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オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode1:ステイインドアーズ
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近くて遠い距離2


「どした?」


 俺は赤い瞳を白雪に向ける。


「し……しょう……?」


 支障、死傷、視床、市章。


 まぁ色々意味は在れど多分、


「師匠」


 なのだろう。


 そして俺の白髪赤眼の美少年アバターを師匠と呼ぶ白雪に、俺は俺で危機感を覚えた。


「おい……まさか……」


 白雪はVRMMOに明るくない。


 俺を師匠と呼ぶスノーもそうだった。


 白雪は俺が好きで、俺の好きなモノに関心を持っていた。


 同じ時期に俺はゲームを始めたばかりのスノーと出会った。


「というわけで白雪ちゃんも。オドのアバターを流用するように」


 言われて適用させた白雪のアバターは……雪の様に白い髪と瞳の美少年。


 スノー。


 詩的に訳するところの『白雪』。


「まさか……お前が?」


「ええと……忍くんが……?」


 どんな確率だよ。


 青い鳥じゃあるまいし。


「ちなみに御剣誾千代ちゃんがオドでのソードだよ?」


「誾千代さんが……」


 誾千代はオドのアバターを流用して金髪碧眼の美少年になって見せた。


「うわぁ……」


 呆然とした後、


「ええと……。ということは……」


「ということは?」


「私の性癖が……バレたと……」


「だな」


 死刑宣告にも等しかった。


「にゃははぁ」


 量子はケラケラと笑い転げる。


 完全に嫌がらせが目的であった。


 とりあえず量子のノリに合わせるのも癪なので元の姿に戻る俺たち。


 俺は黒髪黒眼に学ラン姿。


 白雪は同じ色の長髪を持つ大和撫子。


 誾千代が白銀の髪と純白の瞳の美少女。


 量子は言わずもがなの仮アバター。


「てい」


 ピシャン。


 白雪ではなく量子を鞭打ち。


「何するの!」


「報復」


 サッパリという。


「お前のせいで人間関係に支障をきたしただろうが」


「早いか遅いかの違いでしょ」


「む……」


 その通りではあった。


 少なくとも白雪がオドを始めて俺に近づこうとしている態度を、俺は雷遁として見てきたのだ。


 であれば超過疾走システムに対応した後の白雪の行動も予測できる。


 俺と一緒に遊ぶこと。


 白雪のアシスト適合率は八・五倍。


 しかもバハムートを所持するサモナーだ。


 総合能力で言えば俺を凌駕する。


 となればたしかに時間の問題だ。


「だからってなぁ」


 ピシャン。


「痛いって」


「業腹だ」


「いいじゃん。これで気兼ねなくなるでしょ?」


 ピシャン。


「業腹だ」


「私にそっちの趣味は無いよぉ」


 それは存分に承知しております。


「ほら。白雪ちゃんが物欲しそうな目を」


「まさか……」


「…………」


 白雪は俺と量子を見てポーッとトランスしていた。


「戻ってこい」


 ピシャン。


「ああん」


 悶え喜ぶ白雪であった。


「ええと……」


 とりあえず鞭のデータを破棄して嘆息。


 白雪の性癖が暴露されたところで付き合い方を改める必要が出てきた。


「どうしたものか」


 ボソリと呟く。


「大変だね君も」


 量子ほどでは無いにしても誾千代もまた面白がっているようだった。


 癪に障る。


 いいんだがな。


「で? 全員俺とデートでいいのか?」


「あの……その……できれば……」


「異論は無いよ」


「異議無ーし」


 たまに思うが女の子って皆こんな連中なのだろうか?


 サンプルが強烈すぎて電子娯楽の乙女像に懐疑的になってしまう俺。


 俺にとっての乙女ってのは純情で恥ずかしがり屋で臆病で心優しい異性だ。


 白雪がそれに該当するが、コイツはコイツでドMだしなぁ。


「うーん……」


 頭をガシガシと掻いてしまう。


「順番はどうする?」


「私が一番!」


 量子が宣言した。


 何でも昼から仕事があるそうな。


 午前中は量子のお暇ということなのだろう。


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