クリスマス編 ベリークルシミマス!(2019年投稿版)
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今回はクリスマス編ですが、コハクちゃんの過去のお話なので本編にあまり関係ありません。せいぜい普段よりも文字数が多いくらいです。
今回のクリスマス編の作成にあたって替え歌が5本程度著作権や完成度の問題で没になり、本編に深刻な影響が出ないように調整しています。精神的にかなりきつかったです。
「しんぐるへる、しんぐるへる、しんぐるおんざへ~る。くびにわをかけるとあたまにわがでる~。しんぐるへる、しんぐるへる、しんぐるおんざへ~る。いせかいてんせいでむそうしたい~」
これはコハクが5歳の時のクリスマスのことである。コハクは近い未来、魔術の歴史に名前を刻むほどの功績を残すのだが、その少し前の話である。とんでもなく物騒なクリスマスソングを歌いながら自宅へと帰るコハク。この歌は旧世界でクリスマスソングの定番だったある楽曲をモテない男共が替え歌として作り直した物である。“ぼっち戦隊ソロレンジャー”が活躍していた旧世界から数万年が経過したこの世界ではその真実を知る者はいるわけがなく、この替え歌が正しい歌として残ってしまった。
それはさておき、コハクは当時から既に大学に一目置かれている立場であり、来年の春から飛び級で入学することも決まっていた。次の年度ではコハクを含めて数多くの天才が勢ぞろいする。その中でもコハクと同い年で入学する者は数名いるという。そこで魔術と間接的に関係のある錬金術の練習のためにマンドラゴラを買ってきて、帰り道にマンドラゴラの葉を掴んでオレンジ色の本体(根)を地面に叩きつけながら金切り声のうるさいマンドラゴラを黙らせる。そのマンドラゴラは旧世界でのにんじんにそっくりである。
「コハクはまじゅつしのおべんきょうするのににゅうがくしたらもうまじゅつしになるっておかしくないかな? もしかしてこはくのつよすぎるまじゅつをいつでもつかいやすくするれんしゅうするのにひつようなおべんきょうなのかな? まぁいいや。はやくこの“まんどらおら”をつかってママとれんきんじゅつのれんしゅうをしなくちゃ」
コハクは“マンドラゴラ”がうまく言えないようである。魔術師にとって錬金術は魔術の発展型であるが、必ずしも必要というわけではない。覚えておくと便利ということで大学でも錬金術基礎学を習う程度であるが形骸化したカリキュラムではもはや意味がなくなってしまっているのが現状である。それでもカリキュラムに組み込まれており、コハクもまだ魔術に関する知識が乏しいことから学ぶべき項目の一つであろう。
「ただいまー! 」
「お帰りコハク。おつかいはちゃんとできた? 」
「うん! やおやさんがコハクがかわいいからって“まんどらおら”をいっぱいおまけしてもらったの! 」
無垢な笑顔でおつかいを終えたこととマンドラゴラをおまけしてもらったことを自慢げに母親に話す。母親は身体が非常に小さく、11歳程度に見え、成長できなかったかのような体格である。そのためコハクと並ぶと歳の離れた姉妹のように見える。かなり度の強い眼鏡をかけていて相当目が悪いようで、コハクのそばに近づいてマンドラゴラを確認する母親は予想以上にマンドラゴラを貰ってきてしまったことに少し微苦笑する。
「いっぱい貰って来たわねコハク。今度ママが八百屋さんにお礼を言っておくからコハクはマンドラゴラを使って練習してきなさい」
「うん! ママはこれからお仕事? 」
「今日はお休みよ。でも予定変更、こんなにマンドラゴラがあるのだから久しぶりにママも料理してみるわ」
「ほんと!? ママのごはん! 」
「まぁ、料理の腕は二人とも壊滅的だから何が出来るのかもうわかっちゃってるんだけどね……」
「このあいだはシチューこがしただけでおいしかったからまたしちゅーたべたい」
「わかったわ。準備しておくからコハクも錬金術気を付けてやりなさいよ」
「はーい! 」
母親は周りの家具や壁に手を付けながら周りの様子を確認しつつキッチンへ向かう。一方コハクは買ってきたマンドラゴラを実験用と食用に分けて、実験用に使うマンドラゴラを風呂に持っていき、いくつかを脱衣かご兼洗濯桶に入れて準備をする。
「まずは土を落とさなきゃ。えっと、弱く、弱く…」
コハクは風呂場の洗濯桶に入れたマンドラゴラに向けてシャワーをかざす。しかしここで問題が起こる。コハクの能力は“魔力が無限”であるため魔術が使い放題なのである。ということはうまくコントロールができない5歳の段階では魔術が自分の予想以上に強い威力で暴発することがしばしばあった。そして、それは今日も今日とて……。
「『ウォーター』! 」
コハクはシャワーから魔術で水を出す。風の国では一般的な魔術によって水が出る蛇口の一種なのだから正しい使い方をしている。それは問題ではない。コハクの魔術の威力が強すぎてシャワーから出た水は水の刃さながらの威力で、洗濯桶、風呂の床、空の湯舟、風呂の壁をまとめて全て一刀両断してしまった。当然洗濯桶の中のマンドラゴラは木端微塵である。
「………てへっ! ってゆってるばあいじゃない!! ママにおこられる!! 『コール』!! 」
コハクは急いで切断してしまった箇所を修復して、いそいそと二階の自室に戻るのだった。
「さぁ、じっけんをはじめよう! 」
コハクは意気込んでいた。実験というより錬金術の練習なのだが5歳のコハクにとっては実験に等しい。コハクは粉砕してしまったマンドラゴラのかけらを回収し、それをカッターで小さく切って試験管立てに入っているいくつかの試験管にそれぞれ入れた。その試験管には水、マンドラゴラのかけら、条件を変えた薬液が混ざっている。そのすぐ横には錬金術の術式が書かれた紙きれと錬金術の教科書がある。教科書には丁寧に手書きでルビが振ってあり、それを見ながら錬金術の術式を紙切れに書き写したことがわかる。書き写した術式は紙切れいっぱいに書かれた円の中に文字や直線、さらに小さな円などが書かれている。
「コレができたら“まんどらおら”クッキーのできあがり! ことしもきてくれるサタンのおじさんにプレゼントのおれい、じょうずにできるかな? 」
コハクは教科書を見ながら次の工程を確認している。次は術式を書いた紙を試験管に入れて魔力を流し込むだけでよいのだが、コハクはまだ5歳。これだけでも難しいときもある。なにせ子どもにとっては派手な現象は新鮮味が溢れる。特に今回は自分の頑張り次第でおやつが手に入るのだから心が弾んでいる。コハクにとっては大一番の舞台に立っているのと同じ気持ちなのである。どうでもよいが、“サタンのおじさん”とは“サンタのおじさん”が長い時を経て変わってしまった呼び名だが、旧世界での“サンタのおじさん”に相当するため最上位悪魔とは一切関係ない。
「サタンのおじさんへのおれい、しっぱいしませんように…! 」
手順を確認したコハクは術式が書かれた紙きれを試験管に筒状に丸めて入れる。すべての試験管に紙を入れたため、あとはコハク自身の魔力を試験管の外から流すだけ。自分の生命エネルギーを試験管の中身に流し込むイメージをしながら試験管に手をかざすだけでいいのだが、コハクはここで何かがおかしいと最後の工程を止める。
「……? れんきんじゅつも、まじゅつも、じゅつしきはひつようなのに、なんでれんきんじゅつはそれをさいしょっからよういしないといけないんだろう? まじゅつをつかうときはそんなことしなくていいのに」
この疑問が後にコハクを天才と評価することに繋がるのだが、今はそれは省略する。コハクにとってそんなことよりも今目の前の疑問のせいでサタンのおじさんへのクッキーを作れなくなることの方が心配なのだ。その心配のせいで錬金術を行う手が止まる。ここで失敗してしまえばまた一からやり直しになると思うとコハクは魔力を試験管に流すだけ、手をかざすだけの工程を行うことに恐怖を覚える。その証拠に冬だというのにコハクの額に汗が噴き出る。いくら天才と言えども経験不足からくる不確定要素を含むアクションを取ること、つまり“初めては怖い”のだった。
「……はぁ…はぁ…! ……はぁ………ねーなんで!?きになる!! 」
それでも勇気を振り絞って魔力を試験管に流し込もうと手のひらをかざすが、コハクはやはり手を止めて錬金術を中断する。気になってしょうがなくなると調べたくなるのは研究者としての素質故なのだろう。そのことが気になると錬金術を放り出して部屋にある本を読み漁り始める。それから軽く一時間が経過した。
「……ほんにかいてない、ママのじゃまはできない、なんでぇぇぇぇぇぇぇ!! 」
5歳にしては異常な集中力を発揮する。だがその集中力は限界を迎え、誰に向かってというわけではないが駄々をこねる。その声を聴いて母親が階段を上ってくるが、部屋の外で何かに躓き転ぶ音がしたが、コハクはそれに気が付かず自室の床を本と一緒に転がり回る。まもなくして母親がコハクの部屋の扉を開ける。
「いたた…コハク、どうしたの? 」
「ママ! 」
コハクは部屋で転がり回っていたため髪が乱れている。そんなことはお構いなしに額が少し腫れている母親に抱き付く。母親はコハクの乱れた髪を手で直しながら頭を撫で、コハクから話を聞いた。
「なるほど。魔術も錬金術も術式がいるのに、なんで錬金術は予め準備しないといけないのかってことね。」
「そう。コハクね、それがきになってれんきんじゅつしっぱいしちゃうかもしれないの。でもママいそがしいからじゃまできなかったの」
「ふふふ。ちょっとキッチンでお料理してただけだから大丈夫よ。コハクの質問だけれど、魔術は使う時に術式が勝手に作られるから必要ないの。でも錬金術は魔力を流して完成する物だから術式を準備しておかないといけないのよ。でもなぜこういう仕組みなのかはまだ誰も解明できていないからそこは今気にしなくていいわ。」
「じゃぁ、れんきんじゅつはふつうにまりょくをながすだけでいいの?」
「準備が出来てるならそれでいいのよ。教科書通りに準備できなかった?」
「じゅんびはできた! でもそれがきになってできなかった。でもいまならできる! ママ、みててね!! 」
コハクは自分に自信を取り戻し、机に置いてある試験管セットを母親の前に置いて錬金術を披露しようとする。床に置かれた試験管セットの中身はちゃんと完成しており、あとは魔力を流し込むだけ、手をかざすだけである。
「お母さん目が悪いから見えないんだけど。」
「いいの! パパのおほしさまをみつけるれんしゅう! それじゃあいくよ! 」
コハクはムムムと集中し、試験管の一つに手をかざして魔力を流し込む。子供向けの練習であるため途中まではジワジワと変化が起こり始める。試験管の中にある液体や紙切れ、マンドラゴラが少しずつ変色してゆく。
(コントロールしきれていなかったコハクの無限の魔力がコントロール出来ている? 集中すれば魔力の暴発を防ぐことができるのかしら?)
母親は娘のこれまでに見たことが無い様子を目の当たりにして少し驚く。いつものコハクならここで爆発を起こしてもおかしくない。これまでも自室で何度も爆発とボヤ騒ぎになったことがあり、現在も天井に少し煤が付いている。そんな娘の成長をよそに、コハク本人は集中力を維持したまま錬金術を続ける。その時だった。下の階から金切り声が聞こえてきた。
「きぇっぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!! 」
「っ!!!? 」
「うわっ!! 」
マンドラゴラの鳴き声である。コハクが八百屋からおまけで貰ってきた分をキッチンに置いてあり、料理をするために取っておいた物だ。それと同時に焦げ臭いにおいが二人の鼻を突く。
「ママ! まんどらおらがめをさました! あとなんかくさい! 」
「しまった! 火付けっぱなし! ああもううるさい!!! 」
母親はキッチンで火を消し忘れたままコハクの部屋に来てしまったためキッチンが燃えている可能性がある。その燃えているという異常を察知したマンドラゴラが金切り声を上げて逃げ出そうとしているのかもしれない。とにかく二人は火元になっているであろうキッチンへ耳を塞ぎながら向かう。
「ママ! キャンプファイヤーみたい! 」
「わぁキレイ、じゃないわよ! 『ウォーター』! 」
予想通りにキッチンに炎が立ち上り、マンドラゴラがそれに反応してきぃきぃと騒ぐ。母親は水を発生させる魔術で消火活動にあたるが、力を制御した状態での魔術では消化はできなかった。
「ママ! コハクもてつだう! 『コール』!! 」
「コハク!逃げなさ…うわっ!! 」
コハクは母親の制止に構わず魔術を唱え始めるが本気のコハクが放つ魔力だけで母親が後方へ軽くよろける。それだけコハクの生まれつきの魔力が凄まじいことがよくわかる。
「『ウォーター、トルネード、バブル、サンド、クレイ、ブースト……』」
「コハク! やりすg」
「『ブラスター』!!! 」
ボヤは落ち着いた。だがコハクの家はキレイさっぱり無くなってしまった。近所の家もコハクが消火のために出した泥や砂で塗れたことで親子共々怒られた。コハクと母親は近所の各家庭の外壁の掃除をし、自分たちでできないところは業者に頼んで近所の家を修復していた。
「ぐすっ…コハクがんばったもん、かじにならなかったもん、クッキーなくなっちゃったもん……」
「コハクは魔力が無限にあるから魔術の威力が強すぎるのよ。今後は魔力を抑えながら魔術を使いなさい。」
「ぐすっ…そういえばママ、サタンのおじさんはくるのかな? おうちなくなっちゃったけど、えんとつないけど、まんとらおらのクッキーないけど、きてくれるかな?」
「悪いことしちゃったんだから来るわけないでしょう。」
「やだ! サタンのおじさん来ないとやだ!! 」
5歳児にとってはサンタのおじさん、もといサタンのおじさんが来ないことは由々しき事態なのである。サタンのおじさんは時代が変わっても正体は変わらないので母親は内心で頭を抱える。幸いなことにこの家庭は貯蓄がかなりある。母親の仕事の給料がかなり良いため簡単に業者を呼んで近所の家の修理もできるのだ。そのためプレゼントを用意することは赤子の手を捻る程度のことだが、まだ幼い子どもの夢を破壊することはよろしくない。あくまでもサタンのおじさんが来るという体裁は守るべきである。だが悪いことをしたコハクにプレゼントを渡していいのかはわからない。泣きながら雑巾とバケツの水で近所の家の壁に張り付く泥や砂を落とすコハクを見ている母親。すると二人組の来客が来る。
「ごめんください、マギカ大学です」
「はい? コハク、大学からよ」
「ぐすっ…だいがく?」
コハクが今度の春から通うことになる大学から職員が来た。コハクは泥だらけのまま職員の元へ行く。
「え…! サタンのおじさん!? 」
「え!? 」
「ベリークルシミマス。ご家庭に何があったのか全く想像できない状態ですけれども」
職員はサタンのおじさんのコスプレをしてコハクの家に来ていた。母親は目が悪かったため職員がサタンのおじさんのコスプレをしていることに気が付かず、結果としてサタンのおじさんがコハクの元に来たということになった。男性の職員がサタンのおじさんのコスプレをしていて、その横には女性がビキニサタンのコスプレをしている。男性は厚着をしていて白くて大きな袋を背負い、女性は肩や両腕両脚、腹部も惜しげもなく露出している薄着のため身体が既に冷え切っていて顔色が悪い。余談だが“サタンのおじさん”のコスプレとは旧世界の“サンタのおじさん”の格好そのままである。少し離れた小道には空想上の生物“バイコーン“を思わせる二本角のカチューシャを取り付けた馬型の魔獣がソリに繋がれて待っている。
「サタンのおじさんだぁ! サタンのおねぇさんもいる!! やったぁあああ!! ベリークルシミマス!! 」
「コハクさんベリークルシミマス。来年度は大学に数多くのお子さまがご入学されるので入学前のお祝いも兼ねてプレゼントです。受け取ってください」
男性が背負っている袋から大きなラッピングされた箱を取り出し、顔色が悪くとも笑顔は崩さない女性がその箱を受け取ってコハクにプレゼントとして渡す。
「ベリークルシミマス、コハクちゃん」
「ベリークルシミマス! サタンのおねぇさん、サタンのおじさん!! 」
「よかったわねコハク…あぁちょっと!? もしかして泥だらけのまま触ってない!? 」
先ほどの涙が嘘かのようにコハクはキャッキャと喜ぶ。案の定コハクは自分に付いている泥を落としていないのでラッピングされた箱はみるみるうちに泥で汚れる。母親はその様子は見えていないが、普段のコハクの行動からしてその行動に出ることは予想していたため注意をするがもう遅い。職員もその様子を見て「元気な妹さんですね」と母親に話しかけられるが「娘です」と答えると女性職員が男性職員の後頭部を殴りつけて謝られる。
「ママ!開けてもいい!? 」
「聞く前から開けてるんじゃないの? いいけどプレゼント泥だらけにならない?」
「ギクッ! そ、そんなことないよ! ちゃんと洗うもん!! 『ウォーター』! 」
「あっ!! 」
コハクが自分の身体の泥を落とすために自分ごと洗濯してしまおうと水の魔術を唐突に唱える。だが威力の高すぎるコハクの魔術は街の一部を洪水があったかのような水浸し状態に変えてしまった。魔術を唱えるのは一瞬、被害ざっくりとわかるまで3分の出来事である。
「な、なにこれ…これがあたしたちの後輩なの? 」
「衝撃的ビフォーアフターだ」
女性が驚いているところに男性の一言。うまいこと言うなと言わんばかりの手刀が男性の額にヒットする。
「……てへっ! 」
「コハクぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううううううううううう!!! 」
この後コハクはこっぴどく怒られたことは言うまでもない。ちなみにプレゼントの中身は後にコハクの愛用する杖の“ほうき星”だった。
翌日、風の国の集合住宅。一室にて
「へっぷし!!! 」
「大丈夫か? 」
「大丈夫なわけないでしょバカ。まさかバイトで風邪ひくとは思わなかった。なんであんたは風邪ひいてないのよ」
「バカだから? 」
「大学で研究してる時点でバカではないでしょうが。うぅ、クルシミマスなのになんで寝込まないといけないのよ……って、あんた鼻水出てる」
「マジ?実は風邪ひいてることに気が付かなかっただけ? ティッシュどこ? 」
「やっぱりバカだった」
この二人は昨日とある入学内定者の女の子の家にサタンのおじさんとお姉さんのコスプレをして水浸しになった挙句風邪を引いたのだった。この二人は付き合っているわけではない。女性はベッドで寝ながらも男性に魔術で連絡を取り、男性は風邪をひいた女性のお見舞いにワンルームの住まいに来た。だが男性も風邪をひいていたことが発覚した。鼻を存分にかんだ男性は女性と話しを続ける。
「んあ“あ”あ“あ”あ“っ!! 本格的に風邪ひいたかも。でも温かいだろ?暖房もつけたし、野菜スープだって作ったし、もう寝てろよ」
「うるさい。ばか。すき」
「はいはいありがと…え? 」
「なんでもないよーだ。」
べーっとしたを出して男性を揶揄う女性。男性は困惑しながらもう一枚ティッシュをもらって鼻を拭う。
「変な奴だな。大丈夫そうだから俺帰るぞ」
「まって、帰ってからあんたが症状悪化したらどうすんのよ。ここにいなさい」
「やだよ、普通に帰る」
「あたしが嫌なの。寂しいから布団の中で抱きしめてよ」
「……熱悪化した? 」
「……ばか」
女性は無理をして身体を起こして男性の手を取り、そのままベッドに連れ込む。
「お、おい! さすがにマズいって……? 」
「……すぅ…………すぅ…………」
女性は最後の力を振り絞ったのだろうか、男性を引き込んだところで意識がなくなった。男性が来てから無理をしていたことも、弱っているため本音が出てしまったことも、男性は申し訳ないと思いつつ、結局体温の高い女性を抱きしめたまま二人そろって同じベッドで眠りに付くのだった。この後むちゃくちゃ風邪治した。
リア充は爆発しろ。作者は昨日に引き続きありったけのC4(粘着爆弾)をかき集めてリア充を探しにいってきます。
そういえば今年のクルシミマスは作者の恒例行事である”某モンスターをハントするゲームにてソロで空の王者をタル爆弾で爆殺し、陸の女王をシビレ罠と麻酔玉でお持ち帰りする大会”が行われていません。ルールは空を爆殺、陸を捕獲すること以外は何でもOKなので誰か代わりに開催していただけると幸いです。やっぱりやらなくていいです。




