてはこのワタシが説明しましょう!」
N「突然明後日の方角から声が響き渡る。そしてカズキ達の目の前の空間が歪み中から左目に眼帯をつけ蝶ネクタイに真っ赤なスーツをきた怪しい男が飛び出してきた。」
ニヨ「うわっ!?何よあなた!?」
ファリス「眼帯に蝶ネクタイに赤スーツ、間違いない!変態だな!」
ストッキング「ワタシは変態ではありませんっ!ワタシこそっ!ミートキングダム王家直属のイートデュエル審査員っ!その名もっ!ストッキングッ!!」
ファリス「やっぱり変態じゃん!」
カズキ「やっぱり現れたかストッキング。」
ストッキング「カズキ王子、お久しぶりです!」
ニヨ「ちょっとカズキ!この赤い変態はなんなの!?貴方の知り合いですか!?てかそもそも食決闘って何なんですか!?」
カズキ「ああ、食決闘ってのは…」
ストッキング「さーて皆さんお待ちかね!イートデュエルとはっ!我がミートキングダム特有の決闘方法なのです。お互いの得意料理、スペリャリテを作りあって相手に美味いと言わせた方が勝ち。勝った方は負けた方に何でも言う事を聞かせる権利を得られるのですっ!!」
ニヨ「な、何でも…ですか?」
カズキ「めっちゃセリフかっさらわれたな、俺王子なのに。」
ストッキング「しかも相手が貴族だろうが王族だろうが食決闘の結果の方が優先されてしまう。つまりカズキ王子であろうとも負ければ平民の言う事にさえ絶対逆らえないのですっ!」
ファリス「つまり使い方によっては国家転覆も計れてしまう恐ろしい決闘なんだな?」
ストッキング「ただし、受ける受けないは自由。お互いの同意がないと食決闘は成立しなのです。」
カズキ「王子で有る俺がコイツの申し出を受けるメリットは全く無いな。」
乾き海苔「くっ!臆病者めっ!!恐れを成したか!!」
カズキ「おっと、勘違いするなよ?メリットは無いが、食決闘…受けてたつぜ!」
N「カズキの返答に三者三様の驚いた顔をする女子2人と妖精1匹。ニヨ巫女様に関しては驚いてるのか変顔なのかよくわからない複雑な顔をしている。こっそり写真撮ってネットに晒したい。ストッキングは…なぜかドヤ顔で決めポーズをとっている。何なんだコイツ。」
乾き海苔「い、いい度胸ですね!いいでしょう!後悔させてやります!」
カズキ「お前こそ後悔するなよ?俺は食決闘で…産まれてから一度も負けた事が無いからな。」
ニヨ「わかりました。では、熊神様の代行者であるニヨ巫女の名においてこの食決闘、私が取り仕切りましょう!お互いベストを尽くしなさい!デュエル、スタンバイ!!!」
ストッキング「食決闘っ!レディー…ゴー!!!」
ニヨ「…結局この変態は何なの??」
N「何やら少年漫画っぽい雰囲気を醸し出しながら料理にとりかかるカズキ達。そして何故か仕切り始めるニヨ巫女様と謎の男ストッキング。そしてそして迷走し続けるストーリー展開!いったいどうなってしまうのか!?」
ストッキング「急転直下の次回へ続くっ!!乞うご期待っ!!」
N「俺のセリフを取るなーっ!!
続く→」