表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode2:フォーリンカオスラブ
285/318

恋も病も患うモノ3


「須磨先生!」


 古書館に一人の生徒が現われた。


 六菱七糸。


 黒いポニーテールと白い双眸が特徴の美少女だ。


「何か?」


「今日はケイオスさんは休みです」


「だね」


「イチャイチャしましょう」


「無理」


「好機を逃すは天意に背く事です。この因果に則るならば、なおのことイチャイチャするより他に無いでしょう」


 どこの空だ。


「とりあえず」


 嘆息。


「古書を必要としないならここに来なさんな……我ながら狭量なことを言っている気もするけどね」


 古書館は古書を読む場所だ。


「先生?」


 艶やかな言葉がすぐ近くで知覚できた。


「いただきます」


 キス。


 そう呼ばれる行為。


 もっとも、


「……あれ?」


 立体映像相手じゃソレも叶わないけど。


「あれ? あれ?」


 スッスッと私の映像に手を差し伸べてかき回す。


「アバターですか?」


「だね」


「フルダイブ?」


「まぁそんなところ」


 呼吸の様に嘘をつく。


 私の得意技の一つで、一銭にもならない奥義ですらあったりなかったり。


「ふぅん?」


 と七糸。


「何か?」


「先生はケイオスさんと一緒ですよね」


「だね」


「ということは」


「ということは?」


「意識を失っている先生を好き勝手に」


「出来るならね」


 実際の私の意識は部屋でコーヒーを飲んでいる。


 片手でアバター操作。


 片手で喫茶だ。


「ま、その辺は調子合わせてるから大丈夫よ」


 クスッと笑う。


「先生」


 と今度は現実の方。


 凜と鈴振る声。


 ケイオスのソレだ。


「お腹空きました」


「仰せの通りにお姫様」


 インタフェースを相対固定して立ち上がる。


 それから使用人に昼食を作って貰う。


「二人揃って食べられるように」


 と雑炊。


 暖かみとダシの香りが利いた一品。


「はい、あーん」


 息で冷ました雑炊をケイオスの口元へ。


「あーん」


 雛鳥。


 やっぱりそんな心境。


 何せ可愛らしすぎるんだよなぁ。


 私はそっちのケは無いつもりだったけどケイオスはとかくパラメーターが突き抜けすぎている。


 その尊貌も精神も。


 いいんだけどさ。


「お水」


「はいはい」


 薬を飲んで安静に。


 私は使用人にコーヒーを用意して貰ってソレを飲む。


「あの」


 とケイオス。


「僕はお邪魔ですか?」


 今更?


 言うべき時機を逸している気がするんだけど……その辺どうよ?


「風邪をうつすかもしれません」


「いいんじゃない?」


 人にうつせば治るらしいし。


「先生は何でそんなに優しいんですか?」


「優しいかなぁ?」


 あまり自覚は無い。


「僕を拒絶しません」


「百億も貰えばね」


 皮肉った。


「でも手をつけてませんよね?」


「貧乏性です故」


 ある種の事実だ。


 別に金に困っていないため基本的には自前で十分。


 ストイックともまた違うけど。


 打鍵しながらケイオスの相手。


 アバターを通じて七糸の相手。


 どちらに対しても振り回される。


 中々どうして乙女心は複雑怪奇。


 こんなモブ眼鏡を相手にしなくても……、


「「先生」」


「はいはい」


 何でしょうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ