休日の変質4
「いやー。面白かった」
セカンドアース。
その秋葉原。
そのメイド喫茶。
そこで私は、半ば呆然としていた。
さりとて熱気、冷めやらず。
「作画も良かったですね」
「だね」
チュー、と、アイスティーを、ストローで飲む。
無論、仮想体験だけど。
「ていうか映画で新展開はアリなのかな?」
いきなりパワーアップを見せつけられれば、量子ちゃんの様な懸念も、必然だ。
「まぁその辺はデータとして売られたときに情報を補完すれば良いだけですから」
ケイオスの意見に、
「だね」
私も賛成だった。
「量子ちゃんは面白くなかった?」
「んにゃ? 楽しめたよ?」
なら良し。
紅茶をチュー。
そうやってしばし、ミラクルひじりについて、語り合う。
それから、現実に回帰した。
一つのログアウト。
トイレに行きたかったし。
お腹も減ったし。
そんなわけで昼食をとる。
ブルーハート財閥の、使用人の手作り。
愛がある。
涙がある。
思いがあって金がある。
まぁ給料の内だよね。
食後のコーヒー。
昼からは何しよう?
そんなことを思う。
「凜先生」
「何でっしゃろ?」
「ニャンニャンしませんか?」
「駄目です」
「じゃあイチャイチャ」
「それくらいなら……まぁ」
「にゃあん」
抱きついて、甘えてくる、ケイオスだった。
可愛くはあるんだけどねぇ。
にゃんだかにゃあ。
「いい子いい子」
頭を撫でる。
「ところで寮に入らなくて良かったの?」
「外出が面倒になりますし」
「そりゃあ、お嬢様学校だから……」
必然じゃ無いかな?
全寮制なら普遍的だ。
「それに先生と寝られませんし」
「この場合の意味は単純な睡眠を指します」
「誰への言い訳?」
「量子ちゃんへの」
にゃー。
「んじゃイチャイチャしますか」
「ニャンニャンも」
「それはしません」
「何でですぅ」
「教師ですから」
「首にしましょっか?」
「どうやって生きていけと?」
無理じゃないけど。
「とりあえずは……」
私は、投影機に、イメージコンソールで干渉する。
「ふやや」
大日本量子ちゃんが、現われた。
「盗み見るの禁止」
「検挙しませんよ?」
「…………」
そういう問題じゃないんだけど。
言っても意味ないかな?
「凜先生」
「あいあい」
「チュッ」
唇が、重ねられた。
「いやん」
そんな量子ちゃんの声が、聞こえる。
顔を赤くして、指で目を覆っていた……けど、
「先生……」
指の隙間から、ばっちり見ている、量子ちゃんだった。
「先生……! 先生……!」
ケイオスは、ディープな奴を、かましてきた。
唾液が、唾液で、塗れる。
互いの唾液を、交換する。
まるで蜂蜜の様に甘い、ケイオスの唾液だった。
あるいは、興奮による錯覚かもしれなかったけど、
「…………!」
私としては、気分が悪いわけでもない。
問題は、ケイオスの慕情の根幹だ。
その理解だけは、必要だろう。
「…………っ!」
ついムキになって、反撃する。
舌で、ケイオスの口内を、蹂躙。
「先生……熱い……」
先手はそっちでしょ。




