22.事態の収拾
短いですが、取りあえず更新
昭博が何も考えていない頭で玄武の願いを聞いてしまい半神になったころ、美加は斑に八つ当たりをしていた。
「美加、いい加減機嫌を直してくれ…」
耳も尻尾も萎んでしまい誰が見ても反省しているという態であるが、美加は斑を叩くことをやめなかった。
美加だってわかっているのだ。北の玄武だけが悪いわけじゃないことを。昭博だって、もっと思慮深く後のことを考えてくれれば、こんなことにはならなかった。
もっと詰めていけば、どんなに拗ねられても僻まれても自分がこの世界に昭博を連れてこなければ良かったのだ。
――こんなこと誰が予測しただろう。
危険なことよりもあの能天気な昭博が、質の悪い冗談みたいにこの世界ならともかく、地球ではありえない突き抜けた存在になるなんて。
もう一度眠ったら自分がいるところが地球で、この世界のことなんて中二病患った夢だったら良かったのに。
「こんな時に言いづらいのだが、先のことを考えれば良かったのでないか?」
「どういうことよ!」
思った以上にどすが効いた声が、斑に届いた。
「いずれ美加も女神になる可能性が高いのだから、ある意味必然だと思うのだが」
「ああん?なんだって?――私が女神とか、どういうこと?」
「美加、その聖獣をも凌駕する威圧を止めてくれ。我もきついが、周りの者がドアの外で倒れておる」
美加の怒りはまだ解けてはいなかったが、斑以外にあたるわけにもいかず、斑をキッと睨んで威圧と猫パンチをやめた。
「どういうことよ」
乱暴な言葉遣いになっていることは気づいているが、そんなことを今気にする余裕は美加にはなかった。目が覚めたら昭博が北の玄武と契約を結んで、半神になったと聞いて普通でいられるわけがない。普通契約といえば、従魔契約じゃないの?!
なんで眷属契約なわけ?
意味が分からない。
可愛い小娘が叩くくらい受け止めてよね。
それに聞き捨てならない言葉が聞こえた。
なんで、私が女神?
「神とは信仰によって創られるものだ。崇められた者にはそれに伴い格が生まれ、多くの者に求められればそれがその者に積まれていく。その積まれていった結果、人の格があがることになり神に近くなって行く。というのが、この世界のシステムなのだ。過去にも物語に書かれているような英雄となった者の中には、下位ではあるが本当に神になったものもいる」
――本当にファンタジーを舐めていた。
摩訶不思議が当たり前の世界で、自分たちの常識を当て嵌めたことが間違いだったのだ。
ラノベの話を鵜呑みにしていたのが、間違いだった。
考えればわかったのに。あれは小説であって、現実ではない。もしどこかに現実が混じっていても、世界が違うのだから理も違う。
昭博の事、笑えない。
「間違いなく美加は神格を得ている。それが今か先の話かということだ」
こうなったら、なるようにしかならない。時を戻すことなど出来ないのだから、後は地球に戻ってからの対策を考えよう。
「わかった。じゃあ、昭博にサクッとそちらの魔物たちをやって貰おう。その後私は土地を浄化させに行くから」
「……」
「なに?」
「諦めが良いな」
「…諦めなかったら、どうにかなるの?」
「…ならない、な」
「…だよね」
大きな溜息を吐きながらも、これからのことを口にした。
「この世界のことを理解してから行動しなかった自分が悪いのだから、そこは喚いても仕方ないかな。それよりも地球で普通の暮らしが出来るのかが知りたい。老いがこないとか、地球であり得ないから」
「あい、わかった。出来る限りのことはする」




