表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode2:フォーリンカオスラブ
273/318

七糸の逆襲6


 で、


「結局、生産性の無いことをやっているけど、本当に用事は無いの?」


「須磨先生を籠絡したいという目的が」


 そんなことのために授業サボったんかい。


「だって先生綺麗ですもん」


「モブ眼鏡だよ」


 今も昔も変わらずね。


「謙遜です」


「本心です」


 コーヒーと玉露を、双方一口。


「六菱の令嬢ならお見合いくらいは有るんじゃ無いの?」


「でしょうね」


「その時に私との関係があれば足引っ張るわよ?」


「覚悟の上です」


 なんの覚悟だろう?


 あまり聞きたくも無いのだけど。


「先生はケイオスさんを愛してはいらっしゃらない」


「だね」


「であれば独り身……」


「候補を挙げるのは難しいけど……」


 何か……物悲しくなる御言の葉ですな。


「不肖私なら寂しい思いをさせませんよ?」


「七糸の親御さんは孫の顔を見たいと思うけど?」


「私は末っ子なので気楽な物です」


 そーゆー結論はどうかなぁ?


 言って理解するなら、パンツを脱いで、私に押し付けたりもしないだろうけど。


 偏に、


「趣味が悪い」


 の一言だ。


「何が背中を押しているのやら?」


 論文を書きながら私は考えた。


「ケイオスさんはお綺麗ですものね」


 拗ねた様な七糸。


「一日でプリンセスの座についたからね」


 妃ノ守女学園における風習だ。


 学年で一番可愛い生徒を指して、


「プリンセス」


 と呼ぶ。


 とりあえずは……まぁ乙女の世界だ。


 全寮制の女学園なら、ジュアンテルディな間違いも、多々起きる。


 そもそも、古書館自体が、その用途で使用されているため、嘆息もしようという物。


 同性交友なら特に逸ることもないしね。


「で、元プリンセスとしてはその辺どうなの?」


「悔しくはありますけど……」


 まぁ、その通り。


 栄誉や功績は、しばしば人心を惑わす。


 若いならば、尚更だろう。


 その上で、


「ケイオスは七糸より可愛い」


「ケイオスは七糸より金持ち」


 七糸のアドバンテージを、悉く上回るのだ。


 諸手を挙げて降参だろう。


 心理的圧迫も必然だ。


「別に人ぞれぞれだと思うけど……」


 私としては、ケイオスも七糸も愛らしい。


 優劣を付けるのは、少し難しくもある。


 単刀直入に言えば、


「皆違って皆良い」


 に収まる言論だ。


「先生は私を可愛く想ってくださるのですものね」


「そらまぁ」


 七糸が不細工なら、世界中が修羅の巷だ。


 当然、ここに、私も含まれる。


「だから先生は……」


 ガックリ、と、うなだれる七糸だった。


「何か?」


「いえ。いいんですけど」


 ほんわかした返答であった。


 それからウェストミンスターチャイムが鳴る。


 視界モニタで、時間を確認。


 昼休みだ。


「先生。一緒に食事でもどうです?」


「構わないけど」


 断る理由も無い。


「にゃはは」


 笑って、七糸は、私に近づいてくる。


 クイとネクタイを持たれた。


 漆黒のソレだ。


 喪服だが、着崩しているため、葬式には行けない格好。


 ドタドタと音がする。


 ――バン! と古書館執務室の扉が開かれた。


「凜先生。食事にしましょう」


「凜ちゃん! お昼よ!」


 ケイオスとみゃっこが現われる。


 その寸前。


「……ん」


 七糸が、私の唇を奪った。


 キス……と云う奴だ。


「ふえ……!」


「ふわ……!」


 私と七糸のキスに、ケイオスとみゃっこが狼狽する。


「先生?」


「凜ちゃん?」


 何でしょう?


「「浮気者!」」


 さもありなん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ