三つ巴3
「ほんだでば懐かれたと?」
「そゆこと」
混沌と茶を飲みながら会話をする。
場所は妖精郷。
その喫茶店。
当然オドだ。
「どう思ってるんです?」
混沌が問うた。
「光栄ではあるよ」
私は茶を飲んでそう言った。
「そうですか」
穏やかに混沌は笑う。
「ていうかドクターカオスが何処で私を知ったのやら……」
「財閥なら色々と知れるんじゃないんですか?」
「まぁそうだけど」
そこまで否定出来はしまい。
「結婚しれ」
「無理」
「何で?」
「法律上ね~」
日本で同性婚は出来ない。
「面倒くさいですね」
「悪いとは思ってるよ」
「本当に?」
「思う所も無いでは無い」
一応事実だ。
「ところで今度レジェンドオブギャラクシーヒーローが劇場アニメになるんだけどチェックしてますか?」
「まぁ一応」
「楽しみですね」
「だぁねえ」
声優の伝説だ。
「疾風が」
「鉄壁が」
そんな話題で盛り上がる。
サブカル関連については科学関連と等しく共通の話題だ。
「サークル仏が新刊出すって」
「あそこの絵はエロい」
「ですよね」
苦笑いの混沌。
やっぱり自家発電してるのだろうか。
「…………」
あまり想像は出来ないけど。
茶を飲む。
「とりあえずはまぁリッターのフィギュアが最先端ですね」
「買うんだ」
「マリンは買わないので?」
「置く場所が無い」
少し前にスペースについての問題は解決されたけど。
「とりあえずはまぁ取り寄せたら見せて」
「承り候」
苦笑する混沌だった。
「しっかし」
私は言った。
「そろそろ夏イベントの季節?」
「ですね」
「水着装備を毎回新しく用意する運営に涙」
「まぁそれが仕事ですし」
あはは。
そう笑う混沌。
「とりま今はまだ良いでしょう」
「だね」
それには賛成。
「そろそろ僕はログアウトしますね」
「仕事?」
「とは違いますが似たような物です」
「頑張ってね夫」
「ゲームでなら誰とでも結婚できるんですから凄いですよね」
「だぁねぇ」
確かにその通り。
異論の余地も無い。
「ドクターカオスも別に悪意で近づいているわけではないんですから分別もって接すれば良いと思いますよ」
「へぇへ」
頷く。
そして消失する混沌。
そのアバター。
「…………」
私は視界モニタで時間を見る。
そろそろ昼だ。
ログアウト。
後にイメージインタフェースの格納。
とりあえず現実でコーヒーを飲む。
「ふう」
吐息。
精神的な疲労。
「とはいえ」
そこで口を閉じる。
コーヒーを飲むためだ。
そして、
「凜先生!」
愛らしい声が古書館の執務室に響き渡った。
言うまでも無い。
「ケイオス」
「何でしょう?」
「なんでもないよ」
その通りだ。




