表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーバードライブオンライン  作者: 揚羽常時
『OverDriveOnlineAnother』Episode1:ステイインドアーズ
210/318

忍と誾千代の好きなとこ1


 文化祭は進む。


 昼食は部屋に意識を戻して食べたが、それらは誾千代の手料理だった。


 それからまたゴッドアイシスステムにリンクして映像を投射。


 アバターで学園の校門に立つと、


「プリンス様!」


「忍お姉様!」


 門番が俺を敬愛するように見つめてきた。


「サインいる?」


 ジョークだ。


「欲しいです!」


「わたくしも!」


 嘘から出た真。


 そういうわけでデータ上のサインを渡して、学園に入る。


 許可が出たので誾千代と連絡を取って待ち合わせ。


 その間にも妃ノ守女学園における俺の噂は肥大化していき、俺は崇拝される立場を味わうことになった。


 正直鬱陶しいったら無いが邪険にしようにもこっちは立体映像だ。


「どうにかしてくれ」


 ボイスチャットで誾千代に頼むとアドレスが張られた。


 敷地内だ。


 彼奴が俺に害意を持つわけも無いので警戒もせずにリンク。


 飛んだ場所は狭い部屋だった。


「やあ」


 と誾千代。


 銀色の髪と真珠の瞳は曇りの一点も無き美しさ。


「何処だ此処は?」


「私の寮部屋さ」


「一人部屋か?」


「一応成績優良者には特典がついてくるんでね」


「この学園……偏差値高くなかったか?」


「君は私が誰だと思ってるんだい?」


「だったな」


 苦笑するほか無い。


「息もつかせぬ完璧性。御剣誾千代その人だ」


「ふふ。君は何時もそうやって皮肉るよね」


「事実だ」


「それもまた動かしがたいけどね」


 存外嫌でもないらしい。


「すこしお茶でもしないかい?」


「俺はコーヒー」


「ではその通りに」


 そして実体とデータのサイフォンでコーヒーを淹れる誾千代。


 データの方を俺に渡す。


「それにしても君の錬金術は素晴らしいね」


「否定はしない」


 生憎と遠慮は母親の腹の中に置いてきた。


「全世界に公開しないのかい?」


「ミダースの二の舞は御免だ」


 世界中が黄金になってしまう。


「だいたい金地金の価値が暴落するぞ」


「まぁその通りであろうね」


 だからこそ大日本量子に監視されているのだから。


 公爵閣下には漏れているみたいだが。


 まぁ電子が地球を狭めた世界で、公爵の耳はエシュロンと同様だろうから、これを防ぐなら俺が秘密を墓場まで持っていかねばならない。


 日本政府が隠し通せるほど公爵の耳は悪くないと言うことだ。


 同時に危惧もされている。


 経済破綻を起こしかねない威力だ。


「とりあえず生かされている」


 それが俺の現状だ。


 コーヒーを飲む。


「どうだい?」


「何がだ?」


「まぁ色々あるんだが……例えばコーヒーの味とか」


「美味いよ」


「私と復縁する気には」


「惜しかったな」


「本当に可能性はないのかい?」


 どんだけ俺のこと好きなんだよ。


「俺には好きな奴がいる」


「…………」


 誾千代は半眼で睨んだ。


「白雪くんのことかい」


「ああ」


「恋人同士?」


「いんや?」


 まだ告白はしていない。


 両想いではあるが。


「君は私が好きではないのかい?」


「好きに決まってるだろ」


「だろう?」


「だな」


「その上で、かい?」


「ああ」


 コーヒーを飲む。


「お前は綺麗だしコーヒーを淹れるのが上手い。けどそれだけじゃ足りないんだよ」


「むぅ」


「懐かしいな。お前が俺にコーヒーを教えてくれた」


「まぁね」


「おかげでブラックも飲めるようになった」


「感謝して欲しいね」


「いつでもしてる。コーヒーを飲んだ回数だけ」


「でも私を想わないのだろう?」


「それも、ああ、だな」


「何がいけない?」


「男の子の矜持」


「?」


「ってなるよな……」


 苦笑する俺だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ