シコウ
ねえ、聴いて?
好奇心という甘美な密に熱狂するのはですね、
その蜜には中毒性があるからなんですよ。
好奇心より得た知識で成長したかのように錯覚する。
知っていますか?
実際にはですね、成長しているのではなく腐敗しているんですよ。
人生の絶頂期とかいうのをまま聴きますが、絶頂期というのは生まれ出たその瞬間なんですよ。
それから後は唯々腐敗していくだけ。
ただ当人も周囲も気がつかないだけで、徐々に徐々に腐敗をしていっているんです。
そう、ただ単純にそれに気がついていないだけ。
時が経ったから腐敗しだした、だとか
世代が代わって腐敗した、だとか
長い間の視野を見せているように見せて、実はその瞬間を見ているだけに過ぎず、悲嘆しているに過ぎないのです。
大層に無駄な知識をひけらかしたところで、それは滑稽なだけで、単なる茶番でしかないのですよ。
自分の敵対するものは、歪め解釈し排除し、他方、信ずる者は歪めることなく手放しに賞賛する。
そんなものは、子供のお遊戯と同じじゃあないですか。
そのようなもの、一顧だにする価値すらもないのですよ。
世の中なんてものは、不合理で不条理で不衛生。
勝手に特別な人間だと思いこんで、迂闊に関わったことで、振り回され搾取され、使い潰される。
意味もなく期待し
意味もなく絶望し
意味もなく敵対し
意味もなく悲嘆し
意味もなく呪う。
いいかしら、偉人伝や成功本なんて病巣の一種でしかないのよ。
無個性を覆い隠すがための一つのツールでしかないの。
あなたには特別に輝いているように見えているのでしょうけど、単純にお日様が当たってそう錯覚しているだけなの。
どうすれば助かるのか?
助かりたいの?
ふふ、それは残念なお願いね。
だって、それはあなたが知るべき内容ではないもの。