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13.作ってみよう!憧れのアイテム「マジックバッグ」

8時間も寝たというのに、身体が怠い。絶対にあの心眼とかいうスキルのせいだ。私の脳はそんなに一度に理解出来ないことが証明された。イヤな証明である。

疲れているけれど会社に行かないわけには行かない。ダラダラと皆の食事の用意をして、食べた。

斑はお皿を見て寂しそうにしていたのは、多分お肉がなかったせいだろう。それでも肉の歌が出てこなかったのは、ハルのせいだと分かっているのだ。

偉いぞ!

だというのに、会社を休めば?なんて唆そうとしている家の困ったちゃんはどうすれば良いですかね?私が寝た後も、押し入れを漁っていたのは知っている。絶対に時空間魔法でマジックバッグを作って欲しかったに違いない。そんなに大量の物が入るバッグで会社に行ってどうするつもりだろうか?

昭博に至っては不安アイテムにしかならないから、出来れば作りたくないんだけど。


何か言いたそうな顔をずっとしていたが、私が黙々と仕事へ行く準備をするので諦めたのだろう。持っていたバッグをソファに置き、自分も着替え始めた。

哀愁を背負っている背中を見て思うところはあるが、まずは仕事から戻ってからだ。



人間沢山のことが有り過ぎると逆に冷静になるっていうけど、あれって開き直ることが出来たって意味だね。変に肝が据わった気がするよ。いつもならイライラしてしまう急ぎだと押しつけられそうな仕事も、理路整然と断ることが出来た。

…なによ。私が断るのが変なわけ?

向こうの席では真鍋さんが仕事断った!って、騒いでるけど知ったことではない。元々ちゃんとやれば期限内に出来る仕事なのだ。初めから諦めてやってみようとしなかったのが悪い。

私にだって週末の予定はあるのだ。



まあ、今まではブツブツ文句を言いながら、休み返上で引き受けていたかもしれないけど。

私が無理して引き受けなくても、やれる人がやればいいんだし。

社畜となるのは、今日からやめるのだ。

斑と愛ちゃんとコテツと遊びたいし、最近放置気味の旦那の相手をして、マジックバッグ作らないといけないのだから、私は忙しいのだ。

先ほどまで作るのを戸惑っていたのに、休む理由を見つけて嬉しいのだから私も現金なものだ。


それに、向こうの世界のことがとても気になる。

緑が少ないようなこと言っていたし、出来ることがあるならここまで関わったなら手伝いたい。今度の連休に試しに行ってみるのも、いいかも。

そうと決まれば有休を取って、東京の銀行に行くことから始めないと。多分そこで手続きして次、受け取りになるんだろうからお金の計画をしっかり立てないと。


さて、向こうに行くのは良いけど、何がいるんだろう。コテツがしっかりしているし、準備は昭博が目を爛爛と輝かせ揃えるに違いない。

といっても、昭博の準備は装備に偏るから、私は食料品関係かな。バッグにどれだけ入れられるのか分からないけど、身の回りの物全て用意しよう。

やると決めたなら、この仕事定時で終わらせて絶対に帰る!


「では、お先に失礼します」

「お疲れ様でした」

二度見されながら真っ先に帰るのも、ちょっといいかも。


夕食は昨日の残りのお肉を使って、回鍋肉と具沢山のお味噌汁ね。


「ただいま」

「我はお留守番した」

「みんな偉いね。今日は昨日の残りのお肉で回鍋肉という料理をするよ」

「にく!」

「コテツには魚の煮付けね」

「さかな!」

リビングに三匹を引き連れて行くと、ソファに色違いのリュックが2つ並べてあった。これって昔付き合っていたときに一度だけ登山に行ったときのかな?懐かしい…。

昭博はこれに決めたんだ。夕食食べたらチャレンジしてみよう。


さて、夕食も食べてみんなお腹が一杯だ。ごろんと三匹は腹を出して寝そべっている。

完全に猫だ。


昭博は何故か緊張した面持ちで座っている。

「昭博、私の方が緊張するからそんなに見ないで」

「いや、だって魔法だよ?見ていたいじゃないか」

こういうとき言い出したら人の話を聞かない昭博に何を言っても無駄だ。

仕方ない。ただ作ってみよう!なんて張り切ったものの、どうやって作るのだろう。ステータスを見てみよう。

な、なに!なんでこんなにレベル上がってるわけ?

もしかして身体が怠かったのって、急激なレベルアップの弊害だったりする?


「斑!昼間何かしたの?」

「我は、別に」

「じゃあ、誰が何をしたの?」

「美加様、ハル様と契約をなさったからですよ」

「ああ…そうなるのか。それにしても何したらこんなに上がるの?」

「それはきっと凄いのと戦ったんですよ」

なるほど、ね。そういうことになってるのか。


スキルに心眼があるせいで、情報を遮断しているけど何となくのオーラは見えてくる。斑が凄く焦ったのがわかったし、うっすらと闘気を纏っている。きっと先ほどまで何かをしていたのだろう。

ハルが刺激になって頑張っているなら、見守っていよう。


さてまずはステータス。項目の時空間魔法を押すと説明が出てきた。


名  真鍋 美加(27歳)

職業 会社員&テイマー・サモナー

レベル    36

HP    560

MP   61310

運     500

従魔   斑(白虎)・ハル(青龍)

契約   カレン(緑精霊)

サポ   愛(花嫁修行中)

スキル   浄化・結界・回復・修復・精霊魔法(緑)・召喚魔法・時空間魔法・心眼

固定スキル アイテムボックス・運気上昇・魔力増加

称号    スフィアの敬愛・財運上昇中(宝くじ大当たり)


※時空間魔法…時空を超えて転移することが出来る。ただし行ったことがある場所。もしくは特定の場所をイメージすることが出来る場所。

空間を広げることが出来る。イメージにより容量・使用条件は異なり、魔力以上の容量は超えることが出来ない。


なるほど、イメージか。

このリュックを持ってこの中(空間)を広げるイメージを展開。大きさはこの部屋のリビング。形を固定したら、この部屋の時計が止っているイメージで設定。

凄い勢いで何かが吸い取られている。これは凄い。この空間の大きさではなく、この大きさの時間を止めるのに、魔力が凄く要るんだ。

そうりゃそうだよね。いくらファンタジーといっても、出来ることに限りがあるよ、っと。

出来た!


「おお、出来たか!見た目は変わらないんだな」

「変わったら困るでしょ」

「だよな。で、どれくらい物が入るんだ?」

「このリビングぐらいかな。数じゃなくて量で決まるみたいだから気をつけて」

「じゃあ、ハルは入らないんだ」

「入らないね。そもそも酸素が必要な物は入れられないよ」

「なるほどな。これで色々買うことが出来る」


喜んでいる昭博に、私はアイテムボックスが使えるようになったとは、言えなかった。取り敢えずは同じリュックに同じように付与して、持ち歩く方がきっと良いと思うし。

さて、こっそり昭博も鑑定してみよう。


名   真鍋 昭博(32歳)

職業    会社員・テイマー

レベル    3

HP    113

MP    343

防御    356

従魔   コテツ(ケット・シー)


スキル  体術 麻痺・睡眠・解毒・執事set

固定スキル 身体強化

称号    スフィアの友人


やっぱり違うんだね。私の運の代わりに防御がある。どちらかといえば、守りが得意なのかも。

ステータスにも謎が残るがこちらでは使うことがないから、行くときになったら愛ちゃんにでも講義をしてもらおう。


―――――はッ。

完全に昭博に、感化されていた。


美加、中二病発症か?


更新強化週間終了。



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