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ベテラン勇者のおつかい  作者: Luoi-z-iouR(涙州 硫黄)
風の国
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風の国 ⑮魔術師同士のケンカと乱入

「アミー!? 格安宿にいた友達か!? 」

「……」

 最後の魔術師は仮面を外して素顔を晒した。仮面の下は格安宿の娘にしてコハクの友達のアミーだった。

「ほ、ほんとにあの時のヤツじゃねえか……! 」

「オキシに何があったの? なんでおじちゃんやコハクを狙うの?ねぇ!なんでよ!! 」

「……『フレイム』」

「『フレイム』! 」

 アミーの杖の上部から炎が放たれる。それに対抗するためにコハクも同じ魔術を唱えて対抗する。しかし炎の威力が激しいためコハクの後ろにいる雷帝丸にも炎熱が襲う。

「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!! 」

「アミーの魔術はコハクよりも威力が出ないってことくらい知ってるよね!? 」

 雷帝丸は炎熱から逃げるためにさらに後ろに下がっていき、投げた盾を回収した。そんな中コハクはさらに威力を上げてアミーに炎で返り討ちにした。その炎の炎熱は下がった雷帝丸にも及んだ。

「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ! だから熱いって! 」

 雷帝丸は盾を両手で持って扇いで熱を除けるがほとんど意味はなかった。無駄な抵抗をする雷帝丸はコハクに呼びかけるが、コハクは雷帝丸の呼びかけに応じずにアミーに攻撃し続ける。それに抵抗するようにアミーが炎を出すが、だんだんコハクの炎がアミーを飲み込んでいく。

「同じ魔術でも悪魔に差し出す魔力の大きさ、質、魔術の威力、精度、あらゆるものが左右されるんだよ。おとなしくしてもらうよ、アミー! 」

「……『イクスキュージョン』」

 コハクの周りが爆発し、コハクが爆発に巻き込まれる。たった一瞬の出来事だった。

「コハク! 」

「『アブソーブ』! 」

 雷帝丸が爆発に巻き込まれたコハクの安否を確認する。だがたった一瞬の出来事だったにも関わらず、爆発に巻き込まれたコハクは吸収の魔術で爆風や炎を吸収したことで防御し、無傷でいられた。

「おぉ、大丈夫っぽいな! 」

「アミー、ほんとにどうしちゃったの? 」

「……わかった。すぐにこっちに」


 爆破を回避したコハクの視界に入ったのは耳元に魔法陣を展開してどこかに連絡を取っているアミーの姿だった。アミーは連絡を取り終わると雷帝丸とコハクに警告した。

「もうこれ以上抵抗しないで。もうすぐあなたたちは敗北して実験材料になる」

「実験材料!? 」

「どういうつもりなの!? 」

「『バインド』」

「っ! 『ディストラクション』! 」

「えっ? 」

「『コール、オート、ホーミング、バインド、ブラスター』」

「『リダイアル』! 」

「『コール、メタル、ブレイズ、ショック、エンハンス』」

(守られた! )

(躱された)

「えっ? えっ? 」

 『バインド』は無数の鎖を出現させて相手を拘束する魔術。それを透明化の魔術『ディストラクション』で『バインド』から逃れる。それを逃がすまいと『オート』と『ホーミング』で自動化と追跡させることで追跡する。追跡を逃れるためにコハクは『アブソーブ』で吸収した爆風や炎を『リダイアル』でアミーの死角から攻撃しつつ自動化された鎖を破壊した。一方爆風と炎を返されたアミーは『メタル』で自身を鋼鉄化、『ブレイズ』で火炎耐性を『ショック』で対衝撃の防御を上げ、『エンハンス』で最後にすべての魔術を自分にかけることで自身を強化する魔術として爆風や炎に対する防御力を高めた。爆炎からは鋼鉄の人形のような姿のアミーが出てきて、じきに鋼鉄化が解除された。その一連の流れを雷帝丸は盾を構えて見ていることしかできなかった。雷帝丸は解説役にもならない。

「お、おい…こんな感じなのか魔術師同士の戦いって!? 意味わかんねーよ!! 」

「アミー! もうやめて! 」

「待てコハク、俺は魔術で魔獣を使役する魔術を見たんだが、もしかして魔術師を操る魔術ってあるのか? 」

「あるけどそんなのは大昔の魔術だし種類によっては禁術だよ!本当にできたとしたらとんでもなくすごい魔術師だよ! 」

 雷帝丸は余計な口を挟み、コハクの怒りを掻き立ててしまう。友人の対立という予想外の展開にコハクは仲間を気遣う余裕はない。


「『コール』」

「来る! 『コール』! 」

 コハクが説明しているとアミーが魔術を唱え始める。コハクはそれに応じて魔術を唱え始める。

「は、離れは方がいいよな? ……ん? 」

 その場を離れて魔術の応酬から逃れようとした雷帝丸は、自分の影が不自然な動きをしていたことに気が付いた。それに感づいて雷帝丸は頭上から何かの圧力を感じて思わず見上げる。すると少女が勢いよく空中を真っ逆さまに駆け下りてくる。

「この腐れ勇者がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!? 」

「おじちゃん!? うわっ!? 」

 雷帝丸は間一髪攻撃をかわしたがコハクがその人物の攻撃の巻き添えになった。

「コハク! 」

「『バリア』! 大丈夫! 」

 雷帝丸はコハクの心配をするが、コハクは無事でいて防御の魔術でアミーの魔術に対抗しながら自分の背後で起こった出来事を確認するとそこには二人が驚くべき人物が立ち上がった。

「な、なんで…!? 」

「お前…お前……! いい加減にしろよ…シクロ! 」

 襲撃してきたのは病院でコハクに変態行為をしてから行方が分からなくなったシクロだった。



シクロさん、まさかの裏切り…!?

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