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オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode2:フォーリンカオスラブ
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七糸の逆襲1


 夏休みも近づくある日。


「どうかよろしく」


 懇意にしている教授から、論文を書くよう賜った。


 押し付けられた、とも云う。


 そんなわけで、古書館の執務室で、片手間に論文を書く。


 概ねの骨子は出来ているので、肉付けするだけだ。


 当然今は生徒とて授業中。


 執務室で別作業をしてもサボりにはならない。


 いや、なるんだけど……咎められない。


「…………」


 イメージインタフェースを打鍵して、執筆作業。


 ついでにオドも、片手間にプレイしていた。


「え? じゃあ論文書きながら?」


 混沌は唖然としている。


「まぁやれと言われたからなぁ」


 そんな私。


 カタカタ。


「本当に器用なんですねぇ」


「インタフェースの扱いは……まぁ慣れてるもんで」


 大学から、


「ミスインタフェース」


 と呼ばれる所以ゆえんだ。


 そんなわけでサード妖精郷で、敵キャラ(悪魔)を鏖殺しながら、ステージを先に進める。


「うーん。気晴らしになるなぁ」


 オドの爽快感は、結構、脳にぶっ刺さる。


 アドレナリン出まくりです。


「片手間でやってるにしては自然体ですね」


 混沌は、フルダイブだから、意識を電子世界にやっているのだろう。


 私は画面プレイなので、特に憂慮することも無い。


 元より、執務中に意識を現実から遊離させないため……その非常手段として開発したのだけど、これがまぁ便利。


 我ながら業が深い。


 ボスキャラは悪魔神官。


「おや珍しい」


 とは混沌の言。


 私は、論文の方に、半分意識をやりながら、


「将軍じゃなくて神官ね」


 と答えた。


「レアアイテムの予感」


 カオス値が導入されているため、ソレも妖しいけど。


「とりあえず前衛は任せるよ」


 私のキャラなら、聖なる攻撃魔法が使える。


 悪魔属性には痛烈だ。


 後は回復係。


 ていうか基本的に混沌に一任して問題ないクエストだけど。


 中略。


 デビルズチェーンソーと呼ばれるドロップアイテムを手に入れて、とりあえずはクリア。


「どうするコレ?」


 私は装備できないので、あまり興味は無い。


「ネトオクで売っていいんじゃない?」


 混沌も必要ないらしい。


「じゃあ任せた」


「いや、マリンに預けますよ」


 マリンは、私のアバター名だ。


「そっちで処理して良いよ? 金銭には困ってないし」


「お金持ち?」


「ではないけど」


 まぁ安定した収入を得ているため、金銭欲には乏しい。


「じゃあマリンに預けます。こっちは金持ちですからね」


「ふむ」


 論文カタカタ。


「じゃあ遠慮無く」


 レアアイテムを受け取る。


 ネトオクなら一万から二万程度の値はつくだろう。


 一種の臨時収入。


 それから妖精郷の喫茶店でお茶。


 私は画面プレイなので、アバターに座らせて、現実でコーヒーを飲む。


「ところで奇蹟少女ミラクルひじりの映画見た?」


 話題を振る。


「見ました。面白かったです」


「だしょ」


「ですよね」


 基本的に、科学とサブカルの話題が、私たちの会話の種だ。


「エンジェルアーマーがエロくて良い感じ」


 とか、


「ジューダス将軍って後付け設定ですよね」


 とか。


 コーヒーを飲みながら雑談。


 適当に、ネットの向こうと話ながら、論文を書き進める。


 ついでに資料作り。


 3Dでオブジェクトを構築して、見栄え良く。


「そんなことまでするんですか?」


 とは混沌。


「ま、別にしなくてもいいんだけどね」


 本音だ。


 別に偏っているわけでも無い。


 形而上的サービス。


 臨時収入が増えるわけでも無いけど、一種の良心だったかも知れなかった。


 さて、どうなるかは知らんけど。


「ところで別宇宙についての論文が先週あがったんだけど……」


「ほうほう」


「重力定数と別視点力学の応用で――」


「じゃあ量コンに於ける作用とリアクションは――」


 だいたい混沌と会話すると、こんな感じ。


 気が置けない夫だった。


 いやん。


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