初冒険
ここはとある小さな村である。
この小さな村に父と母そして少年アルトは住んでいる。
アルトは今日10歳の誕生日を迎えるのである。
父と母は朝からテンションが高く、アルトは朝からそんな両親にいつものように朝の挨拶をして出かけるのであった。
『行ってきまーす』
『今日は大好きなご飯作っておくからね』
『気をつけて行くんだぞ』
『はーい』
いつも変わらない朝のやりとりをしてアルトは友達の待つ場所へ走り出していた。
『アルト遅いぞ』
など声が聞こえてきた。
そこには赤い髪の男の子ウィル、青い髪の女の子エル、金髪の男の子カイル、緑色の髪の女の子サーラ、この4人は小さい頃から一緒にいる幼馴染みのような存在である。
『ごめーん走ってきたんだよ』
『アルトは走るの遅いからな』
『アルト君私たちの中じゃ2番目に早いんだよ』
『そうだよ』
『うんうん』
『うるさい俺より遅いから遅いんだよ』
とウィルは怒りながら先を進んで行った。
今日は前から計画していた。近くにある洞窟を探検する予定で皆集まっていたのだ。
彼らはこの夏が終わると家の方に帰らなくてはならなくて最後にみんなで思い出を作ろうと話をしていたからだ。
アルトはみんながいなくなる寂しさもあったが、みんなでする冒険が楽しみでワクワクしていた。
『それじゃー前から決めていた通り洞窟探検に行くぞー』
『おお〜』
掛け声と共にワイワイしながら、すぐに洞窟に着いた。
『着いたね』
『怖いよ』
『やるぞー』
『アルトは怖くないの?』
『大丈夫だよ』
この洞窟での冒険がアルトにとって、そしてこれから起こる出来事の全ての始まりになるとは皆誰もいなかった。