三つの心と一つの想い1
「…………」
「…………」
「…………」
三すくみ。
私は、淡々と、担々麺を食べる……シャレじゃないですよ念のため。
ケイオス=ブルーハート。
みゃっこ。
六菱七糸。
このお三方が牽制で、空気に切れ味を足す。
三者三様に、私を想っているらしい。
みゃっこのは、ジョークと信じたいけど。
「凜ちゃん?」
そのみゃっこの言。
「生徒に手を出したの?」
「まぁそうなるよね」
麺をたぐる。
「犯罪よ?」
「知ってるわよ」
それがどうした。
銀河最強の言葉だ。
「で、警察に突き出すの?」
試す様に問うと、
「そうだと言ったら?」
問いで返された。
「ま、別にいいんだけど」
麺をたぐる。
「私にもキスして」
「ジョークよね?」
「…………」
目が据わっていた。
本気?
「職場恋愛はなぁ」
面倒くさい。
「結局」
と、次に口を開いたのは、ケイオス。
「凜先生の浮気ですか?」
ケイオスを本命と自認したつもりも……ぶっちゃけてしまえば然程も無いものだけど。
言ったら刺されそうなので、
「沈黙は金」
と自重する。
「凜先生?」
「はいはい?」
「十把一絡げと恋愛してもしょうがないでしょう?」
その爆弾発言は、何とかならないだろうか。
「一絡げはそっち」
「全く以て」
みゃっこと七糸が、反論する。
「ていうか誰ですあなた方?」
まーそーなるよねー。
基本的に、他人を覚える能力が、欠落しているのだ。
ケイオスは。
何故、私だけはハッキリと認識できるかは聞いていないけど、
「愛故に」
と、云われても、全く不自然じゃ無い。
倫理的には問題だけど。
一応同じ大学の出だ。
後輩には当たるけど。
記憶には幾つか種類がある。
その内の、能動記憶と印象記憶に、脆弱性が見られるらしい。
あくまで主観だけど。
「忘れたの?」
「不名誉です」
そんな、みゃっこと七糸に、
「凜先生以外は比較的どうでもいいので」
「……………………」
挑発にしても、尖りすぎである。
頭痛を覚える。
担々麺をアグリ。
「とにかく……ええと……」
名前を思い出そうとして苦慮し、
「庶民二人」
諦めたらしい。
「凜先生は僕の嫁ですから、手出し無用に願います」
その結論もどうよ?
「凜ちゃんは私の!」
「須磨先生は私が幸せにします」
これで三人が男だったらなぁ……。
何故女性に好かれる?
環境か?
感性か?
宿業か?
勉強か?
どれでもあろうし、どれでもないだろう。
とりあえずノーコメントを貫く。
「凜先生」
「凜ちゃん」
「須磨先生」
言いたいことは分かる。
が、無視。
「「「どうにかしてください」」」
まずは、あなた方の恋愛観を、調整したいんですけど……どうか?




