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あなたは夕立の様で4


 で、


「到着」


 何処に?


 都会に。


 とりあえず、


「何処に行くか」


 となって喫茶店に落ち着いた。


 四人(?)がそれぞれの席に着き冷たい飲み物をいただく。


 僕のおごりだ。


 散財しないと税金として持っていかれるだけだし。


 僕と量子がアイスコーヒー。


 秋子と夏美がアイスティー。


「とりあえず昼食はとるとして、その後どうする?」


「私はちょっと流行ってる手芸屋があるから見てみたいな」


 却下。


「何でよぅ」


 特に意味は無い。


「量子さんと二人っきりラブラブデート!」


 却下。


「何でよぅ」


 そもここで二人きりとか言い出す神経が理解できない。


「アミューズメントスペース……」


 妥当な落としどころだ。


「褒めてあげよう」


 夏美の赤い髪をクシャクシャと撫ぜる。


「えへへ……」


 はにかむ夏美は抜群に可愛かった。


 抱きしめてみたい。


 蝋人形化でも可。


 それはともあれ、


「何でわざわざ外に出たのにVRゲームをやらなくちゃいけないの?」


 皮肉ではない。


 心底不思議そうに秋子が問うた。


 それを言っちゃお終いなんですが……。


 コーヒーを飲む。


「結局のところ現実世界より電子世界ってことじゃないの?」


「電子世界なら私も雉ちゃんといたすことが出来るしね」


「それは却下で」


「何でよぅ……」


 だからこっちのセリフ……っ。


 中略。


 アミューズメントスペースに僕らは足を向けた。


 強硬に唯物論を展開する秋子の気持ちも慮って部屋取りは二時間ほど。


 そして部屋を施錠して電子世界にダイブする僕ら。


 フィジカルの肉体?


 部屋の中で寝そべってますが。


「とりあえず何する?」


「二時間なら出来ることも限られてきますね」


「じゃあ単純なもので行こうか」


 とりあえずゴルフを選択。


 電子世界が限りなくフィジカルを再現できるにしたがって、大掛かりな設備を必要とする遊びは電子世界が筆頭となった。


 ゴルフやビリヤードやボーリングが良い例だろう。


 今時モノホンのソレを遊ぶ場は……無いとは言わないけど極端に少ない。


 当然プロならば現実世界でプレイすることが必定だけど僕らのように興じるだけなら電子世界で事足りるというわけだ。


 もっともサッカーやバスケや野球はいまだもって現実世界のソレが隆盛冷めやらずという側面もあるため全部が全部ってわけじゃないんだけどさ。


 そんなわけで二時間程度を電子世界でゴルフに興じる僕ら。


 当然一位は量子。


 言わずもがなだ。


 電子世界のアイドルに電子世界で勝とうというのが既にして間違っている。


 原因が誰にあろうとも。


 服飾屋巡りは食傷気味だったので断固として僕が反対したため今度はカラオケに行くことになった。


 ここでも量子の独壇場。


 というか歌を上手く歌うように設定してるが僕だし。


 僕は懐メロを。


 秋子はポップを。


 夏美はアニソンを。


 量子は持ちネタを。


 それぞれに唄うのだった。


 もちろん『シュレディンガーに例えるな』や『あなたはまるで』や『ラプラスの天使と悪魔』は最高得点を叩きだした。


「あなたはまるで夕立の様。恵みの雨と理解は出来るけどどうしても気落ちさせられる」


 悲恋の詩だ。


 悲恋の歌だ。


 悲恋の唄だ。


 悲恋の唱だ。


 ではその発信源は?


「…………」


 わからないわけじゃない。


「理解できているか?」


 と問われれば首を傾げるけど。


 少しずつピースは埋まっていく。


 それはきっと悲恋の形。


「だから……きっと……あなたは……まるで……」


 情緒的に歌う量子の『あなたはまるで』がルームに響く。


 曲がフェードアウトして終い。


「ご清聴ありがとうございました」


 慇懃に量子は一礼した。


 紫の髪がキラリと揺れる。


「やっぱりアイドルは違いますね」


 拍手しながら夏美。


「まぁこの程度はやってのけるでしょう」


 至極当然と秋子。


 僕?


 秋子に一票。


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