特別編 よくわからない解説 魔力と魔術編
今回は解説なので物語に直接関係しません。今まであいまいだった魔力と魔術についての解説をサクッとしています。読まなくても話に置いてけぼりにされない親切設計で本編は進むので詳しく知りたい方向けになるかもしれません。また、今回はあの懐かしのキャラが再登場します。
おおぅ、なかなか頭のおかしいことになってんな。この話はいつ投稿だったかな…あー、そろそろヤツを世俗から未来に転送させてから1年が経過するのか。
おや、封筒? また例のヤツ…と思いきや中に何か入っている。台本? なんのことだ? ……あぁ、めんどくさい。実にめんどくさい。セリフで『めんどくさい』を『面倒くさい』に書き直せとか言うヤツと同じくらいめんどくさい。
…あ? 何見てんだよ。ん? 誰だてめぇ、だと? 神だよ。ヤツの魂を未来の地球に送り込んだあの神だ。覚えてない? だとしたら『ベテラン勇者のおつかい』を一から読み直してこい。あ、やっぱ一からじゃなくて0章第1話だけでいいや。あれ以来私が出てない。
で? なんでこの神がまた出てきてるのかって? どこぞの誰かが私の怠惰な様子を覗き込む能力を持つらしくてな。そいつから一方的に命令されたことは従わなければならない。なんでか? こっちが聞きたい。で、どんな命令かっていうと、この『ベテラン勇者のおつかい』を読んでいる人たちに向けて『魔力』と『魔術』についての解説をしてほしいんだと。ざっくりとした台本を貰ったからそれに沿って話をしていくぞ。今回も地の文は私がずっと語り続けるというわけだ。全く、神に命令するだけでなく服従させるだなんてどこのどいつがそんなことできるんだか……あぁめんどくさい。
先ほども言った通り『魔力』と『魔術』について話をしなければならない。だがまずは魔力についての説明をしないと始まらない。とはいっても簡単だ、『環境が激しく変化した旧世界末期から現代にかけて人間が生き残るために獲得したもの』だ。何もしていなくても魔力は体内から発生して、体力とはまた別に使えるエネルギーだ。旧世界でいうMPとかマナとかチャクラとかに相当する。回復方法も自然に回復したり、薬を飲んだり、魔力を外部から奪い取るとか方法はいろいろある。で、そんな新しい人力エネルギーは何に使えるのかと言うと、魔術はもちろん錬金術や一部の格闘技、その他諸々冒険者たちにとって生命線ともなる。まだ公開されている話の中で使える技術があるが、それは今は詳しく言わなくていいらしいから知らなくていいぞ。
さて、作中の『現代』ではほぼすべての人間が持ち合わせているのが魔力だ。進んだ地域だと生活に必要な動力源ともなってくるし、現代ではほぼ必須な物だ。だが魔力の発生量とか貯蓄量とか放出量とかで個体差が激しいこともあってか魔力の使い方の良し悪し、つまり才能でも差が出る。頭がいいヤツと悪いヤツがいるのと同じことだ。そのため『現代』では魔力がある方が社会的に有利な立場に立ちやすいようだ。学歴社会ならぬ魔力社会とでも言った方が分かりやすいか? 作中ではそんな描写全然ないが実際あの主人公は魔力があればもっと違う人生を送れたのは事実だろう。旧世界の学歴でも同じことが言えるんじゃあないか? あとは魔力そのものを叩きつけて攻撃することとかもできるから、それを応用して格闘技に混ぜ込んだりとかもして、普通の格闘技よりも有利に立ち回ろうとする流派もある。
話が逸れた。とにかく魔力はゲームとか異世界転生とかでよくある『身体から溢れる万能なエネルギー』的なアレだと思えば別に問題ない。
次は『魔術』だ。魔術も同じく人間が生き残るために獲得したものだがこれは後天的に獲得出来る物、つまりお勉強が必要だ。まぁ魔力によって使える超常現象全般のことだな。普通に魔力を駄々洩れにするよりも効率的に多くのことに使えるから魔術が世間に普及していくという時代背景があるが作中では当たり前のことだから細かくは説明しない。いくつか派生があって、『現代』で魔術と言えば某天才魔術師が見つけた悪魔に魔力をあげて自分の代わりに超常現象を起こすものを言う。基本的には声の大きさにも影響されるようだからちゃんと言葉で話さなければならないが、それすら面倒なら……。派生? あぁ、魔術師的に言えば錬金術とか古代魔術とかだ。どっちも道具を使うが、錬金術は道具を作る魔術、古代魔術はどうやら道具そのものに何かをするらしい。現代魔術の原型だというが資料がほとんど残ってないし、当時に古代魔術を使いこなせたものはごくわずか。何よりすごく使い勝手が悪かったようで結局廃れたとかそうでもないとか。
魔術の話をするにあたって『悪魔』の存在も欠かせない。本編開始の2年前に某天才魔術師が見つけた魔術の理論の中に出てくる見えない何かのことだ。それまでの魔術師は自分の魔力から無理矢理超常現象を引き起こすのがほとんどで、無意識的にこの理論を実践していた者は優秀な魔術師になっていた可能性があるという。魔力を悪魔に差し出すことで代わりに超常現象を起こしてもらう方が威力も精度も何もかもいいし、むりやり捻り出すよりも使う魔力が少なくて済むんだと。まぁ昔と比べてやり方を変えたら便利になったとかそういう話じゃないのか? ガスからIHに変えたみたいな。え? 神が料理するのかって?台本に書いてあるんだよ。多分旧世界の人間ならこの方がイメージ的に分かりやすいらしいが伝わるのか? それはさておき、個人的には悪魔に魔力を差し出すやり方は『周りに対象となる悪魔がいないと何もできない』だろうから魔力で無理矢理炎とか捻り出す方法を失くしたら魔術師ってただの置物じゃねぇの? とか思ってる。あと、現段階では悪魔の存在は魔法陣などで確認出来ているが、姿形はもちろん、正体もわからない不思議な生き物だ。
長々と話してきたが、ようやく魔術の唱え方だ。だがこれは見た方が分かりやすいから、一回魔術を唱えているシーンを見てみよう。
「ここは任せて!コハクが一瞬で火を消すよ!『コール』!」
コハクが炎の前に出た。3人が危ないと声をかける。そのころにはコハクは魔術を発動させるために魔力を高めていた。白いオーラが渦巻く。シクロから放たれた一撃は、想像を絶するものだった。
「な、なんじゃこりゃ……さっきの回復の魔術とはけた違いな迫力だぞ!?」
「魔術はからきしわからんが、とても頼もしい女の子じゃ!」
「今はコハクちゃんにお願いしよう。頑張って!コハクちゃん!!」
「『ウォーター、ミスト、トルネード、ブースト、……』」
言葉を紡ぐ度にコハクを渦巻くオーラが青緑色に変色し、オーラの激しさが倍増していく。冷たい風が吹き荒れる。吹き荒れる嵐の中から魔法陣が生成されて、最後の言葉が力強く発せられる。
「『……ブラスター!!』」
解き放たれる雨と風は炎に向かって一直線に向かっていった。その嵐の勢いは一瞬に炎をかき消した。そしてその嵐はとどまることを知らなかった。
このシーンを覚えているだろうか? 天才魔術師がツリーハウスの火を消すために火力を上げすぎたシーンだな。分かりやすそうだからここをコピペしたが、ここで唱えた魔術は『コール、ウォーター、ミスト、トルネード、ブースト、ブラスター』。
魔術の唱え方は簡単だ。魔力を悪魔に差し出すイメージで魔力を放出しながら『コール』と唱える。これで回りにいる悪魔に「魔術を唱えたいから力を貸してくれ」と意思表示をする。この魔術の始まりを意味する『コール』は『ビックスペル』という項目に相当するが物語に全く影響しないから覚えなくていい。
そうするといろんな悪魔が近寄ってくるからその後に続く詠唱でどの魔術が使いたいのかを教える。今回の場合は『ウォーター、ミスト、トルネード、ブースト』、順に「水が欲しい」、「霧を発生させたい」、「風を起こして」、「ほかの悪魔たちの力を高めてほしい」という意味だそうだ。細かい指示は放出される魔力に意思を込めると悪魔が勝手にある程度調整してくれるようだ。声の大きさや声色なんかにも反応しているらしい。そうするとそれぞれ唱えた魔術の中で得意分野の悪魔に魔力が行き渡り、その代償に超常現象が起こる。これを契約って言う。中二病っぽいがこれで本当に発生しているのだから馬鹿には出来ない。
それで最後に『ブラスター』と唱える。契約した悪魔たちに「魔術を使ってくれ」と指示を出して魔術を発射する。これで目的の魔術が使えたら魔術が上手にできましたってことになるんだと。『ブラスター』以外にも『バースト』『シュート』『マインド』などいろいろあるが、どれも『発射』とか『発動』とかの意味がある『ピリオドスペル』という。これも覚えなくていいぞ。
悪魔がいて、悪魔に魔力をあげるって感覚が身に付けば某天才魔術師式の魔術は使えるから、今まで悪魔のことを知らずに魔術を使っていた者でもこの考えを理解できて、『自力で超常現象を引き起こす』のではなく『悪魔に魔力を捧げる』イメージができれば、ほとんど前の感覚と変わらずに使える。ちなみに魔術を唱えるときに出てくるオーラは使う魔術の種類や人によって変わるが、オーラのことを細かく書いているとテンポが悪くなるから脳内でうまい具合に補完してくれ。手抜きもいいところだが私の知ったことではない。
魔術の話に戻るが、威力の調整だって簡単だ。悪魔と契約するときに使う魔力を調整すればだけだ。魔術を使う人の魔力の質と量にも影響される。某天才魔術師の場合は『魔力が無限』の能力でいくらでも魔力を差し出すことが出来るから実質魔術が使い放題だということだ。ほとんどの人間は魔力が有限だから工夫が必要でいろいろ考えて軍事転用したりしているんだと。
そうそう、作中で長々と詠唱している時と一言だけで魔術を発動させている時があるが、これは魔術の基本的な発生方法である『連結』と『単発』というテクニックがあるからだ。
『連結』は長々と詠唱することで一度に多くの魔術を発動することが出来る。ビックスペルから初めて、唱えたい魔術の種類を唱え、最後にピリオドスペルで完成だ。連結の性質上最低でも3つの魔術を混ぜることが必要で、いくつも魔術を混ぜることから威力が上がりやすく、上級者となれば攻撃しながら回復したりと器用なこともできるようになる。その代わりいろいろ考えたり唱えたり魔力を出したりとやること多いから魔術の発動までに時間がかかって隙だらけということになる。
逆に『単発』は長々と詠唱をしなくていいから魔術の弱点の一つである発動までに時間がかかる点を少しばかり克服できる。だが悪魔に急に魔力を渡さなければならないため普段よりも魔力の量が割り増しになる。通販でお急ぎ便を使うと送料が増えるのと同じだな。そのため短時間で単発を使用し続けると普段よりも魔力切れが早くなる、つまり戦闘不能や戦線離脱が早くなるから使いどころに注意するべきだ。
小難しい話をすると単発と連結では魔力の消費量が違うってことだ。同じ炎の魔術でも『フレイム』と『コール、フレイム、シュート』ではどちらも威力は同じでも消費魔力量は連結の方が効率がよい。どうしても早く使いたいというなら連結よりも多く魔力を差し出すことですぐに使えるからどちらも使えると便利になるかもしれない。炎と雷の魔術の同時発動でも「『フレイム』『スパーク』」と『コール、フレイム、スパーク、シュート』では魔力の消費量が異なる。この場合は単発二回だと炎と雷がそれぞれ出てくるが魔力の消費が激しく、連結だと炎と雷をミックスすることも可能で、かつ連結の方が少ない魔力で済む。さらに連結では魔術の威力が増幅する『ブースト』という魔術もある。この魔術を組み込むと4つの魔術を発動することになるが、これだけで単発と比べて魔力を抑えつつ威力を底上げできる。わかりやすく書いておいたメモがあるからコレを参考にしてくれ。
『メモ①
魔力消費量(大きい順):単発2発>5つ以上混ぜた連結>4つ混ぜた連結>単発1発>3つしか混ぜてない連結
威力(大きい順):5つ以上混ぜた連結>4つ混ぜた連結≧単発2発>単発=3つしか混ぜてない連結
発生速度(早い順):X>単発>3つしか混ぜてない連結≧単発2発=4つ混ぜた連結>5つ以上混ぜた連結
面倒くささ(面倒くさい順):5つ以上混ぜた連結>4つ混ぜた連結>3つしか混ぜてない連結≧単発2発>単発>X
※例外や発動条件などにもよるが、基本的にはこの順』
『メモ②
纏めていろいろ一発で済ませたい、威力を上げたい、比較的少なめな魔力でどうにかしたい。そんなときは連結
魔術をすぐ使いたい、相手になんの魔術を使っているのか悟らせたくない、比較的手軽に魔術を使いたい。そんなときは単発』
かなりの手練れになると単発を打ちやすくする方法を独自に編み出したりするらしいがまぁ出てきたらこのことを思い出してくれ。『単発』と『連結』。どっちの方が得意かは個人差によるが、『連結』が得意な者は一度に使える魔力が多いということになるから魔術師の素質があるというがこれは俗説に近い。まぁ魔術師だろうと一般人だろうと魔術を鍛え続けるとさらに…おっと、これはネタバレだ。
某天才魔術師は悪魔の存在をどうやって気が付いたのかが気になる読者もいるだろう? 私はいないと思う。だが説明する。台本にそう書いてあるからだ。最初は魔法陣の出方、魔術を使うときの魔法陣が微妙に違うことが気になって保育園時代に大学の人に手伝ってもらって研究していた。かなり昔からこの違いは研究されていたが結論付かなくて興味があったからいろいろ実験したらほとんどの魔術師は悪魔に手伝ってもらっていたってことがわかったそうだ。その悪魔が魔術を使うときに魔法陣を作っているらしく、その悪魔の出生とか家柄とかその契約についてどんな条件なのかとかいろんなことが書いてあるというが本当にそうなのかは分からずじまい。ちなみに魔法陣って名前は旧世界の古文書に似たようなものがあったからそこから名前が付けたようだが、実際の魔術と魔法陣は一切関係ない。魔法陣に書いてあることの話もこの古文書に書いてあったからだとか。
そもそも『魔術』となぜ呼ぶのか、『魔法』でいいだろう、という疑問も応えろ、だと。台本にそう書いてあるのだから仕方ない。魔法はもっと簡単な魔術のことだ。旧世界では種も仕掛けもあるマジックに相当するものだ。風の国では幼稚園や保育園の魔術師ごっこで魔法をやるそうで、某天才魔術師は当時の友達と一緒にやるおままごとが楽しかったが、魔法よりも早く魔術を身に付けたせいで制御しきれない魔術で保育所や学校の校舎を消し飛ばしたことが数えきれないほどあるらしい。
さて、解説することが無くなってきたがこんなもんでいいか。あ、そうそう。魔術についてもっと詳しく解説しろとかいう旧世界の人間がいるのならコメントを残すといいぞ…って露骨すぎるコメント稼ぎだな、気持ち悪い。で、その気持ち悪いどこぞの誰かがその都度対応してくれるらしいから困らせない程度に質問なりしてみるといいぞ。ちゃんと返事が返ってくるか読者に公表するかは私の知ったことではないがな。
お、そろそろ最新話の投稿の時間だ。続きを待ちながら自分が未来の地球に実質異世界転生したらどんな能力を持って、どれだけ魔力があって、どんな暮らしをするのか妄想に耽るのも悪くはないんじゃないか?
一応神様と作者は同一人物ではありません。悪しからず。
常日頃からベテラン勇者のおつかいをご愛読いただきありがとうございます。こんな場ではありますが投稿開始からリアルタイムでもう1年が経過します。だらだらとですが長いこと投稿出来ているのは読者の皆様のおかげであります。1年経過してまだこの辺なの!? とか思っています。頭の中にはここから3章分くらいの物語の骨組みは容易してありますが、このペースで魔王を討伐するってどんだけ先の話になるんですかね…いや、投稿頻度と書くスピードを上げろって話ですけれども。何はともあれ今後のベテラン勇者のおつかいにご期待くださいっ!




