第6章 バァレンバァレンの日
第6章 バァレンバァレンの日
ドロロンポーの討伐を終えた俺達は、村の村長さんや村の人達に、大感謝、感謝された。
そしてその夜には、宴会を開いてくれて、それはもう桁をはずして、飲めや歌えやと大騒ぎをした。
村娘もいたので、酔った勢いもあった俺は、産まれ育った村に古くから伝わる躍りを、フルちんになり、ひよっとこ顔をしながら腰を振り、踊り始めた!
最初は、キャキャ言って、腕で目を隠していた娘達も、俺の腰の動きに見とれたのか?真剣な眼差しで、指の間から注目しているのだ!
━━そして、オバサン達やお婆さん達などは!?
「兄ちゃんあんた良い腰つきするね!結婚したら嫁さんが喜ぶよ」
「そうかな?」
そんな誉め言葉を貰うと、調子に乗るのが俺様だ!
「よ〜し!よ〜し!」と更に気合いを入れて、天井に向けて腰を「ほ〜い!ほ〜い」と、更に突き上げる!踊れ!踊れ!踊れ〜!
━━腰を突き上げ、踊れば踊る程酔いが回る!
━━もう何が何やら分からない?
姉さん達は、あっちの部屋で、男達の接待を受けている。だから俺が、こんな感じで暴走しまくっても、気づかないのだ!
シメシメ、ニヒヒヒ……これは、チャンスだ!?
姉さんからは、御無沙汰をくらっている俺なのだ!
よ〜しこうなれば、子猫ちゃん達を追いかけるぞ!
村娘達に目掛けて突進をする俺!
「待て〜子猫ちゃん達〜!」
すると、村娘達は、散り散りになり、あっちこっちと、散っていった!
「キャ〜」
「いや〜ん」
「冒険者様、駄目で〜す!」
「こらこらまてまて!」
子猫ちゃん達に声を掛け、追いかけ回す!
あちらこちらから響く声に、更に興奮度が増してゆく!
宴の席だ、これはもう無礼講だ、どの娘するかな?と、目標を立ててみる!?
「………どれ?どれ?」
回りを見渡してみると?
━━いたいた!あの娘にするか!
可愛い娘を発見!あの娘に決めた!
ボールを投げられた様に、目標に転がる様に、突進する俺!
この娘をいた抱きま〜す!
「ドッカ〜ン」
「うげっ!」
「ガシャ〜ン!」
目標に飛び付く筈の俺が、何故かピンボールの様に、弾かれて横に飛んでって、壁に激突した!?
………何、何々!?
━━何が起きたか、理解ができない?
「ドスン!」
「うげっ!」
「ドガン!」
「ごほ!」
「ボゴン、ボゴン、ボゴン……」
「うぎゃ、うぎゃ、うぎゃ……マジやめて、姉さん!俺、死んでしまうしー!」
「あああ、死ね、死ね、死んでしまえー!」
「ごめん、もうしないからゆるひてください……」
思わず、酔いも覚めるほど、姉さんに蹴つり、殴られた俺、顔も腫れ上がり、口の中も切りまくり、まともにしゃべれません……
「はあ?それが人に謝る態度?」
「あ!すいまひぇん……」
俺は大の字になってる体を、慌てて起こして、その場で正座を始めた。
━━そして姉さん達の方を向いて、慌ててその場に、両手を突いて、土下座を始めた。
「しゅいましぇん、わらくしが、わろうごらいまひた……」
謝罪をした後に、二人の顔を交互に見ると、鬼の様に怒っている!
━━まるで鬼ババのような顔をして、俺を睨んでいるので、思わず、豆をぶっけてやろうかと思うほどだ?(たぶんぶつけたら、殺されると思うが……)
「姉ひゃん何でこっひに……ひたの……?」
あちらの部屋で、村の若者達に、接待を受けてる筈の姉さん達、何故こちらにきたの?
俺は疑問に思い。姉さんに尋ねてみたのだが?(マジで顔中痛くてやれねー!)
「隣の部屋から、女の子の騒ぎ声が聞こえてきたから、まさかと思い覗いてみたら……案の定!あんた、昔から酔いすぎると、脱ぐ癖と変な踊りをする癖があったわよね……」
何かヤバい気が……姉さん。ワナワナって感じで、怒りが込み上げている気がするのだが……それと、もう一人のお姉さま。レヴィアさんもなんで要るのここに?
……それに怒っていらっしゃる。俺、レヴィアさんに何かした?俺、何もしてないはずなのだが……?
それにレヴィアさんの瞳って、碧眼だった気が……?
何で紅いのだ?俺の気のせいか……?
「あの〜?」
「なに?」
俺がいた抱きますをする予定だった美少女が、姉さんに話し掛けてきた?
「もう、そのへんで許してあげてはどうですか?冒険者様だけが悪い訳でもないですから。私もその気でしたし……それ以上されると、本当に死んでしまうのではないでしょうか?」
その話しを聞いて姉さんは、更にワナワナと、身体中から殺気のオーラを出し始めた!
ヤバい!このままだと本当に殺される!
「すいませんでした奥様!二度とこのような事はしません。お許し下さい」
俺は、慌てて姉さんに謝罪して、深々と頭を下げて、何度も何度も、土下座を繰り返した。
「えー!奥様ー?結婚していらっしゃったのですか?」
美少女が、ビックリした様な声を出し、後退りを始めた!
「そうよ、私がこのバカの女房なの!」
姉さんが鬼の様な形相で、大きな声を発すると、静まり返っていた部屋が、ざわめきだした!?
「え〜結婚してたのかあの美人は?」
「二人共そうなのかな?」
「俺、狙っていたのに……」
「あんな美人の嫁さんがいるのに浮気するのか……」
「いいないいな二人も美人の奥さんいて俺も欲しいなー!」
「兄ちゃん?嫁さんいるのに、裸になって踊ったらいけんわ!嫁さんが恥じかくで!」
「あの人お嫁さんいるのに最低……」
「殴られて当然ですね……」
「女の敵!」
あちらこちらから、姉さんに同情して、俺を最悪最低の人間の様に、罵りだした。(レヴィアさんは、俺の嫁ではないから。)
村人達は、俺の事を好き放題言いやがる!
俺だって姉さんに、ちゃんとした夫婦の営みを、してもらって要るのならこんな事はしないと思う?
夫婦になろうと言った瞬間に、今後の家族計画を突き付けられて、俺が勇者になるまでは、夫婦の営みを控えようと、言われたんだぞ!お前達に、そんな事を言われた夫の気持ちが分かるのか?
本当は俺は、声を大にして叫びたいのだが、これ以上姉さんが、機嫌悪くなると困るので控えた。
そして姉さんとレヴィアさん。それに美少女の三人を見てみると、美少女も、姉さんに頭を下げると、こちらに近づいてきて、俺を見下した様な目で睨み!「最低!」と一言言ってこの場を去っていった!
『ガーン!』となる俺!
今度は、レヴィアさんに、助けを求める様な眼差しで━━
「レヴィアしゃん?あにょ……口のにゃかが切れまくって痛くてやれまひぇん。顔もたぶんひゃれあがっていると、おもひます?出来れば回復魔法をしていただければ、たすかりまひゅ……」
俺は、女神さまの様に、お優しいレヴィアさんに、お願いしたのだが!?
「レヴィアちゃん!明日の朝まで、そのバカのキズ治さなくてもいいから!真っ裸が好きみたいだから。朝までそのままで居させよう」
姉さんが、とても恐ろしい事を言い出しました……
俺はどうしたら良いのでしょうか?
最後の頼みは、女神の様なレヴィアさんただ一人!?
俺は恐る恐る、レヴィアさんの顔を見てみたら?
いつものお日様の様な、ニコニコ笑顔ではなく……
そこには、鬼ババの様な形相をしたレヴィアさんがいるだけだった……
「レヴィアさん……?」
俺が声を掛けると?
「分かりました朱華さん!しつけのために、朝まで放置して起きますね!」
うわ〜レヴィアさんまで怒ってる!
先ほども言ったが、何でレヴィアさんまで怒るの?
俺、何かした?レヴィアさんに?
もう訳分からないよ〜?
そんな事を思いながら、痺れる足を我慢しながら、正座を続ける俺なのであった。
◇◇◇◇
「助かりましたのじゃ」
「いえいえ、こちらも大変お世話になりました。それと、昨日は、大変お騒がせをしました……」
俺は村長さんに、滞在期間中のお礼と、昨日の大騒ぎへの謝罪をした。
「いやいや、大丈夫ですじゃ。皆もどうじゃこうじゃと喜んでいたしの。それに冒険者さまの、奥さんは、蹴りとパンチが凄いの、皆感心しておりましたじゃ」
村長さんの話しを聞いて、姉さんは、真っ裸な顔をしながらうつ向いた。
その様子をみていた俺は、思わずニヤニヤしながら見ていたら!
━━「うぐ!」思わず、声が出てしまった俺!?
横に座っていた姉さんが、癇に障ったのか?
━━お腹に肘打ちをしてきたのだ。
「痛いよ姉さん……」
「ふん!」
知らんぷりをする姉さん……マジでひで……
「仲が宜しいくていいですな〜」
「そうですかね……」
苦笑いしながら答える俺に、村長さんが感謝状と証明書を渡してくれた。
「村長さん?一つお訊きしたい事が、あるのですけど宜しいですか?」
「何ですかな?」
「空を飛んでいる、浮遊城を見たことが、有りませんか?」
「飛んでる城ですか?いや……見たことがありませんな?」
「そうですか……」
俺は村長さんに、尋ねてみたのだが、見たことがあると言った良い返事を聞けなかった。
そうか仕方ないな……そんな事を考えながら、俺は村長さんに、お礼を始める━━
「ありがとうございます!」
「有難うございました」
「お世話になりました」
村長さんから二つの書も渡され、旅立つ準備も出来た俺達は、大きな声でお礼を言って席を立ち屋敷を後にした。
村を出ていく最中、村の人達が見送りをしてくれた。
その中には、昨日の美少女も混ざっているのが目に付いた!?
──それに気付いた俺は、美少女に笑顔でウインクしたら!
「ふん!」とソッポを向かれた後に、アカンべ~をされたのだ!
「ガ~ン!」と、ハンマーで殴られたような気分になる俺!割と俺好みだったので、ショックを隠せない……
──『気分はドナドナ……』下を向き歩き出す俺にレビィアさんが「どうかされましたか?」と、声を掛けてくれた。
俺はレビィアさんに「う、うん、何でもないよ」と返事をすると──
「さ~て行こうか」二人に声を掛けて、相変わらず、二つのキャリーケースを「ゴロゴロ」と音を出しながら引きずりながら、冒険者組合のある街を目指して歩き出した。
◇◇◇◇
「賑やかですね」
「そうだね、もうすぐバァレンバァレンの日だからね」
「バァレンバァレンの日?」
「うん。バァレンバァレンの日と言って、女性が好きな男性か、お世話になってる男性に、チョコレートを渡す日なのよ!」
「そうですか……」
「レヴィアちゃんは、したことがないの?」
「はい、したことがありません……」
「今年は、できないかもだけど、来年は旦那さまになる人にあげればいいと思うよ」
「そうですね」
今日は十一日。俺は二人の会話を聞きながら、街の飾り付けを見て確認する。
もうすぐバァレンバァレンの日。
また今年も、世の男どもが、一日中ソワソワ、ドキドキとしてしまう日が来るのかと考えていた?
だいたいバァレンバァレンの日は、どこかの有名な王さまか誰かが、死んだ日らしいのだが?何故か男性がチョコレートを貰う日に変わったらしい。
そして貰える者には良い日だか、貰えない者には一日中地獄の日なのである!
俺なんかも、去年なんかは、チョコレートと欲しさに、用心棒をしていた飲み屋を、何度も厚かましく、貰えるまで回ったものだ!
そんな世の男達が、女性の機嫌取りを、妙にしたくなる日が近くなる今日この頃、俺もこの間の村の件もあるし。機嫌取りをしなくてはいけないと思い。
「姉さん?レヴィアさん?久しぶりの屋根付きだから、今回は良い所に泊まろうか?」
「勿体なくないかい?屋根とお風呂があれば安い所でいいよ?」
「そうですね」
「いいよ、たまには、いざとなれば、俺が、ソロでモンクリを手に入れてくるから。それにこの街でたらまた野宿が続くかもだし?」
「言われてみたらそうだね。じゃ今回は、良い宿泊まってゆっくりとして羽を伸ばそうか?」
「そうですね、そうしましょうか」
良い宿に泊まろうと言って、機嫌を取ってみたら!?
お二人のお姉さま達は、それはもう上機嫌。とても嬉しそうなのだ。
これで少しは、機嫌が良くなったかな?これで何とかチョコレートを貰えるであろうと思いながら?街を見て回りながらの、宿探しを始めた!
良い宿、良い宿。そんな事を考えながら、見て回るのだが、なかなか良い宿が、部屋が空いていないのである。
何で空いていないのだー!バァレンバァレンの日が、近いからかー?もしかしたら良い宿は、バァレンバァレンの日までは、カップル達に占拠されているのかもしれない?
そんな事をばかり考えていたら!?
「ここで良いんじゃない?」
建物を指差しながら、そんな事を姉さんは、言い始めた。
━━指差す建物を見つめ、俺は思わず絶句した……
宿は、宿でも、古びた宿なのだ!
「えぇぇぇぇぇ、マジでここで?」
茫然とする俺に……
「もう歩くのも疲れたからここでいいよ」
そんな事を言い出す姉さんに俺は━━
「でもここ食事無いから、外に食べにいくの面倒くさくない?もう少し探してみようよ?」
ここは嫌だとさりげなく主張する俺!
「あ?みなさんここ釜戸もあるみたいですよ!それに洗濯も出来るし、お風呂もあるみたいですよ!」
あああ……またレヴィアさんが、余計なことを……
バァレンバァレンの日が近いんだよ!
もう少し綺麗なムードのある部屋が良いんじゃか〜
結婚しようかと決めて、初のバァレンバァレンの日だよ!
色々したい事もあるじゃんか〜!?
二人っきりになりたいよ、俺……
そんな事を考えてショボくれる俺に━━
「マジで?ここで良いんじゃたぬき?ここにしょうここに、値段も安いしさー経費節約しないと!」
俺の奥さん。節約とか硬い事を言ってくる……
俺のショボくれている顔を見て、察してくれよ〜〜〜〜〜!
あぁあ………もうどうでもいいや……今更だし……去年も一緒にいたし……(チョコレートを沢山貰って帰って、シバキまわされたけど……)
「じゃここでもいいけど、誰が食事作るの?」
俺が二人に問うと?一斉に俺の顔を見てきた!
「はぁあ……」内心思いながらも!?
「いいよ、俺が作るよ……とりあえずは、部屋に入ろうか!」
「うん」
「は〜い」
二人のニコニコ笑顔を見て、仕方がないと諦めて、宿に入る俺なのであった。
◇◇◇◇
「凄い評価が、つきましたよ、たぬきちゃんさん。これがクリスタルの報酬と村の農産物と生活を守った報酬です。村を守ってもらって有り難う御座います」
「いえいえ、こちらこそ……それではありがとうございます」
俺は受付のお姉さんに、報酬をもらうと席を立ち、その場を離れた。
━━俺は今、冒険者組合に来ている。
先日の二毛作村での、ドロロンポーの討伐駆除の精算をするために俺が、代表できたのだが!(実は夕飯の買い出しをするために、出てきたついでなのだが……)
三人で六〇万ドルカーなのだー!
俺が、思っていた金額よりも報酬が少なく。姉さん達が、決めたお安い宿で良かったと心から思った!
「一人二〇万ドルカーか……まだまだ全然足りないな……」
そんな事を呟きながら色々と考える?
━━勇者になれば小さいながらも、領地が貰えるが、貰える領地は山川野原だけである!
町も村も人もいない状態から領地経営を始めないといけないのだ。
だから姉さんは、無駄遣いをさせないように、したのかもしれない!?
そう考えると奥様感謝しますと、両手突いてお礼を言いたくなるのだが……
……でも……でも…………初めての年は、新婚ぽく楽しみたかった気もするのだが……
でもレヴィアさんもいるし、目の前で、イチャラブするわけにもいかないから、我慢するかと自分に言い聞かせる事にした。
そして辺りをキョロキョロとしてみると?
掲示板に人だかりがあるのが目に付いた?
──なんだろうと人だかりに近づいてみると!?
皆、掲示板に書かれている、バレンバレンの日までの限定クエストに、注目をしているみたいだ!
「どれどれ……ふむふむ……なるほど……そうかそうか」と首をふり関心する俺!
そして掲示板に記載している内容は、こうなのである?
バレンバレンの日が近い。そしてこの街の周辺には、高級食材モンスターであるカカオダヨーの生息地域みたいである。
通常一万五千ドルカーのところ、今回は倍の三万ドルカーなのである!
俺は思わず「おおお……」と声が出てしまうほど興奮した。
これはこれは季節限定イベント!臨時収入も入ってくる!
明日からやらねばと気合を入れ、買い物した夕飯の材料を慌てて持ち上げる。
「よ~し!早く宿に戻って、明日の準備をするか!」
そんな事を考えながら俺は、冒険者組合を後にした。
「ただいまー」
「お帰り」
「お帰りなさい」
「夕飯の材料買ってきたよ。それと精算してきたから、全部で六〇万ドルカーだったから、一人二〇万ドルカーづつね」
俺は姉さんとレヴィアさんに、お金を渡すと台所異動して、食事とお風呂の準備を始めた。
ここのお風呂は、釜戸の横にあるので、料理を準備しながら出来るので、楽なのはいいが、俺と姉さんの、二人なら問題はないが、レヴィアさんは俺がいると、御風呂に入りずらいだろうなと?そんな事を思いながら両方に火を入れる。
さてさてどうしたものか、とりあえずは、その時だけは、外に出ていよう。
そんな事を考えながら、何種類かの野菜を適当に、ザクザクと適当に切っていく。
野菜を切り終わると、次はさ〜て、さてさて、何を切るかな?
……残った食材を見渡すと?いたいたいたたた、君に決めた!
今度は、キノコを切りまくり!シュシュシュ……
キノコ達を切り終わると、最後はお魚さんとお肉さん!
そ〜ら!ドンドンドンドンドンドンドン。リズムに合わせて切りまくる。
後は大きな鍋に入れて、煮込むだけ!
ふんふんふん。ふんふんふん。リズム良くたまには鍋をかき混ぜましょう!
混ぜ終えると今度は何をするかな?
あぁあ、そうだった!お風呂の湯加減は、どうかな?
………うひょ〜まだ冷たい!
冷たいなら薪をくべよう!そ〜ら!そら!そら!
こんな感じで俺は、機嫌良く、鼻歌とリズムの良い動作で、夕飯の支度とお風呂の準備を交互に行っている!
「たぬきさん機嫌が宜しいですね?」
「うん、そうなんだよ」
「何かあった?たぬき?」
二人は、余りにも機嫌が良い俺の事が、不思議に思い、何かあったのかと尋ねてきた?
俺は先程、冒険者組合で見た、季節限定クエストの事を二人に説明した!
「さっき冒険者組合にいった時に、掲示板見たら、バァレンバァレンの日までの、限定クエストが貼り出されていたの。ココアダヨー狩るクエストなんだけど、やってもいいかな?バァレンバァレンの日まで、ここに滞在になるんだけど、宿代は俺が、みるから駄目かな?」
「別にいいよ。ここは大きな街だから、私もゆっくりと見物して回りたいからいいよ」
「私も別にかまいませんよ」
二人から心地よいい返事を貰った俺は、お礼を返す。
「本当にありがとう!」
これでバァレンバァレンの日まで、心置無くゆっくりと、クエストが出来る。
「よ〜し頑張って荒稼ぎをするぞ!」
俺は両手でガッツポーズを取り、明日から頑張るぞと、自分自身に気合いを入れた!
「たぬき。それ煮えすぎなんじゃない?」
姉さんに言われて、慌てて鍋を確認すると『グッグッ』と、鍋が、音を立てている!
ヤバいヤバいと蓋を開け、底が焦げない様にとかき混ぜる。
「ふう……」何とか焦げずに大丈夫!あぁあ!良かった良かった!
そして最後は、味見をして「うん!うまい!」たぬきちゃん特製スープ鍋の出来上がり!
「まだお風呂が沸きそうにないから、先に食事にしょうか?」
「うん」
「はい」
俺は、二人の返事を確認しながら、鍋や食器等をテーブルへと順番ずつ運ぶと、なかなか来ない二人を優しく呼んだ。
「姉さん達、早くおいでー!」
「「は〜い」」
四人用の小さなテーブルを俺の向かいに、姉さんとレヴィアさんとが二人仲良く座る。
旅に出てからこのポジションで座る事が多い。
姉さんは、レヴィアさんに気を使っているのかな?
旅に出てから、このポジションで座る事が多い。
「「「いただきま〜す」」」
食事が始まると、今日の何気ない日常生活の、出来事の会話が始まる。
俺は、二人の話を「うんうん」と頷きながら聞く。
「それにしてもいつも思うんですけどたぬきさんは、お料理上手ですね!」
「え!そうかな?」
「はい。いつ食べても美味しいですよ!」
俺の料理が美味しいと、褒めてくれるレヴィアさん。
俺は男なので、嬉しい反面、恥ずかしい気持ちもある!?
なんともいえない気持ちになってしまう!?(う〜ん複雑だ……)
「ま!うちに来たときから、家事はみなたぬきがしてたから上手だよ。だからいい主夫になれるよ、私が保証してあげる!」
「うんうん」と頷くレヴィアさん。
何でそこで頷くかな〜!?
俺は男なんだけど〜!
それに主夫か?悩む所なんだけど?
━━でもま!姉さんが良いと言って、喜んでくれるならそれでいいや〜
奥さんの手伝いを、進んで行う事は悪い事ではないとは思うし、どちらかといえば手伝いをしたい方なので良しとしよう!
俺はそんな事ばかり考えていた。
「たぬき?先日二毛作村の村長さんに、浮遊城の事を聞いていたけど、また魔王と戦うつもり?」
「いいや、もう戦わないよ。」
「じゃなぜ?浮遊城?」
「言ってなかったけ?」
「うん?なに?」
「俺が結婚を申し込んだのは魔王だよ!」
「えぇぇぇ、マジで?そうなの?」
「うんだ!」
「魔王って女だったんだ?知らなかった?ね、レヴィアちゃん。レヴィアちゃんも知らなかったでしょ?」
「え?あ、はい!初めて知りました……」
ビックリしている姉さん!
逆にレヴィアさんは、余りビックリしていない模様だ!?
知っていたのかな?
それとも余り興味がないのかも知れない!?
「それで返事は聞いてないんでしょ、魔王から?」
「うん。聞いてない」
「う〜ん。どうなの?いい返事もらえそうなの?」
「いや〜どうだろうね?あれだけしばかれたんだから、駄目かも?」
「そうなんだ?」
「うん。ただね、初めて会った頃の姉さんに、雰囲気が似てたかな?なんか寂しそうと言うかさ、一人であの城にいるのかな?なんか見てて俺が一緒にいてやりたいとか、抱き締めてやりたいとか、どう言ったら言いかな?気が多いと思われるかもだけど、とにかく惚れた!」
「ふ〜ん。城に一人か……部下はいなかったの?」
「うん。いなかったよ」
「そうか……やっぱり居なかったのか……」
「うん、姉さん?何か知ってるの?」
「え、私?何も知らないよ……」
「ふ〜ん……」
どうしたんだろう姉さん?何か知っている様な気もするのだが?
それと俺が竜宮城に行った時は、彼女以外は、誰も居なかったのだ。
部下達から攻撃を受けるのを覚悟して、城に入ったのだが、何の抵抗もなく、魔王の間まで行けたのだ。
そして彼女と会って顔を見た。最初のイメージは、美しいけど影があり、寂しそう。
「ほっといてくれ、大きなお世話だ」と、言われるかも知れないが、俺が家族になり、今この現状の様な、和気あいあいとした生活を送り。彼女の本当の笑顔が見てみたいのだ。
だから、駄目かも知れないが、もう一度彼女にちゃんと会って、返事を聞きたいと思っているのだ。
「たぬきさん?魔王さんに対する気持ち。それって愛情ではなくて、同情なのでは?」
魔王の事を考えていると、レヴィアさんが、魔王に対する気持ちは、愛情ではなくて同情なのではと、問いかけてきた。
そうなのか?俺の魔王に対する気持ちは、同情なのか?
ならば姉さんに対する気持ちも、同情なのだろうか?
色々と考える?考えるが、やはり違う!姉さんや魔王に対する気持ちは、同情なのではない!愛情だ!
「違うよ、レヴィアさん。同情などではないよ!俺の姉さんと魔王に対する気持ちは、同情なのではないよ。愛情だよ!自信を持って言えるよ!」
「じゃ自信とは何ですか?」
「ん!自信。それは、俺がMだかだよ!」
「M?何ですか、それは?」
「Mとは、マゾの事だよ。俺は強い女がすきなんだよ!俺、姉さんにも魔王にもさんざんしばかれたから!」
その話を聞いてレヴィアさんは「はぁ?」と、言った顔をした後に、急に「くすくす」と笑いだした。
姉さんを見てみると、顔が真っ赤になっている。
そんな様子を見ながら、俺も笑いだした。
そして俺は、この家族団らんの生活が、いつまでも続けば良いと思うのであった。
バァレンバァレンの日まで、後三日
◇◇◇◇
「ふう……あまり狩れないな……」
朝から街を出て、近くの森を探索して、ココアダヨーを見つけては狩るのだが、中々効率が上がらない。
特に俺の妄想力が、発動しないのがしんどい。
朝から狩って、まだ十匹程度しか狩れていないのだ!
「そろそろ戻らないといけないな〜。あまり遅くなると、姉さん達が心配するだろうし……」
後二日しか、日にちも残っていないから。気持ち的にも焦ってくる。
どうしたものかな……モンスターの落としたコアの精算と、夕飯の買い物等を終えた俺は、宿に帰りながら。何か良い手立て無いかと考えるのだが……?
「ただいま〜」
「おかえり……」
「お帰りなさい」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!何してるの、二人とも?」
「え?」
「なに?」
宿のドアを開けると、真っ裸の姉さんに、上は裸、今ちょうどパンティを脱いでる最中のレヴィアさん。いくら俺が居ないからって、無防備過ぎだろ……
それに結婚前だろレヴィアさんは、旦那様になる人に知られたら泣くぞ!?……俺なら絶対に泣く!
それにその格好は、見ていて、俺の方が恥ずかしくなるよ……
「何って姉さん……いや、男の俺が帰ってくるんだから。服ぐらい来ていた方が、宜しくないですかお二人様は?……ま、姉さんは俺だから良いとして、レヴィアさんは、俺に見られの嫌じゃないかな?」
「別に今更、かまいませんよ。もう何度も見られてますし。下着も洗って貰ってますから」
「はぁ……」思わず溜め息が出てしまう。
姉さんは、真っ裸のまま布で髪を乾かしているし、レヴィアさんは、そのまま気にもしていない素振りで、お風呂に入るし……
俺って、全く持って男あっかいを、されていないよ……
……ま、気にしてもしょうがない。時間が勿体ないので、夕飯の準備に取りかかった。
隣からは、レヴィアさんの鼻歌が聞こえてくる。
お風呂が気持ち良いのか、機嫌が良さそうだ!?
「はぁ……」ココアダヨーを思っていたより数を狩れない……
何か良い手は無いかと考えるが、なかなか良い手が、思い付かない……?
夕飯の支度もおぼっかない始末。
「いた!」
考え事で注意散漫。気が付けば包丁で、手が切れた!
思わず、口に指を突っ込み止血を試みる。
「あれ?包丁で指を切られました?ちょっと指を貸してみてください」
レヴィアさんが、隣のお風呂から手を伸ばしてきた。
「あああ、ごめんね……」
俺はレヴィアさんに、切れた指を差し出した!
「どうしたんですか?さきほどから浮かない顔をしてますけど?何か悩みか、考え事でも?」
レヴィアさん。俺の切り口に、回復魔法をしながら、問い掛けてきた。
「うん。ちょっとね……」
言葉を返す俺なのだが、まともにレヴィアさんが、見れないのだ。
……目のやり場に困る俺。……正面には、レヴィアさんの大きなオッパイが、ドーンとあるのだ。
そのレヴィアさんオッパイと、姉さんのオッパイ。どっちが大きいのだろうか?思わず計ってみたくなる。
それにこの回復魔。何処かで、掛けて貰った気がするのだが?
何処だろ?なかなか思い出さない!?
暖かくて、そして優しい魔力……なんか懐かしさを感じる。
「治りましたよ」
レヴィアさんの声で我に帰る。
「ありがとう。助かったよ」
「いえいえ」
その言葉発すると、またレヴィアさんは、お風呂に入った。
「湯が冷たくないかい?もし冷たいなら言って沸かすから?」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「うい、うい」
そう言うと俺は、又夕飯作りを始めた。
なんかレヴィアさんに、回復魔法を掛けてもらったら元気になった。
オッパイを間近で見たのも、かなり良かった気もする。
心から有り難うと言いたい!
「家族っていいな〜」と、俺は心から思いながら。
レヴィアさんに、裸体感謝!
感謝!感謝!と思う俺なのであった。
バァレンバァレンの日まで、後二日!
◇◇◇◇
「よ〜し今日は、頑張るぞ!バァレンバァレンの日も、後一日!」
俺は右手に、愛刀お月見団子を握り。左手には、メデューサの盾を構え。いざ出陣ー!━━森の中へとは入っていった!
浅瀬だと、どうしても人多く、やたらと他の人達とカカオダヨーが被り、モンスターの取りやいこなってしまう。
だから俺は、それが嫌で、森の木や草をかき分けながら、奥へ奥へと進んだ。
「ふ〜疲れた……」
奥へ進むと広い場所に出た。昨日から見つけていた場所なのだ。
さてさて、引いてきたカカオダヨーを、何処に集めようかと場所を探して回る?……何処か良いとこは、な・い・か・な……
「キョロキョロ」あちらこちらを見て回る?
だが俺の背中を、預けても良い場所が、なかなかない?
特に今日は、妄想力を発動出来そうな、気がするのだ?
だから発動出来れば、範囲狩りをしょうと思うのだ!
━━昨日間近で見させていただいた、女神さまの裸体と、ドガーンと大きなオッパイ様を、拝ませて頂きました。(ま、度々見ているので、見慣れてはいるのだが…)
だから今日は、妄想出来そうな気がする。レヴィアさん有り難う。感謝!感謝!
後は場所を決めるだけなのだ。
ぐるぐると走り回っていると、良さそうな場所を見つけた!?
ここなら俺の背中を預けても、良さそうだ。
壁に背中を当ててみる。
………なかなか良さそう。背中に伝わる感触が、グッドだと思う。
そしてここならば、カカオダヨーに、壁ドンされても良い気がする。
よ〜し!では、探索カカオダヨーに、ガンヘイトをしてリンクして集めるぞ!
『スタコラサッサ』と、森の中を走りながら探索して見て回る。
━━何処かにいないかな?
『キョロキョロ』と、辺りを確認しながら走りまわる!?
「おぉぉ、いたいた!」
慌てて近寄りガンヘイトを飛ばす!
「うひょひょひょ!」思わず、カカオダヨーが釣れたので、興奮してしまう。
「よ〜し。次だ!」
━━またまた探索!
『走れ、走れ、スタコラサッサー』
「おぉぉぉぉ!今度は沢山いるぞ!」
神速使かって近寄り。ガンヘイト!
「そ〜ら、そらそら!」
お次のやつは、お月見団子で順序づつ叩きまわす!
「うひょうひょ、うひょひょ」
さらに、興奮度がましてくる!
なんとも楽しい限りだ。
特に俺は、このスリル感が楽しくて、盾をやっていると言っても過言ではないのだ。
ほんと根っからのドMの俺。だからサドの姉さんと魔王に惚れたのだ。
「━━うお〜!うお〜うおうお!姉さんと魔王愛してるよ〜!」
俺は、一人で遠吠えを吐きながら、次から次へと、カカオダヨーリンクしてまわる。
将来のより良い家族計画の為に、俺は頑張るよ〜朱華。それと………魔王の名前、何だろうか……?
…………分からないから魔王でいいや!
頑張れ、頑張れ、俺………後ろを振り向くと、かなりの数のカカオダヨーが、リンクして後ろに付いて来ている!
……何れぐらいいるのだろか?……数えようと試してみるが?
ムリぽー!数える余裕がない……マジやべ。マジやべ……とにかく、あまり引き離さない様に、絶妙なタイミングで、先ほどの処理位置まで戻る。
「ハァハァハァハァハァ……」
戻るのにまだか、まだかと、思うほど距離が長く感じる!?
…………やっとこさ、処理位置が、見えた!
「よ〜し、ここだ!妄想力発動〜!」
脳の中で昨日、目でガン見して脳内に保存した、姉さんの裸体。レヴィアさんの大きなオッパイと裸体を思い出す。
「う〜ん。してみたい……」
思わずこの言葉が、脳内を駆け巡る!
「おぉぉぉぉぉぉぉ、きたきた!妄想力、ぜんかい〜!」
お月見団子の剣先が、真っ赤に燃えて伸びるー!
そして防具も金色に輝きだした。
有り難う、姉さん。レヴィアさん。俺は家族愛に感謝する!
━━壁に着くと背を当てて、固定する。背中を取られないようにするためだ。
「よ〜し。来るならこい!」
気合いを入れて、カカオダヨーを見てみると、鬼の様な形相でこちらに突進してくる!
これはこれで、かなりスリルがあるな!ふと、そんな事を考える?
そして目の前まで迫り来る。カカオダヨー!
「来るならこい!」
盾を構え!お月見団子を強く握る!
「ソ〜ラ!ソラソラ!神風斬刃切〜!」
俺が剣を振るう度に、カカオダヨーコアがポロポロと落ちていく。
何十体、切り刻んだのか、全く持って検討が付かない?
まだ終わらないのか?まだ終わらないのか?心の中で焦りが沸いてくる。
………同じ同左の繰り返し。だんだんと、意識的がもうろうとしてくる。
後少し、後少し、後少しだー!終わったー!
……ふと、意識を戻し、終わったー!
……何故かそう思ってしまった!?
……………良く見るとまだ、残っているのだ!
意識がもうろうとしていて、終わったと思ったみたいだ。
剣と防具を見ても、元に戻っている!
「マジ、ヤバイな……」
妄想力をもう一度!試してみるのだが、カカオダヨーが襲って来るので、慌てて集中できない。
取り敢えずは、逃げながら処理するか!
残りのカカオダヨーを、棄ててくる事を試してみる。
軽く走りながら。前後ろと確認しながら走る。
何とか後ろを見ると、皆、付いてきている模様!?
よ〜し!ここから神速だー!
一気に加速を付ける!
━━そのまま、壁の位置まで戻る。
「ふう……終ったか……」
その場で転がり大の字になる。
少し休んで、起き上がるとコアを拾い集める。
かなりの数のコアだ、おおまかだが、百個地核あると思う?
俺は、一騎当千だと思っていたけど、まだまだみたいだ。
体のあちらこちらが、痛い……
お月見団子を杖がわりにして、何とか感とか宿に戻る。
ドアを開け「ただいま」を言うと、安心したのか、その場に倒れこんだ……
明日はバァレンバァレンの日だ………
◇◇◇◇
「う〜ん」
ん、何だ?この色っぽい声。そして、この柔らかい二つの感触は?……姉さん?
………いや、感触と声が違う気も……?え、もしかしてレヴィアさん?
「プニョプニョ、ポヨン!」
もろ頬に伝わるオッパイの柔らかい感触。
………どうも俺は、レヴィアさんのオッパイの谷間に顔を埋めて、寝ていたらしい?
両頬に伝わる柔らかいオッパイの感触。それと俺の鼻腔をくすぐる甘い香りが、俺の脳内を刺激する。
「プニョプニョ、ポヨン!」
う〜ん。駄目だ。顔をさらに埋め、両頬で、オッパイの感触を味わいながら甘える。
「う〜ん。ん……」
寝ているレヴィアさんから、甘い声と吐息が漏れてくる。
俺の脳内は、爆発した。もう駄目だ、我慢できない。
俺の理性は、飛んだ!
今から俺は、獣の雄になる。目の前にいる雌は、俺のものだ。婚約者が居ようが、もう誰にも渡さん!この体は俺のものだ。
「グルルル、ガオ〜!」いただきます!
「パチ!」
「………え!」
レヴィアさんの目が開いた!
ヤバイ!どうしょう!?
いつから起きて、いたのであろうか、レヴィアさんは?目を『パチパチ』しながら俺の方見ている。
……困ったな、どう対処しようか?レヴィアさんのオッパイに顔埋めて甘えたり。悪戯したのがバレてるかな?でも今さら後悔などしてもしょうがない。後戻りはしない。覚悟は決めた!
そして男らしく、ちゃんと謝罪しょう。俺は男としてちゃんと責任はとるし、罰も受ける覚悟もある。
━━俺はレヴィアさんに、謝罪をしょうと、口を開こうとすると、彼女は自分の唇に指を当てて「し〜!」と、言ったゼスチャーをしてきた!?
俺は「え!」と、思い。声を出さずに口を閉じると、彼女は俺の唇に唇を重ねてきた。
思わず、ビックリして目を『パチパチ』とする俺だが、次第に目を閉じて、彼女の唇と匂いを堪能する。
「…………」
何れぐらい時間が経ち、彼女の唇を堪能したのだろうか?
俺は唇を離し目を開ける。
すると彼女も目を開けて、俺を見つめてきた。
見つめ合う二人……
俺の中の雄としての本能が、とっさに彼女に逃げられないようにと強く抱き締めてしまった。
そして慌てて、再度唇を重ね、俺の方へと強引に抱き寄せる。
すると彼女は、何かを察したのか、腕に力を入れて、離れようとするのだが、獣化した俺は、自分の物にするために、そう簡単には、彼女を離さない。
「…………」
少しの間、離れようと力を入れて、試してみる彼女だが、無駄だと分かると、重ねた唇を離し、俺に寄り添ってきた。
甘えてくる彼女を俺は、自分の物にするための行為に走り出す━━
「う〜ん。たぬき…………」
「「…………(笑)」」
姉さんが、寝言を言いながら、後から俺に抱き付いてきたのだ。
━━その寝言をを聞いた、俺達二人は、拍子抜けしてしまい。顔を見渡して、お互い笑いだした。
「おはよう」
「おはようございます」
お互い起きてから、時間の方は経っているのだが、先ほどまで無我夢中だったので、今やっと朝の挨拶を交わしたのだ。
「ふう……仕方がないか……」
レヴィアさんの裸体を眺めていると、未練ばかりが残る……
「後もう少しだったのに……くそー悔しいな……」
そんな事を考えながら?彼女は、もう俺の物であり嫁だ!
だから再度自分の物になっていると、彼女に自己主張したいので、俺は自分の方に寄せると、何度もあちらこちらに、気が済むまで、キスをしてやった!
「赤ちゃん出来たらどうするんですか?私も置いて行くつもりですか?」
「え!」
「嫌ですよ、置いていかれるのは……これから先は、旅が終わるまでお預けですよ……二度目なので責任はとってくださいね……」
俺はレヴィアさんに、耳元で囁かれた!
俺は慌ててキスを止めて、彼女を見ると、頬をほんのり赤く染めながら、恥ずかしそうにしている。
「え、マジ?オッケーなの?」そんな事を思いながら俺は、思わず拍子抜けしてしまう。こんなにもあっさりと、デレてくれるとは、思わなかったのだ。
……でも子作りの家族計画は、姉さんと一緒で、旅が終わった後らしい。なんか俺、とほほほほほ………
それと二度目とは何?
俺前にも、何かした記憶が無いのだが?
夢遊病でもあるのかな?
………ま、レヴィアが、俺の物になったから、それでいいか?
それに今日は、バァレンバァレンの当日だ、何かさいさきいい気がする。
よ〜し、今日も頑張るぞ、家族の為に!
今日はバァレンバァレンの日。クエスト最終日!
◇◇◇◇
俺は姉さん達から借りた、御守り持ち!?
昨日より更に奥の狩場へと進んだ━━
新しく家族になってくれると、朝方レヴィアさんに、言って貰って断然張り切ている俺なのだ。
姉さん。レヴィアさん。それと良い返事を貰えれば、魔王とで、美人の嫁さんトリオだー!凄く嬉しくて幸せだー!どうだ良いだろう!(夜の夫婦生活は、二人とも旅が終わる迄お預けだが……)
ましてや今日は、バァレンバァレンの日だ。更に喜びも湧いてくる。チョコレートを貰うより嬉しいのだ!(もう少しでレヴィアさんも食べれたのだが……食べたかったな……)
そんな感じで家族が増える俺なのだから、将来の事を考えると、もっともっと、稼がないといけない訳で、奥に行けば更に、カカオダヨーが、沢山いるとの情報も聞いていたので、更に奥へと進んだ。
特に、何処の狩場もそうなのだが、基本、浅瀬より中層。中層よりは、最奥の方が数も多く、レアモンスターがいることが多いい!
だから家族の為に、頑張らないといけない俺は、奥へ奥へと進む事に決めたのだ!
更に今日は、昨日の反省も含めて、必殺のレアアイテムを御守りがわりに持ってきた。
特に昨日は、ソロ範囲狩りをしている最中に、俺の妄想力が切れて、最後は狩りきれずに、最後はモンスターを散らす為に、逃げ回らなければいけな事態におちたのだ。
だから今日は、そうならないためにも、超レアアイテムを二人に頭を下げて、なんとかお借りしてきたのだ!?
━━その借りてきたレアアイテムとは、なんとパンティなのである。
昨日の反省を色々と考え?切れたのなら受電すれば良いのでは?と、いったノリで考えて、最初は言い出すのに、恥ずかしくて、言えばしばかれるのでは?と色々考えたのだか、勇気を持って姉さんに言った!
最初は「あんたね〜!」と、怒鳴ってきた姉さんだが、俺が真剣な顔で、二人に妄想力の説明を始めると「う〜ん……」と、考えこみだしたのだ?
そして最後は俺が「朱華、俺が死んでもいいのか?奥さんなら、旦那の無事を祈って御守りがわりで、渡してやっても、いいのではないか?」そう言って強く言ってやったら。
「いやー!一人にしないで……」
涙を潤ませながら、そう言って履いていたパンティを脱いで渡してくれた。
(本気で俺が言えば、朱華もチョロいもんよ!)
そしてレヴィアの方は、朱華に遠慮しながら、そ〜っと渡してくれたのだ。
(二人のパンティは、両方とも生温かった!)
だから二つのレアアイテムを持参している俺は、今日は無敵だー!それに朝、沢山レヴィアの裸体を見て、触った俺は、すでに、爆発寸前の妄想力も貯えている。だから今日こそは、一騎当千にチャレンジするぞー!
━━勇んで先へ先へと進む俺!「さあ〜こい!」気合いを入れ、奥へ奥へと向かいながら、カカオダヨーの探索に入る!?
「おぉぉぉ!いたいた」
前を見てみると、大量のカカオダヨーが、隣接しているのが、目に付いた!
━━これなら一匹叩けば、大量にリンクしてくるに違いない!?
「よ〜し!」スピードを上げて、自分に一番近い所にいる、カカオダヨーをお月見団子で叩いた!
すると、付いてくるは、付いてくる!
━━大量のカカオダヨーが、リンクして付いてきた。
まだまだこれから、もっともっと、集めるぞー!
カカオダヨー引きながら、一定の距離を保ちつつ、見かければカカオダヨーを叩いて回る。
本当なら、ガンヘイトを掛けて、ヘイト値が下がらない様にしたいのだが、数が多いいので、止まって掛ける余裕がないのだ。
「ホッホッホ!」『━━ドーン!』
「ホッホッホ!」『━━ドーン!』
何度も何度も繰り返し、カカオダヨーを集めて回った!
そろそろ、良いかな?カカオダヨーも千匹近くになったはず?
これを処理できれば、この町のイベントの優勝者だとは思う!?
家族の為に頑張らねば!二人の顔を思い出すと、気合いが入るのだ!
特に俺の奥さん二人は、美人でスタイルも良いので、できるだけ良いものを着させて、飾りたいのだ。俺の見栄で!
だから俺は、頑張る。これを皆処理して、一攫千金を狙うのだ!
「よ〜し!今度は受け場所を探すぞ?」
『キョロキョロ』良い場所は、無いかな?
俺は、目だけを動かしながら、辺りを確認する?
取り敢えずは、浅瀬に向かいながら探し。カカオダヨーがいればついでに、リンクをするの繰り返しで戻っている。
もし処理に失敗すれば、あの世だろうな〜!?と考えてしまうのだが、このギリギリのスリルが、Mの俺には、ヨダレが出そうなほどにたまらないのだ!
「お!」
良い所を発見!
「君に決めた〜!」
崖の壁を背もたれに決めて、盾を構え剣を掲げる!
「おぉぉぉぉぉぉぉ、朱華!レヴィア!愛してるよー!」
大きな声で叫びー!
━━朝のレヴィアのオッパイに頬擦りしたり。パフパフしたことを思い出し、妄想力を一気に解放する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
昨日の比ではないパワーがみなぎってくる!
俺の全身は、金色に輝き。お月見団子も凄い勢いで伸びた!(次いでに俺のジュニアも伸びてしまった……ご無沙汰だもんな……とほほほほ……)
━━大量のカカオダヨーが、お月見団子の、刃の射程内に入るのが確認出来た!
「いけぇぇぇぇぇぇ!神風団子串ー!」
俺の目の前で、カカオダヨーのコアが勢い良く、ボトボトと音をたてて落ち、小山を形成する!
「よ〜し、今日は、難なく処理できそうだ!」
これもひとえにレヴィアのお陰であり。愛を再認識する。
そしてレヴィアとのあんなことや、こんなことを再度妄想して、ニヤケながらエネルギーを受電する!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
また更に俺の両剣が、伸びたー!
凄い凄いいぞ俺、昨日より魔力が上がったのかも知れない!?
俺とレヴィアは、相性が良いのかも?
特に昨日の俺は、部屋に帰るなり、魔力低下で、いきなりぶっ倒れ意識不明だったらしいのだ?
俺が生死の境にいた所をレヴィアに、魔力を注入してもらって、一命を取り留めたのだと聞いたのだ。
だからレヴィアは、命の恩人でもあるのだ。
そんな大恩あるレヴィアを、俺は目覚めるなり、欲望のままに、オッパイをパフパフとか、触りまくったり、チュウチュウしたりと、色々な事をしてしまった━━
なんとも鬼畜な男なのである。
━━そんな鬼畜な俺をレヴィアは、大変心配してくれて、尚且つ優しく包んでもくれたのだ。(何ていい女なんだー!)
そして朱華の方は、起きてからは、とにかくベタベタと甘えてくる。まさに猫そのものなのである。
出かける寸前には「もう無理をしないで」と、泣きそうになる始末なのだ!
━━そんな二人の表情を見ていると、後ろ髪を引かれる思いになるが、俺は将来の家族計画の為にと、振り切って出てきたのだー!
だから俺は、二人の、美人奥さんの為にも、ここでぶっ倒れて、死ぬ訳にはいかないのだー!
━━よ〜し、俺は頑張るぞー!
「うぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
更に気合いをいれまくる!
『突き切、突き切、突き切……』
俺は何度も、何度も繰り返し行った。
「今日はいける。今日はいけるぞー!」
更にスピード上げて、テンポを早める。
「よ〜し!」更に妄想力を上げる為のアイテムを、ポケットから二つ取り出すと、片手で何とか頭からかぶった!
「変身、トォォォォォォォォォォォォォォォォォォォー!」
思わず出てしまったこの言葉。変態仮面参上!
そしてかぶり物から漂う彼女達匂い。それを堪能しながら更に朱華とレヴィアの、あんなことやこんなことを、妄想して、パワーを蓄えるのだ!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、朱華とレヴィアの透け透けパンティ。バリ効くわ〜!」
もうはち切れんばかりの妄想力。これぞまさしく愛の力だ!
俺のお月見団子にジュニアも、前へ前へと破竹の勢いで伸びていく!
そして何故だかは、分からないが?メデューサの盾までも輝きだした!?
なんだなんだ、盾、迄もが光輝きだしたぞ!?
「こんにちは、お久しぶりです、御主人!」(ん?あれ……何処からか、声が聞こえた気が……)
『キョロキョロ』辺りを見渡してみるが、カカオダヨーが迫り来るだけで、人影などないのだが?
「おかしいな?気のせいかな……?」
そんな事を呟きなが、気を取り直してカカオダヨーの処理に再度集中する!
「な、な、な、何ですかこのモンスターの数はー?何をしているのですか御主人?頭、可笑しくなりましたか?」
「え?ちょっと待って?……誰かいるのー?誰かいるなら返事をしてくれるかな?もしもいるなら、今ソロ範囲狩りをしている最中だから、危ないからここから離れてくれるかな?」
俺は大きな声で、危険だと叫びながら、また辺りを確認し始めたのだが、人の気配は無いのである!?
「おかしいな……?お〜い?お〜い?誰かいるの?」
声がしたのに人がいない?
……俺は声の主を探すのに気を取られ、だんだんと集中力が切れてきだした。
「……おかしいな?やはり人影など無い……?」
そんな事を考えながら正面を向くと━━処理出来ていないカカオダヨーが、目の前迄迫り来ていた!
危ない!俺は、そう思うと咄嗟に、盾を顔のガードに回した!
「キャー!御主人何をするのですか……!私の顔が!……石化ディフェンス発動━━!」
リズムが崩れ、処理が出来ずに、残りのカカオダヨーが、俺に群がってきた━━
………俺死んだな……二人の奥さん達ごめんね……レヴィアとは、夫婦の関係になっていなかったので、後悔だけが残る……子供も欲しかったな……やっと家族ができたのに……薄れる意識の中で、色々な後悔だけがのこるのだが………
「━━何を訳分からない事を考えているのですか?早く処理をお願いします!」
「………え?あれ?俺生きてるね……?」
カカオダヨーが俺に群がって、叩いたり、噛み付いたりと集団暴行を加えて来ているのだが、全くきかない。
━━何故だろう?先ほど石化ディフェンスと言った声がしたのだが、誰かが俺に魔法を掛けてくれた?
…………『キョロキョロ』やはり誰もいない?
「……おかしいな?」
「可笑しいのは貴方様です、私は、盾の中にいるメデューサです!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……盾がしゃべった!」
俺は盾がしゃべったので、思わず大声を出してビックリしてしまった!
何でこの盾喋るのよ?俺はそんな事を考えていた!?
「喋るも何もいっも喋っていたではないですか?可笑しな事を言われますね……そんな事はいいですから、お月見団子で処理してください!」
「え!………はい!」
俺は盾に言われるがままに、カカオダヨー処理しまくった!
「スネーク・ニードル」
盾から声がすると━━光の針が飛んで行くのが確認できた!
すかさず俺も、その光の針に合わせてお月見団子を振り回した!
だんだんと、リズムが戻ってくるのが、自分自身の中でも分かる!
助かった……体が硬くなって要るのと、光の針の攻撃のお陰で、俺自身も余裕が出来、難なく処理できる様になった。
━━『バタバタ』と落ちていくコア!━━辺り一面がカカオダヨーのコアだらけになった。
「ふう……」
処理が終わり立ち尽くす………
「解除!」
盾から声がすると、体の力が抜けた感じになり、その場にへたりこんだ。
「終わりましたね」
「あぁあ……ありがとう。助かったよ……」
「いえいえどういたしまして」
盾にお礼を言って表面をこちらに向ける。
「あれ?御主人若くなられました?」
「ん?俺?」
「はい?そうですけど?」
「俺は前からこうだけど?……それに君と話をするのは、初めてだけど……?」
「あれ……?御主人ではない?あれあれあれあれ……御主人が変わった?もしかしたら私は売られた……?」
「どうなんだろうね?俺も君を他の人から譲り受けたから、よくは知らないんだよ?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!あの変態ジジイ私を売ったのですか?くそったれめー!今度見かけたら絶対に石にしてやる!」
最初は俺を、前の持ち主だと勘違いしていた盾の女性は、今度は自分は売られたのだ言い出し、怒りだしたのだ。
━━そしてそんな彼女に俺は、誰なのかと尋ねてみた?
「あはははははそうなんだ大変だね……それはそうと、盾の中にいる君は誰?」
「あ、誠に申し訳御座いません。新しい御主人。私はメデューサといい、この盾の中に、封印されている者で御座います」
「そうなんだ。先ほどは助かったよ。ありがとう」
俺は盾の女性に再度お礼を言った。それにしても可笑しな物である、何せ盾が喋るのだから!?
━━顔だけ見ると、とても綺麗な女性なのだが、髪が所々ヘビなのである。名前をメデューサと言っていたが、そう言えば、朱華がメデューサの盾と言っていたのを思いだした。
「あの〜?新しい御主人?」
「うん、何?」
「前の御主人も大変エッチな方でしたけど、御主人もかなりの変態で御座いますね……大変失礼だとは思いますけど、他所で恥をかくよりかは、宜しいと思いますので、言いますね……頭にかぶっていらしゃる女性者の下着は、脱いだ方が宜しいかと……」
俺は盾の女性に、変態じみた行為をやめるようにと注意を受けた━━
「あ!ごめんね……これ奥さん達のなんだ、借り物なんだよ、盗んだわけでは無いから……ほんとうだよ、信じてね……」
かぶり物のパンティ二枚を、慌てて脱ぎながら俺は、顔を真っ赤にしながら言い訳を始めた。
「そうですか……奥様も大変ですね……御主人がこんなにも変態だと……私なら嫌ですね、こんな変態は……」
二度も変態扱いを受けた俺。なんだか可哀想……
いいじゃないかー!その家その家、色々と事情もあるわけだし、そんなにバカにしたような、ジト目で見なくても……
あんまりバカにすると、本当に泣くぞ━━俺は!
そんな事を思いながら俺は、慌てて二枚のパンティを、ポケットにしまう。情けない男なのでした……