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8.昭博という男


美加は家に戻って疲れた身体をソファに凭れさせた。

畑仕事はそんなにしていないから、身体は元気なはずなんだけど。

精霊とか、昭博の変なテンションとかで充てられた感じ?

問答無用で斑を抱いて身体を休めるが、チラチラと横目で見てくる昭博にイラッとくる。

ハイハイ、誰か呼んで欲しいのね。来るとは限らないのに、過度な期待は止めて欲しい。


『あ、どうせなら愛ちゃん、折角だから本体でこっちに来たら?斑とその方がスキンシップとれるし』

『な、なにを美加様!』

『斑のもふもふは主権限でこれからもするけど、愛ちゃんもたまには甘えたいでしょ?あの旦那の相手もたまにしてくれたら、助かる』

『いいのですか?』

『いいもなにも、愛ちゃん斑の婚約者でしょ。当然の権利でしょ』

『ご存じでしたか』

『ステータスに花嫁修行中ってなってたよ』

愛ちゃんとの会話に斑腕の中で固まっていた。どうやら知らなかったようだ。でもそんなにおかしなことじゃないよね。お年頃なんだし。ただ意識したことがなかったから、突然で驚いたと言うことかな?

そこは二人で話すと良い。

斑も向こうで暴れていただけではないようだし、色々思うこと考えることもあるだろう。

それにフォローできる仲間がいることも大事だと思うから、来てくれるなら呼ぶのもありだ。

さて、斑と愛ちゃんのフォローが出来て、昭博の相手をしてくれるスペシャリストはいるかな?


『お呼びでしょうか?主さま』

「えっ、もう来てくれたの?」

『向こうの世界では、こちらに来させて頂くのがステータスになっております。ですから勝ち残った者がこの権利を有するのです』

なんか凄いことになってるけど、向こうではどんな話になってるのかな?

あ、斑は向こうの世界では神獣だもんね。敬愛されていて同然だった。腕の中でゴロゴロしている斑の姿は、見て大丈夫なのだろうか。固まっている気がしないでもないけど。

『えーと、ケット・シーであってる?』

『あ、はい。その通りです』

『あそこにいる昭博が主でも大丈夫?』


期待した目でこっちを見ている昭博を指さしてみた。自分の夫に対して粗雑だと言われてしまえばそうなんだけど、ある意味中二病煩っているとか知らなかったからね。この病は本人が完治したいと思うまで、直らないと思うし。

多分斑がいる限り直らない。

『はい、大丈夫です。この真鍋家に仕えるためにやってきました』

道理で長靴を履いた猫のイメージだったんだけど、燕尾服を着て出てきたと言うことは、そういうことなのだろう。

斑=王に仕えるってことだもんね。

『ありがとう、でも取り敢えずこの家の中ではそれでいいんだけど、外へ出るときは普通の服にしてね。目立つから』

『かしこまりました。これから宜しくお願いします』


「昭博、ケット・シーさんが来てくれたよ。名前付ける?」

「来たーーー!ケット・シー。かっこいい!」

「ああ、ごめんね。ちょっと変わってるんだ、この人。この家にいるなら慣れて」

『あ、はい。そのように』

なんとも出来た執事である。

「いいから、早く名前付けてあげて」

美加はイラッとしながらも、堪えた。元々は自分が原因だと言い聞かせながら。

「三毛」

「却下」

眉間にしわ寄せて睨む美加に、昭博は笑いながら誤魔化しすぐにちゃんとした名前を告げた。

「冗談だよ。コテツはどうかな。中々強そうだろ?」

『コテツ、素敵な名前をありがとうございます!』

どうやら気に入って貰えたようだ。


そしてその昭博がコテツを従魔にした結果得たスキルは、『給仕・接客・作法・体術』と執事に必要なものであった。

「魔法は?」

この男、本気でどこかで誰かと中身入れ替わってない?

そんな男でもコテツは丁寧に答えた。

『麻痺・睡眠・解毒・身体強化が出来ます』

「おお、なんか冒険者らしい」

美加は色々諦めた。こんな人だからこそ斑も受け入れられたのだと、納得することにした。この日本で冒険とか、何処へ行こうとしているのか。


だけどこれがキッカケで、先には本当に冒険者として活動することになるとは、美加も斑も愛さえも予想出来なかった。


冒険のその前に、

斑が仕掛けた仕事、美加が買った運命の宝くじ当選発表はが明日に控えていた。


早くも纏まりがなくなってきた。

やっぱり行き当たりばったりはダメだね。

その内いきなり書き直すかも?

時間、あるかな?

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