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7.斑の成長

ブックマークありがとうございます。

読んでるよ!って言われているみたいで、嬉しいですね。

『斑、そろそろ帰ってきなさい』

『主、もう帰るのか』

『もう少ししたら、帰る準備するから』

『……わかった』


この返事、全然わかった返事じゃないし。まあ、その気持ちはわかるけどね。家にいたら遊ばせてあげられる場所なんてないし、狭い庭をぐるぐる走るしか出来ない。ここなら元の大きさに戻らなければ、人目気にせず好きなだけ走り回れる。

イノシシとも戦えるし?

ただイノシシの駆除はみんな喜んでくれるだろうけど、それを知らせられないのが問題だ。

その死骸が見つかれば騒ぎになることは間違いない。実際に見ていないからどんな倒し方なのかわからないけど、爪とか牙の場合熊が出没したと勘違いされる可能性があるのだ。


だから宝くじだけのことじゃなくて、精霊のこと、イノシシの倒し方、また倒した後どうしたのかとか聞かないといけない。

考えていたら、のんびりしている場合じゃなくなった。おもに気分の問題で。


いつも子猫だから忘れちゃうのよね。こちらの世界の常識が通じないことを。

私もちゃんと斑のこと知る必要があるよね。飼い主だし。

なんとなくの勘でしかないが、斑をただこちらで育てて大きくするだけじゃダメな気がするんだよね。

正直面倒なことになった、とは思うけれどこれも縁だと諦めの境地だ。

こういうのなんていうんだっけ。


毒を食らわば皿まで、いやいやこれは悪事を更に重ねるという意味だ。

毒を以て毒を制す、これもちがーーーう。別の悪を利用してどうする!

カッコいいこと言って自分の中で納得させようとするからだ。慣れないことを考えるもんじゃないね。


まあ、乗り掛かった舟。最後までお付き合いしましょ。


『主…』

「いいわよ。って、斑なんで大きくなってんの⁉せめて普通の猫の大きさになって」

『ああ、すまぬ。久しぶり生肉食べたら…』

これで死骸は片付いていることが判明した。


「ああああ、それ以上は言わなくていい。骨とかはどうしたの」

『軽く土に埋めたが』

「それでいい。これからも野生に戻ったらそうして。ただし、山限定だからね」

『残念だが、仕方あるまい』

「秋にはやること一杯あるから近々来るから、それで我慢して」

『ウム』

一度獣に戻ったら、声までそれらしくなったよ。

さみし。


さて、それはそれとして。

「斑、ステータス見たんだけど、財運上昇中(宝くじ発表まで後1日)ってなに」

『この間我の毛を財布に挟んだであろう。その効果だ』

「えっ、それって持っている間ずっと?」

『魔力が抜けていくから、効果は薄くなるがそれなりだ』

「それってどれくらいの規模で効くの?」

『ダンジョンでミスリルの魔剣を手に入れるぐらいか?』

「ミスリルの魔剣って、あれだよね…」

『あれが何を指しているのか全くわからんが、我が普通に暮らしたら喰いぶちに困らないぐらいか』


美加はそれぐらいならとホッとし、ラッキーとも思っていた。それは喰いぶちに困らないレベルを勘違いしていたからだ。

美加が思う喰いぶちに困らないは全部で3000万ほど。家のローンを払い終えたらその分貯蓄に回せるし、老後旅行にも行ける余裕のある暮らしをイメージしていた。


斑が思う喰いぶちに困らないレベルは、自分の食費を基準としており、しかもそれは和牛肉を示していた。

よって軽く計算をすれば、一ヶ月で斑にかかる食費が100万。一年で1200万。それを50年で計算した場合、ジャンボ宝くじ一等と前後賞が当たったと同じ事になるのだ。

当然番号を見た途端に美加の茫然自失は決定した。


どこまでも斑のお肉への憧れは止まない。

美加に怒られることなくこれでA5ランクのお肉がこれで食べられると、ホクホク顔だ。

子猫から一ヶ月ほど成長した姿になった斑は、ご機嫌取りの為に美加にすり寄った。

 

 おにくーおにくー、もうすぐお肉が食べられるよ、おにくー


「斑は甘えん坊なんだから」

斑の頭の中がわからない美加は、もふもふにはとってもちょろい女だった。



「あ、忘れるところだった。精霊が現れたんだけど、なんで」

『我のレベルがあがったことにより、向こうとの繋がりが強くなったのだろう』

「へえー、じゃあ、これから私が呼びかけて該当者がいれば、向こうから来る可能性があるんだ」

『経験がないから、不確定だがな』

「昭博を気に入ってくれる子がいるといいんだけど」

『なんで昭博が出てくるのだ』

「自分だけ仲間外れみたいで、寂しんじゃない?最近私も斑ばかり構ってるし」

『だが、あやつが猫なで声とか、聞きたくないのだが』

「あー、それは私も嫌だからやめさせる。誰か来てくれてから要相談しよ」

『こっちにいてもおかしくない奴となると、数は少ないがな』



昭博は美加と斑の会話に聞き耳を立てながら、こっそりとガッツポーズをしていた。

俺にもしかしたチートな能力が生えて来るかも!

平和な日本で何と戦う気なのかわからないが、昭博の妄想は美加が帰ろうと頭を叩くまで続いた。


間違って投稿しちゃったけど、このままでいいかな。

もしかしたら後日ちょっとだけ改稿するかも。

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