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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

『向こう側の小宇宙』より。

シコウ

作者: 砥眞 芳矩

ねえ、聴いて?

好奇心という甘美な密に熱狂するのはですね、

その蜜には中毒性があるからなんですよ。

好奇心より得た知識で成長したかのように錯覚する。

知っていますか?

実際にはですね、成長しているのではなく腐敗しているんですよ。

人生の絶頂期とかいうのをまま聴きますが、絶頂期というのは生まれ出たその瞬間なんですよ。

それから後は唯々腐敗していくだけ。

ただ当人も周囲も気がつかないだけで、徐々に徐々に腐敗をしていっているんです。

そう、ただ単純にそれに気がついていないだけ。

時が経ったから腐敗しだした、だとか

世代が代わって腐敗した、だとか

長い間の視野を見せているように見せて、実はその瞬間を見ているだけに過ぎず、悲嘆しているに過ぎないのです。

大層に無駄な知識をひけらかしたところで、それは滑稽なだけで、単なる茶番でしかないのですよ。

自分の敵対するものは、歪め解釈し排除し、他方、信ずる者は歪めることなく手放しに賞賛する。

そんなものは、子供のお遊戯と同じじゃあないですか。

そのようなもの、一顧だにする価値すらもないのですよ。

世の中なんてものは、不合理で不条理で不衛生。

勝手に特別な人間だと思いこんで、迂闊に関わったことで、振り回され搾取され、使い潰される。

意味もなく期待し

意味もなく絶望し

意味もなく敵対し

意味もなく悲嘆し

意味もなく呪う。

いいかしら、偉人伝や成功本なんて病巣の一種でしかないのよ。

無個性を覆い隠すがための一つのツールでしかないの。

あなたには特別に輝いているように見えているのでしょうけど、単純にお日様が当たってそう錯覚しているだけなの。


どうすれば助かるのか?

助かりたいの?


ふふ、それは残念なお願いね。

だって、それはあなたが知るべき内容ではないもの。





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