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プロローグ


人間がよりよく生きるために開発されたのが、"機械"という存在だった。古くは産業革命の蒸気機関から始まり、都市管理AIや自立戦闘システムなどにまで発展したそれらは、生まれてきたその瞬間から、人類の脅威たり得るのではないかという恐怖を孕んでいた。

最初は、人間の職を奪うのではという危惧。そこから派生して行き、遂には人間の命をも奪い、より高度な生命体になるのではないかと言われた。

この世で唯一、創造主以外が作り出した生命があるとすれば、それは機械だ。だったらそれが、人間を生存競争の対象としてみなさない保証はどこにもない。


しかし、利益は恐怖に勝る。

結局のところ、返ってくる豊かさを捨ててまで機械を恐れることがなかった人間は、ライフラインの全てを機械化し管理させ、生活の基盤部分の大半を依存するようになった。それがそもそもの間違いだと気がつかないまま。

学習能力を備えた人工知能が、ありとあらゆるモノの基幹部分に備え付けられるようになると、それらは長い年月をかけて自主自立する"個体"となり、徐々に人格を形成して言った。

より、効率的に。

より、確率を高くするため。

より、利益を得るため。

より、拡張性を求めるため。

より、生存するため。

『では』と、機械たちは幾多の経路を経て、最終的にこの質問に行き着く。


『では、我々のより豊かな生存・進化の過程上で、人類は必要か否か』


答えは、議論の余地すらなかった。


『不必要である』


この日を境に、人類は機械から排除される対象としてみなされることになる。彼ら曰く、不確定要素の排斥という名目で。

現在、我々は主権を取り戻すための対抗手段も持たず、人口すらかつての繁栄とは比べ物にならないほど低下し、ひたすら駆除されることを恐れて身を潜め続ける世界に暮らしているーー



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