表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode2:フォーリンカオスラブ
282/318

三つの心と一つの想い9


「凜先生」


「凜ちゃん」


「須磨先生」


 かしまし娘が私を呼ぶ。


「なんでしょう」


 分かってはいる。


「「「昼食にしましょう」」」


 そんな感じ。


 それから三つ巴に為るお三方だった。


「はいはい」


 チョップを三つ。


「仲良くする」


「でも」


「けど」


「むぅ」


 心は三つ。


 想いは一つ。


 よくもまぁ愛されるもので。


 ケイオスが来てから顕著になった。


「何が原因か」


 その根幹だ。


 みゃっこは必死になったし、七糸もアプローチ過多。


 科学とアニメとゲームが好きなモブ眼鏡に何を入れ込めるだろう?


 一種のパラドックスな気もするけど。


「好き好きだねぇ」


「好きです」


「好きだよ」


「以下同文」


 全く以て救い難い。


「ところで」


 とこれは七糸。


「初キッスの味はどうでした?」


「レモン味」


「ふやや!」


 真っ赤になる七糸。


 照れるくらいなら聞かなきゃいいのに。


「凜先生」


「へぇへ」


「僕ともキスを」


「私とも!」


「気が向いたらね」


 サラリと躱す。


「それより食事にしましょ」


「それよりって」


「淡泊だよぉ~」


 知ったこっちゃござんせん。


 別段、「自分が好き」なわけじゃないから、「他者の想い」に鈍感にも為る。


 好意自体は認めても、その底までは計れない。


 眼鏡のブリッジを押し上げる。


「須磨先生?」


「何でっしゃろ?」


「またキスしましょうか?」


「有り難みが無いなぁ」


「むぅ」


 この程度の駆け引きで餓鬼には負けない。


「絶対に幸せにして見せますから」


「ブルーハート財閥の方がよほどだけどね」


「凜先生……!」


 感激を赤眼に映すケイオス。


「お金じゃ愛は買えないよ?」


 虚しい言葉だ。


 みゃっこの言ならでは。


 まぁ金銭欲には乏しいけど。


「この二人……」


 ケイオスは名前を思い出せないらしい。


「みゃっこ先生と七糸さんね」


「みゃっこ先生と七糸さんは必要ないですよね?」


 悲哀の声が発せられた。


 細く頼りなげな言葉。


「何がケイオスの背中を押すのか?」


 それは誰にも分からない。


 とはいえかしまし娘の慕情を無下にするのはなぁ。


 はっ!


 もしかして私はツンデレだろうか?


 嫌い嫌いも好きの内……的な。


 それはそれで不名誉だけども。


「とりあえず」


 嘆息。


「私をめぐる議論は後にして」


 昼食の味も分からなくなる。


「はい」


「むぅ」


「うぅ」


 うん。


 いい子いい子。


 苦笑して私は人工知能に執務室の権限を譲った。


 食堂に向かうにも引き継ぎは必要だ。


 ニャンニャンするにも教師の目が届かない方が良いだろう


 そのための図書館地下……古書館であるのだから。


「せーんせっ?」


「何かな?」


「食事を終えたら僕と古書館に向かいましょう」


 乙女の園に?


 それはそれでどうだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ