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ベテラン勇者のおつかい  作者: Luoi-z-iouR(涙州 硫黄)
風穴の光
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風穴の光 ㉖違法ガールズバー

二十歳未満の飲酒は犯罪です。また、18歳以下入店禁止のお店に高校生が行くことも法律で禁止されています。

 彼女の身体には猛烈な変化があった。シクロの体内にはフマルから実験として注入された魔本がある。その魔本は常人ならばそもそも体内に入った時点で死に至る。シクロは奇跡的に「身に危険が迫ると身体能力が増加する」能力のおかげで生き延びたどころかある程度なら使いこなせている。葬儀終了後に雷帝丸の頭を小突いた程度では頭が砕け散らなかったことから魔本を使わない限りは意図的に能力を暴発することはないこともシクロはなんとなくわかった。

「全く、腐れ勇者は一人にしてくれってどっか行ったけど何してんだか。まぁ目障りだしあたしには関係ないか。にしても暇ね。コハクちゃんたちの間には入れなさそうだし、あたしは一人か」

 手元には5万ピア程度の金がある。研究所で殺したクローンが持っていた所持金である。それをちまちまと集めていたためごく普通に一日観光したり遊んだりするには十分すぎる。休養が必要とは言われているがシクロは格闘家。身体を動かしていないと落ち着かない。コハクたちはまだ関係者への手続きなどが続きそうであり、3人と夜には病院に帰ってくる。シクロは雷帝丸と同じように一人で葬儀場から出て行った。



「うーん。ジムとかも無いわねこの街。魔術師って近接戦に弱いって言われてるけどこういう生活スタイルだからじゃないの? 」

 シクロは街に戻っても暇だった。能力と魔本の関係を試すための手段としてジムでトレーニングをするつもりだったがそうはいかなかった。

「コハクちゃんには悪いけどあたしにはこの街は合わないかもね。はぁ、女の子にお酌されたい」

 シュンと落ち込むシクロだった。軽く1時間は歩いている。疲れてしまったわけではないが気分的に疲れている。だが適当に歩いているとそれを叶えてしまう場所が見つかってしまった。

「……『マジシャンズブルー』。ガールズバーか」

 ガールズバー。それは若い女性スタッフが客と酒を飲み、会話を楽しむという成人男性向けの店である。チャージ料、指名料、サービス料、女性スタッフに奢る酒代に自分が飲むドリンクの代金。それなりの金額が必要になる上に時間制で店を出なければならない。鷹と人間が混ざったような人型の彫刻と水瓶が入り口を飾る。

「……たまにはいいっか」

 シクロはガールズバー「マジシャンズブルー」に入店した。

「あらいらっしゃい…なかなか若い女の子ね」

 店長と思わしき40代くらいのビン底眼鏡の女性がカウンター越しにいる。

「ちょっと同年代の女の子とお話したくてね。マスター、一番若い子は? 」

「いるわよぉ。18だからお酒は…違法だけど飲んじゃって大丈夫だから」

「あたしも18だから本当は違法よ。お互い内緒ね」

 店側と客側とが違法なやり取りをしたのちに金額とドリンクを確認し、スタッフを指名してカウンター席へ座る。しばらくすると少しやつれた顔をした少女が来て気怠そうに自己紹介をする。

「どうも~モカです~。指名ありがとうございます~」

(モカは十中八九源氏名。あたしも本名を名乗る意味はないな)

「あたしの名前はケチャップ。よろしくね」

「もうすぐドリンク来るから~」

「ありがとう。あたしと同い年なの? 」

「そうみたいねぇ。あ、てんちょーありがとー」


 店長が二つの小さなドリンク入りグラスを魔術で浮かせてテーブルに置く。店長がニコニコしながらモカに頑張ってねとサインを送る。

「んじゃ、乾杯しよっか」

「そうね。乾杯」

 二人がグラスを持ち、チンッとグラスを軽くぶつける。軽く口を付けるとふわりと甘い香りと酒独特の匂いが鼻をくすぐり、乳製品と果実の甘みが口に広がる。

「ふふ、おいしいわね」

「そうねぇ。てんちょーが作るカクテルはおいしいんだよ」

「いい店ね。あたしのいるパーティとは大違いだわ」

「あら、なかなか大変ねぇ。ケチャップさんは何の担当? 」

「あたしは格闘家。丁度大仕事が終わって、新しい技を試したくてジムとかを探したんだけどなかったからやけ酒よ」

「なるほどねぇ。それにしても熱心ねぇ」

「あたしは強い女であると同時に悪である男をぶちのめすのよ。あたしは男が嫌いだし」

「おぉう、男への殺意がすんごいねぇ」

「それに今回のパワーアップで男の股間を粉砕する方法を身に付けたし」

「男にとっては致命的ねぇ…」

 自慢げに男を殺す手段を身に付けたことを暴露する。小さなグラスだったこともあってすぐに酒を飲み干す。

「いい飲みっぷりだねぇ。おかわりする? 」

「うっぇえええ、おかわりぃぃぃぃ」

 一瞬で酔っぱらうシクロ。その後も酔っぱらっているにも関わらず飲み続ける。その数時間後、病院に戻らないシクロを心配してコハクが居場所を探知した後に雷帝丸に回収された。支払いはシクロの所持金では足りない程飲んでいたためコハクのマギカクレジットで支払った。翌朝、雷帝丸が半殺しになったことは言うまでもない。


作者は成人しているのでお酒を嗜むことが出来、1〜2回ガールズバーに行ったことがありますが楽しみ方が分かりませんでした……。しかもお酒は健康上の理由であまり飲みません。飲むならカルーアミルクや梅酒、ラム酒などの甘いお酒が好きです。

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