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オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode1:ステイインドアーズ
222/318

近くて遠い距離1


 というわけで文化祭当日。


 風邪もすっかり治って俺はコーヒーを目覚まし代わりに飲んでいた。


 朝食は誾千代の手料理。


 誾千代とは朝に合流すると定めていた。


 メニューはベーグルサンド。


 お供に牛乳。


 健康的に食べ終えて、今はコーヒーを飲んでいるとそういうわけ。


「君はサバサバしているね」


「俺が負い目を持つことに負い目を持つのがお前だからな」


「はは」


 寂しそうに誾千代は笑った。


「君は優しいね」


「残酷だ」


「そう自分を思える人間がどれだけいると思う?」


「結構いると思うがなぁ」


「出来れば地球ではなく世界の単位で話して欲しいんだが……」


「まぁな。だろうな」


「デート……してくれるんだよね?」


「それはまぁ保証する」


「うん。ならいいんだ」


「ベーグルサンドの礼だ」


「君は一々偽悪的だな」


「生来の偽善者なもんで」


「嘘もよりけりとは言うけど君は一級品だ」


「痛み入るな」


「道化を演じるところも私は好きだよ」


「本音なんだがなぁ……」


 無論大嘘だが。


 誾千代には色々と見抜かれている。


 だからといって踊りを止めるつもりはないが。


 コーヒーを飲み干す。


「さて、行きますか」


 時間は丁度九時。


 俺はベッドにダイブした。


 そして電子世界にダイブした。


 我が家の投影機に干渉してアバターの立体映像を作り出す。


 学ラン姿だ。


「うん。愛らしい」


 ほっとけ。


「ていうかお前ほどじゃないがな」


 白銀の髪と真珠の瞳。


 呼吸すら忘れる完全美。


 ほとんど芸術の領域だ。


 いや、いいんだが。


 それから二人して瀬野四のローカルネットにアクセス。


 保健室に登校した。


「おはよ。神鳴くん」


 養護教諭が挨拶してくる。


「おはようございます教諭」


「風邪を治しても治らないのねソレは……」


「精進してください」


 ハンズアップ。


「あう……おはよう……忍くん……」


 白雪も挨拶してくる。


「はい。おはよう」


「そちらは……」


「御剣誾千代。中学の友人だ」


「よろしく白雪くん。君のことは聞いているよ」


「よろしく……おねがいします……。えと……御剣さん……」


「誾千代で良いよ」


「誾千代さん……」


「うむ。それにしても白雪くんは可愛いね。なるほどなぁ」


「いえ……。誾千代さんの方が……ずっとお綺麗です……」


「ありがとうマイフレンド」


「御剣さん……文化祭のお客さんかしら?」


「はい。忍に渡りを付けてもらいました」


「楽しんでいってね」


 教諭が笑う。


「是非とも」


 誾千代も笑った。


 そこに、


「お待たせっ」


 紫の髪のアバター登場。


 大日本量子の覆面アバターだ。


「忍ちゃんに白雪ちゃん……誾千代ちゃんもちゃんと居るね」


「ああ」


「はい……」


「ん」


 三人で頷く。


「誰?」


 教諭の反応が一番正しい。


「ども! 保健室の先生! 電子アイドル大日本量子ちゃんでーす。にゃんピース!」


 指鉄砲を撃つ量子だった。


「え? マジで?」


 目が点になる教諭。


 気持ちは察せられる。


 俺にしてみれば今更だから感慨の湧きようもないが。


「信じるも信じないも教諭の自由ですよ。証明するモノはありませんし、一般客としての参加なので大して意味のある事実でもありませんし」


「神鳴くんが丁寧語になるほどの事態って訳ね」


 はっはっは。


「ていうかアバターで参加しようって言ったじゃん!」


「正直なところ恥ずかしい」


「そう言わず!」


「一生徒でいいだろ」


「それじゃつまんない」


 何がよ?


 そうは思ったがとりあえずピーチクパーチク量子がうるさかったのでオドのアバターを流用した。


「……え……?」


 そこで……白雪が呆けたように唖然とするのだった。


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