6.5 閑話 ー緑精霊カレンの場合ー
短いです。
「おお!帰ってきたか。お主、どうだったのじゃ」
「ふふーん、カレンって名前を授かったわ」
「「おおー!!」」
「で、白虎様の主になられた方はどんな方じゃった?」
「ごく普通の方だった。だけどすぐに私を受け入れてくれた」
「ほおー。あちらには精霊はいないと聞いていたが」
「うん。だから召喚魔法についてご存じなかったみたい」
「そーなのか、それは残念じゃ」
「あ、それと凄く魔力が心地よかった。ほんわかしてハンモックに揺られてるみたいに」
「儂たちもいつかいけるかの」
「行けるよ!だって、またカレンを呼んでくれるって言ってくれたし、皆のことも呼んで欲しいってお願いし見る!」
「僕たちでも出来ることがなるなら、お役に立ちたい!」
「皆でがんばろう!」
「「おー!」」
わいの、わいのと騒いでいるのは、スフィアで白虎の保護下にあった者達であった。
そこには精霊と呼ばれる者の他に、ノーム・シルキー・ピクシー・ケット・シーなど多種多様な者が住んでいた。
日々疲れていく自分たちの王の為に何かしたいと願っていたが、ここでは何も役に立てなかった。それぐらい地脈は乱れ魔に飲まれていない森は減少し、清廉とした魔力が少なくなっていたのだ。
今でも地球に修行に出る前に持てる力全部を使って、この地に結界を張ってくれている。その為に生まれたての赤ん坊のような姿で行くことになった。
その王の為に出来ることと言えば、自分たちが力を付けることだが、それすらこの地では難しかった。それを可能にしたのが、斑の主となった美加だった。
美加が魔力を使う度に、白虎が納めるこの土地が浄化されていったのだ。そのことを美加に伝えることは世界の理を壊すことになるからと、創造神に禁じられている。美加が必要以上に使えば、その反動で美加の身が危険に晒される可能性があるというのだ。そうなれば、斑もただではすまない。
そんな中、美加の何気ない呟きがこの地に届いた。
『魔法でこの草なくなれ!と唱えたらなくならないかと。
そんな適任者って誰になるんだろう。
精霊とかになるのかな?』
わらにもすがる気持ちで飛び出していった。今ならあちらに行ける!
そして勢いで来たのは良いが、なんて言葉を交わしたらいいのか分からずどうしようかと迷っている内に、出てきた言葉はとんでもなく高飛車な言葉だった。
『ふーん、あんたが白虎様の主?』
これをここの者が知ったなら、半日は説教されるレベルで、自分でもあり得ない言葉だ。
なんてことを言ってしまったんだ!いきなり謝るのも可笑しいし、取り消すのも変だ。
内心オロオロしていたが、あの方は普通に話しかけてくれた。
そんな言葉に怒ることなく、白虎様、斑様の主は話をしてくれた。
こんな私に名前までくれて、仕事まで与えてくれた。天にも昇る気持ちで浮かれた。
本当はもっともっと近くにいたかったが、これ以上失態を繰り返したくなくて早々に立ち去ることにした。
最後なんて、また宜しくねっカレンって笑ってくれた。
凄く嬉しい。
今だって信じられないぐらい魔力を身体に纏っている。これがあの方の力。
今ならこっちでも食物を育てることが出来るかもしれない。
歌おう。この地に祝福を。
私はカレン。
あの方の契約精霊。
斑様がお帰りになるまでに、ここを緑で溢れかえしてみせます!
気分転換に。




